石の世界でアニメの技を使える俺   作:8アイス8

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マジで書くことないです。

最近将棋はじめました。
何が何だかわかりません。


第3話

あの日、理科室で自分の能力を千空に「研究材料」として差し出してから、数年の月日が流れ高校生になった。

 

今日は、千空と共に科学部室にいた。

それにしても今日はやけに”右の親指がうずく”。

 

凛は無意識に、右の親指を口元に運び、軽く噛んだ。

それは、かつて迷宮都市で最強の騎士団を率いた小人の勇者、フィン・ディムナの『再現』。

理屈を超えた、運命の分岐点を感じ取る絶対的な「勘」だ。

 

「……おい凛。お前、さっきからフラスコの中身じゃなくて、自分の指ばっか見てんな。100億%、集中力が切れてるだろ」

 

千空が試験管を振りながら、呆れたように声をかける。

だが、凛が親指を噛んだまま、いつになく険しい表情で窓の外を凝視しているのに気づくと、千空はぴたりと手を止めた。

 

「凛。その指の疼き……何か『来る』のか?」

 

千空は、凛の『再現』がただの遊びではないことを、誰よりも知っている。彼女の勘が騒ぐときは、いつもなにか大きな事態が起きる時だ。

 

もしかしたら今日が原作開始時なのかもしれない。

 

《告。その可能性が高いと推測。現在、個体名:大木大樹が部屋に近づいてきています。推定エネルギー反応より、高揚状態にあると判断》

 

脳内に響くのは、無機質でありながら絶対的な信頼を感じさせる声。

転スラに出てくる智慧之王(ラファエル)を『再現』したのだ。

 

智慧之王(ラファエル)の解析に狂いはない。凛の背筋に、冷たい緊張が走った。

つまり、今この瞬間が、平和な文明社会が幕を閉じる直前の「数刻前」ということだ。

 

「聞いてくれ千空ー!! 凛!!」

 

鼓膜を震わせる爆音とともに現れたのは、親友の大樹だった。

 

「俺は決めた!今日こそ今日から!!この5年越しの思いを、杠に伝える!!」

 

大樹の声でビリビリと空気が震える。

勘は当たっていた。やはり今日が原作開始時だったようだ。

 

「ほーん、そりゃすげぇ興味深い深い。声帯がブチ切れるほど応援してるわ。この化学部室から」

 

千空はダルそうな顔をしながらそう答える。

 

「ボクも応援してるよ」

 

「おおそうかありがとう二人とも!」

 

二人の答えに大樹は嬉しそうにそう言う

 

「うるせえな1mmも応援してねえよこのデカブツ」

 

「なにぃどっちだー!」

 

大樹が混乱して頭を抱える横で、凛はクスクスと笑いながら千空の発言を補足した。

 

「千空はツンデレなんだよ」

 

「喋るな。あほ」

 

冷たい突込みをすると千空は謎の機械から作られた液体をフラスコに入れる。

 

「そもそも5年も何も言わねぇバカはどんだけ非合理的だ。

死ぬほど合理的なものをくれてやるよ」

 

千空がわっるい顔をする。

 

「フェロモンの放出を極度に活性化する、いわゆる惚れさせ薬。こいつ飲んできゃ100億%だ!」

 

千空からフラスコを受け取った大樹はしばらくそれをじっと見た後、フラスコを傾けガソリンを捨てた。

そして大樹は空になったフラスコを握り締め、真っ直ぐな瞳で千空を見据えた。

 

「ありがとう!千空。だがすまん。こんなインチキには頼れん!」

 

この日大樹は正々堂々とクスノキの下に杠を呼んだ。思いを伝えるために。

だが凜は知っている。その気持ちはまだ伝えることができないと。

 

「てかこれマジか千空。惚れさせ薬って」

 

「んなもんあるわけねぇだろ。ただのガソリンだ」

 

ペットボトルのキャップから作った。と、一人の質問にそう答える。

 

「ポリエチレンの分子構造考えろバカ。ガソリンの長さに炭化水素ブッタ切ってるだけだ。見りゃ分かんだろ」

 

「千空、流石にわかんないよ。そんなこと」

 

凜の後ろではその意見に賛同だというかのようにうんうんとうなずいてる人が何人かいる。

 

「飲んでたら大樹くん死んでるじゃないか…」

 

背後で誰かが戦慄した声を上げたが、千空は一瞥だにしない。

 

「ククク100億%飲みやしねえよ。あの真面目バカはよ」

 

千空の声には確かな信頼がこもっていた。

 

「千空、大樹の告白見たい…」

 

凜は原作ファンとして大樹の告白シーンを見てみたかった。しかし、それを言った後に気づく。

千空の近くで石化してしまったら自分は、優先的に復活させられるだろう……司よりも早く。

そうなってしまえば早くも原作崩壊だ。司がいないと原作がかなり変わってしまうし、最悪の未来が、なんてことも有りうる。

 

原作厨というわけではないが、凜はDr.STONEのストーリーが好きだし、最悪の未来は嫌だ。

好きなのはハッピーエンドなのだ。

 

「ごめん、千空。ちょっとお手洗い行ってくるね」

 

凜は告白を見るのを諦め、返事を聞く前にそそくさと化学部室を出た。

 

 

トイレに入った後、周りに人がいないことを確認する。

 

「智慧之王《ラファエル》、適当な無人島へ。誰にも邪魔されない場所がいい」

 

《了》

 

次の瞬間には、景色が変わっていた。

部室の喧騒は消え、目の前には砂浜と海が広がっている。

どこかは分からないが、人の気配はない。

 

「……ここならいいか」

 

振り返ると、空の向こうから緑色の光が迫っていた。

光は一瞬で島を飲み込み、視界を塗りつぶしていく。

 

身体が重くなり、感覚が消える。

石化が始まった。




主人公の身長は158センチと低めになっています。

ちなみにですが、髪の毛が全体的に白いのはアニメの法則的にその方が強キャラ感が出ると思ったからです(千空、Dr.ゼノ、作品は違いますが五条悟など)
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