「でもさ、そのなんちゃらってとこどやって行くの?」
「目を瞑ってください。」
目を閉じる…
体が浮遊感にとらわれ、今まで感じたことがない何かを感じた。
「認識顕現(リアライズ)」「降臨顕現(コンセプション)」
周りに魔力が蠢く、切れ味が鋭い印象をもつ魔力はレヴィに纏まっていく。
「行きますよ、ヨウさん。」
返事を返す間も無く…
「到着したっす。リリス先生たちよりも先の位置で印つけといて良かったっす。」
「それにしても速えぇーな。どうやったの?今の」
「まー、内緒っす」
「ん、まぁ忍者だし仕方ないか」
「はいっす」
こんな他愛もない会話を楽しんでいると向かう先にデカい扉がある。
異様な空気を放ち、それでいて誰かを待っているような…
行ってみればわかるか…
(お兄さん、ここに来たら駄目だよ。危ないよ)
ん?なんか声がしたような…、気のせいか。
ふと気を抜いた瞬間に周りから黒い人形みたいな、何かが出てきた。
「なんだこれ?」
「それは、魔導士の末路っす。魔力に溺れ、魔力に憑かれ、魔力に負ける…、まぁ魔力の使い過ぎで人間は人間をやめることになるっす。」
「ふーん」
俺の目にはただの黒い人形にしか見えないんだよなぁー
触ってみっかな。
その黒い何かに近づいていく…
「なにやってるっすか?!」
「ちょっとの好奇心と、何かいける気がするこの冒険心だ。止めんな」
「冒険心ってなんすか…」
呆れたように、こっちを見て心配そうな顔をする。
「んじゃ、いってみよー」
わらわらとうじゃうじゃと湧き出る魔物に
「俺が通りてぇー道を塞いでんじゃねーよ!!」
だだ、ぶん殴る。
それだけで相手は吹き飛び塵と化す、つまんねぇーなとか心の中で思いながらどんどん進む。
殴って、殴って、殴って、殴って…、手が擦り剥け血だらけになろうともただ進む。
誰かが待ってる気がするから、行かないといけない気がするから。
「だから、邪魔すんなって!!」
殴り続けても湧き出てくるこの魔物、腹が立ってきた。
「強欲(アワリティア)のアーカイブに接続。テーマを実行しろ」
周りに光が集まる。
それが自分の体に纏わりつく感覚に囚われ、体が軽くなり、傷が癒えていく。
「全く、いつも無茶ばかりしているのがわかりますね」
「だからね、もっと頼ってって言ってんのに」
「はいはい、わるーござんした」
「「分かればよろしい」」
輝きを体に纏い、まるで自身が光そのものになったかのような状態。
体は空気のように軽く、力が湧き上がってくる。
これなら一生戦っていれそうだ、くらい思ってしまうほどに。
魔物たちはその輝きにあたるだけで浄化されるように召されてく…
「さっ、この門潜ればユイにあえるな。夢では会ったことあんだけどなー」
「そうなんっすか?それよりさっきの能力なんすか、傷が回復するなら早く使ってくださいっす。」
「わりぃーな。」
門を潜ろうとすると隣の壁がぶち壊される。
土煙の中声がする。
「ありゃー、結構時間かかったなー」
「ホントですよ。しっかりしてくだい、アキオ」
「真っ直ぐきたんだけどなぁー」
そこには殺人キック女と水晶女がいた。
ドカァアアアーーン!!
「ん?なんの音だリリス」
「どこかの壁が壊されたのでしょう、しかも誰かのてによって」
「やべぇーな。アキオとミラがきたらお終いだ」
「もうすぐですよ、アラタ行きましょう!」
「あぁ」
急ぐ、全力で敵を無視して駆け抜ける。
「旦那さま、もうすぐで着きそうよ」
「あぁ、ありがとうアリン」
「頼むから無事でいてくれよ、ユイ」
「おい、レヴィ。アラタ達は今どこだ」
「この近くっすね」
「なら、時間稼ぐか」
「そうなるんっすよね…」
直ぐそこにいて、尚且つ殺気をバンバン放ってくるアキオとミラ
「また、会いましたね。日照ヨウ」
「おーう、にーちゃん。この前振りだな」
殺気は隠さない、本気で潰しにくるようだ…
まぁ、こっちも二人。いけないこともないだろ…
静かに深呼吸をする。
「お前らは、なんでここに?」
「決まってます。ここに【崩壊現象】を起こしている不浄な存在がいるからです。ユイさんには悪いですがここで死んでもらいます」
「マジっすか…」
「どうした?レヴィ」
「いや、そのユイは唯一の友達だったすから…」
はぁー、そろそろ俺はこいつらに激怒してもいいだろうか?
俺の知り合いを二人も殺そうとする奴に、俺の知り合いをこんなに悲しませようとする奴に…
鼓動が高鳴る、ドクンドクンと自分の感情の高ぶりを教えてくれる。
こいつらにはやっぱお仕置きが必要だな
「おい、水晶女…」
「なんですか?いきなり失礼な人ですね。」
そう言って映晶術(ゲヘナ・スコープ)を構える。
「それじゃぁー、無理だ。俺の攻撃は止められない…」
そう言葉を言った瞬間にはミラの背後にヨウはいる…
そして小声で
「英雄(エターナル)の記憶(メモリー)起動」
「畏まり…?主様?」
「降臨顕現(コンセプション)」
黄金の剣が片手に宿る。
その刃は光の如く早く、綺麗で…でもどこか危険で
「閃撃〈マルトゥーサ〉、これは光よりも早い」
その攻撃はミラを殺すために、それだけのために動かされていた…
赤い鮮血が飛び散った。
「ヨウ!!」
「主様!!」