最低でも月1で出せるように努力します。
かなり遅れてしまい申し訳ありません。
《告。西暦5738年4月1日まであと1時間》
それはストーンワールドがまもなく始まるという知らせだった。
《地上への瞬間移動を実行しますか?》
ーyes
凜は迷わず答える。
そして次の瞬間、パキリ石がひび割れる音が聞こえた。
ひびは瞬く間に全身に広がり、数千年もの間、凜を閉じ込めていた石の殻が剥がれ落ちていく。
「…………ぷはっ!」
肺に流れ込んできたのは、春の風。
瞬間移動はいつの間にかされていたようだ。
「……でも
凜のまっとうな質問に
どうやら久しぶりの出番で張り切りすぎたようだ。
「とりあえず、服を作って今夜はここにいよう」
半径1kmという非常に小さな島だが動物はいる。
「たしか千空は、シカの皮を使って服を作ってた。なめこ?なしめ?作業だっけ」
《なめしです》
「そうそれ。やろうか」
凜はそういって森の中へと入った。
月明かりがわずかに差し込むだけの森の中、凜は一歩ずつ足を進める。
視界は悪いが、そこらへんはチートでどうにかなる。
「……いた」
暗闇の向こう、ガサリと草木を揺らす音とともに、一頭のシカが姿を現す。
「……悪いけど。素材になってもらう」
凜は“”杖を右手に持ち“”シカに狙いを定める。
「
瞬間、杖の先にあつ魔法陣から光線が放たれる。
光線は、見事にシカの頭部に命中した。
「……ふぅ。流石ボク。狙い通り」
《告。後ろにある森が消し飛んでいます》
シカの頭部に命中した光線は後ろの森まで消し飛ばしていた。
「……私はいつもやりすぎてしまう」
《……はぁ》
「……呆れないでよ、
凜は、少しだけ肩を落としながら呟いた。
「それに、
《……》
「わかったよ。とりあえず今は服を作るよ」
凜は倒れたシカの前にしゃがみ込み、その温かい毛皮に手をかざした。
イメージするのは、あのアニメの形状変化魔術。
「……チェルーシル」
だが、何も起きない。
正確には、シカの皮がぴくりと震えただけで、服へと形を変える気配がなかった。
「……あ」
そこで、凜は思い出した。
チェルーシルは、今着ている服や既存の布の見た目を書き換える魔術。生身のシカの皮、ましてや「なめし」もされていない素材から服を作り出す術ではない。
……失敗した。
深夜の無人島。全裸のまま、シカの死体を前に固まる凜。
その沈黙に、脳内の
《……解。現時点での素材の状態では、魔術『チェルーシル』の発動条件を満たしません。代替案として、個体名:リムル=テンペストが使用した構成技術の再現を推奨します》
「……だよね。最初からそうすればよかった。っていうか、気づいてたなら言ってよ」
《……告。マスターが自信満々に手をかざしていたため、あえて静観していました》
「……性格悪いぞ、
凜は少しだけ頬を膨らませて抗議したが、今は言い合っている場合ではない。全裸で深夜の森に立ち尽くすのは、いくらチート能力を持っていても精神的にくるものがある。
気を取り直して、凜はシカの死体から一歩離れた。
もう素材(シカ)は必要ない。
「やるよ……。再現、『粘鋼糸』」
凜が指先に意識を集中させると、そこから魔力が形を成し、月の光を弾くほど鋭く、そして強靭な銀色の糸が溢れ出した。
糸は瞬く間に布になり、服になる。
出来上がったのは、152cmの小柄な体にぴったりと合う、漆黒のサバイバルウェアだ。
動きやすさを重視したミニ丈のスタイルが、凛の幼い容姿をどこか「戦う少女」のように引き立てている。
「…………よし。これでいい」
凛は自分の腕を包む生地の感触を確かめ、小さく頷いた。
修行を飛ばしたチートの成果。
一刻も早く、自分の愛した物語の真っ只中へ合流するための最速手段。
「……さて。服はできた」
足元には、ゾルトラークで仕留めたシカ。
視線の先には、同じくゾルトラークで更地にしてしまった元・森。
「……次は寝床。
《解。出力の再調整は完了しています》
「……それ、さっきも聞いた気がするけど」
凛はジト目で空中の見えない相棒を睨んだ。
でも、頼りになるのは確かだ。
さて、次は何を再現しようか。
更地になってしまったこの場所に、一晩過ごすための拠点を一瞬で作り上げなければならない。
「……建築系のスキル。……何がいいかな」
小さな指先を顎に当てて、凛は脳内にある「アニメの知識」を検索し始めた。
これから
ルビが大変でした。