魔導士って何?   作:豚肉の加工品

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英雄の誕生

またこの感覚だ…

躊躇なく人を殺めようとする感覚。

目の前には怯え、恐怖に満ちた顔…

それを庇おうと走り出す殺人キック女、自分の体を自分で制御できないこの感覚。前にも一度あった、それは『天照』を打ち出す時…

自分が自分じゃなくなる時のこの感覚

なんか嫌だなぁー…

 

「光の速さをも凌駕するこの閃撃で死ね…」

 

「だめっすよっ!!」

 

前が鮮血で覆われる…

後悔と懺悔の感情がじわじわ湧き上がってくる。

 

「何だ?お前は、俺の邪魔すんのか。」

 

「ぐぅ!…あ、あなたは誰っすか?」

 

口から血を吐きだしながら質問してくる少女を見てまた後悔を覚える…

 

「俺の名前は、ヘイルス。魔王を殺すために生まれ育った物だ」

 

「つまりあなたはヨウさんではないんっすね?」

 

「あぁ、”こいつか”。こいつは俺であって俺ではない…、姿、形、気持ちすら違うからな。」

 

茶色がかった髪を掻き上げ、目を鋭くさせる…

 

「これが俺の姿だ。」

 

髪の色が白へと変わり長くなる、黄金の甲冑姿にマントを羽織っている。

まるでヨウとは違う容姿…

 

「さぁ、逃げるか死ね…。お前も魔王の番なんだろう?」

 

剣に力を込めるとレヴィの呻き声が聞こえる。

苦しみ痛み、悲しみ…

剣に力を込めれば込めるほど気持ちが罪悪感に囚われる

 

「ヨウ、さん。わ、私はヨウさんが好きっすよ?実は誰にも取られたくないほどに…」

 

「なんのことだ?」

 

「だから、戻ってきてください…っす」

 

倒れこむ少女を目にし、ありえないほどの喪失感に囚われる

 

「あ、あぁああ!!!!」

 

その場のミラもアキオが畏怖する。

 

 

 

 

 

心の中で葛藤があった…

自分じゃない奴が自分を、自分の大切な人を殺そうとしていることに…

 

「アキオォオオオオオ!!思いっ切り俺を蹴り飛ばせぇえ!!」

 

アキオがハッとなり高速で近寄る。

 

「やっと、名前を覚えたか。にーちゃん…」

 

頭に蹴りが直撃する横にぶっ飛び壁を何枚もブチ破る。

ドンドン壁をぶち抜く…

 

「俺から出てけよ!!くそ野郎っ!!」

「くっ!!」

 

体が急に重くなった気がしたが問題ない。

あとはレヴィの処置だな、早くしねぇと…

壁の貫通がやっと終わるとそこにはアラタたちがいた

 

「おっ、ヨウ。大丈夫かってなんだその髪の長さ…?」

 

「お、みんないいところに。先生、あのドデカい銃だしてください。」

 

「どうしてですか?」

 

「いいから!」

 

驚きながらもだしてくれる。

俺が大声を出すのが珍しかったからだろう…

ブチ抜いてきた壁のほうに標準を合わせ

 

「引いてくれ、先生!」

 

「え…で、でも」

 

「早く!!」

 

わ、分かりました。としょうがなく引いてくれる。

 

強欲(アワリティア)のアーカイブに再接続、テーマを実行する」

 

銃口に合わせて飛ぶ、そして銃弾に乗る。

 

ー 死なないでくれレヴィ ー

 

「やっと治ったの?ヨウ」

「よかった」

 

「おう、丁度いい。俺の記憶に回復魔法的なのないの?」

 

「あるよ」

「あるわよ?」

 

「どうやって使えばいい?」

 

「免疫接触して、自分の魔力を相手に流し膨張させてくことによって魔力の回復及び体の傷が治るわ」

 

「つまり、キスして治せるってわけだ…」

 

簡単でよかった。と内心では思うがこの少女たちは簡単ではないのだ。

嫉妬、憎悪の塊だから言うことは大体予想がつく。

どうせ、「え?キスする気なの?」とか「したらその女、また殺すから」とかだろ?

 

「よかったぁー。いつものヨウだぁー」

「えぇ、本当に…」

 

?何があった、いつもの反応とちげぇーじゃねぇか。

 

「さっきまでのヨウは何か違う人って感じたったんだよねぇー」

「確かにそうでしたね。勝手に記憶《メモリー》使うし」

「強制って感じだったからねぇー」

「嫌だった、の一言ですね」

 

「そういう愚痴は後で聞いてやるから、中に入って手助けしてくれ…」

 

そんなことを話してる内に、血だらけのレヴィとそれを応急処置している二人を見つけた。

まだ息はあるようだが、意識をなくしているレヴィにかける。

罪悪感でいっぱいだった。だってこんな状態にしたのは俺だ。

でも、こいつに嫌われようと助けられるのは俺しかいない。あとでどんな罰でも受けよう、嫌われてもいいからこいつだけは助けよう。こいつの親友も助けよう…

 

「レヴィ、ごめんな」

 

「英雄《エターナル》の記憶《メモリー》起動」

 

「祝福〈癒しの轟〉」

 

口づけをそっとする、軽く済ませようとすると「もっとしないと治りませんよ?」とか言ってくるやつがいるのでしっかりやる。

二人の見ている中で、生々しいキスをやり続ける。

それを二分くらいし続けるとアラタたちが走ってくる、案の定それをみて絶句する。

体、魔力を”回復”させているのはすごいがもっとやばいのが行動だった。

先生は顔を真っ赤にしアラタは目をそらし頬を赤くしている。アリンは通常運転だが…

 

「ぷはっ!!」

 

キスが終わるころには傷が癒え、すやすや寝ているだけだった。

あとはやることは一つだけ…

自分の上着をかけてやる。

 

「ここからは俺が行く。誰もくんなよ?」

 

「みんなで行ったほういいだろ?絶対」

 

「これが俺の罪滅ぼしなんだ。」

 

悲しそうに言う、分かるやつには伝わり、しらないやつらは首をかしげているだけ

 

「行ってくる。」

 

ユイの部屋と書かれたデカいドアを開ける。

そこに待っていたのは、巨大な竜に囚われた一人のお姫様だった…

 

 

 

 

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