「ふふ、おもしろいわねー。君」
結構な力でぶん殴ったはずだが平然とした態度で地面に着地し両腕を痛そうにプラプラしている。
というより、全然この状況についていけない。
いきなり来た場所は廃墟というかなんかの建物が吹き飛んだ感じの場所だ。
周りを見るとレヴィと水晶女にアキオ、それにワイシャツ姿のアリン。
そして、アリンに膝枕された貧乳ツインテール。
それ同様に隣でリリスに膝枕されたアラタ。
「お前…、こいつらに何した?」
「魔力を美味しく頂いちゃったのよ。」
「だからか…」
だからこんなに疲労しているのか。
あれ?そういえば…
「魔力がなくなると魔に食われるんじゃなかったか?確か」
「そうっすよ。」
颯爽と隣に現れるのはレヴィだった。
よく見るとマフラーとかがボロボロになっている。
「でも――――」
「あなた達じゃ私に勝てない。これが現実よね」
そういうと背中から黒い翼が生える。
この翼は見たことがあった。
アラタが【魔王因子】を暴走させた時だ…
でも、一度見ているし味わっているから全然驚きには達しない。
むしろアダムとイヴがいない方が驚いている。
どうやってこいつを倒すのかが全く頭に湧かない。
「何を考えているのかは分からないけど、殺し合いの中ずいぶん余裕ね。」
「?」
突然、後ろから声がした時にはもう遅かった…
相手の唇が自分の唇に当たっていた。
急にガクッと力がなくなる。
いや、吸われていく。
「な、なんだ…これ?」
「〈解析(リアライズ)〉したのよ。あなたの魔力を。」
ドンドン力がなくなっていく。
瞼が重くなり気が遠くなっていく…
最後に見た光景はレヴィと巨乳ツインテールの激突だった。
ねぇ?だから言ったでしょ?
こうやって気を失っている内にドンドン仲間が傷ついていくんだよ?
今欲しいのは力でしょ?
ね?だから、早く使いなよ。
躊躇している暇なんてないよ?
英雄さん。
んじゃ、お前の言う力ってなんだよ?
圧倒・破壊。それ以外になんかある?
あるだろ?それでそのあとは?
分かんない。
なら、お前は黙ってろ。
俺が正しい力の使い方を教えてやる。
だから力を寄越せ。
随分と強引だなー。
まぁ、力の使い方を教えてあげてもいいけど…
一つ条件があるんだ。
なんだよ?
あんまり、【魔王】に近づかないこと。かな?
使い過ぎに注意ってことだな?
あ、もう聞いてるのか。なら大丈夫。
行ってらっしゃい。
あぁ…
意識が戻っていく。
もう自然に立ち上がる体制で目の前には地面がある。
魔力が回復していく。
「さぁ、英雄の凱旋だ。巨乳やろう。」
「ハハッ!今まで気を失っていた癖に何を言ってんのッ!!」
また瞬間移動か…
「止まって見えるなー。それじゃ」
斜め上から突然現れる巨乳ツインテールに向かって手をかざす。
そして…
「次元ごとぶっ飛べ」
魔力の波動と、拳の拳圧によって弾き飛ばされる。
そのときの表情は明らかに余裕が感じ取れない。
「くっ!!」
黒い翼と両腕でしっかり守りを固めるが…
「動きが止まってるぜ?」
片手に透き通った刀身をした刀をもったヨウがもう既に背後にいた。
「なっ!!!」
「音速撃〈奏でる剣(レクイエム)〉」
背後から魔王因子の象徴ともいえる漆黒の両翼をぶった斬る。
すると相手は驚いた表情を隠せないようだ。
当たり前だ、人間に羽なんて生えるわけがない。
つまり羽の分動きが悪くなる、こんなことも分からないのだろうか?
それともまだ魔力をうまく使いこなせてないだけなのだろうか?
まぁ、どちらにせよここで終わらせる…
「もうこっちくんな、巨乳野郎っ!!」
「まっず!」
振りかぶる瞬間に巨乳ツインテールの周りに数字が浮かび上がりその場から消える。
綺麗に空振る剣は地面に当たり、地面は無数に切り刻まれる。
そして俺は倒れこむアラタと貧乳ツインテールの下へ向かった…