意識が戻っていく…
力も戻る、水の中から地上にでたかのように感覚が違う。力の使い方が分かる…
「ありがとうな。二人とも」
「私はただあなたのために…」
「そうだよ、ヨウ。もっと褒めて?ほとんど私のおかげなんだから」
全く反対方向の会話に息が一つたりともあってない二人はいつも違う方向に行くが、ちゃんとした時には頑張ってくれる。
俺はすべてを知り、分かりたい。真実に立ち向かいたい…
意識がだんだんと戻っていく、一難去ってまた一難なんて言葉があるが俺には幸福でしかなかった。
「ふぅーー、あとはそこの魔王候補だな。死んだら、私を呪いな!!!」
アラタの目の前には殺気を充満させた蹴りが来る!!苦しくて仕方ないこんなときに早く、強い蹴りは避けられるわけがない
「アラタ!!!」
「「アラタさん!!」」
三人同時に叫ぶ、それは届かぬ思いか、はたまた届く思いなのか?それは誰も分からない…
それが、”運命に抗える”人間でもないかぎり…
「アラタ、ちゃんと自分の魔力くらい支配してみろ。」
蹴りはアラタには届かない。
遅る、遅る目を開けるとそこにはヨウがいた。さらに、さっきまで受けることなんて考えもしなかったあの殺人キックを糸も簡単に片手で止めている。
「おいおい、しっかりしてくれよ?そんなんじゃ俺の背中は守れないぜ?」
「ハハハ、俺そんなこと言ったけか?」
「いや、全然。とにかくお前はこの【崩壊現象】を止めろよ。その間にこの二人を俺がぶっ飛ばしてやっから」
「よく言うぜ!分かったよ、やってやるぜ!」
「おいおい、さっきここで死にそうになったあんたがあたしらを倒すって?笑わせんなよ!」
足に魔力を溜める。
「暴食(グラ)のアーカイブに接続!テーマを実行する」
服装は基本変わらないが、中身が変わる。使える魔力が段違いに上がり、その上また殺人キックが来る
「行くぞ。イヴ、アダム」
「はい」
「うん!」
魔力が静かになる。その場の空気すら薄くなる…
「強欲(アワリティア)のアーカイブに接続、テーマを実行する。」
「な?!!」
魔力が一気に吹き荒れる。台風のように吹き荒れるそれは人知を超えている、魔王候補ですら凌ぐ魔力量。
蹴りの体制に入っていたアキオが吹っ飛ぶ。
「覚悟しろてめぇら、俺のお昼寝を邪魔した”罪”はおめぇぞ?」
「ヨウさん?」
「ん、どうした?レヴィ?」
「さっきユイさんと会ってましたね?」
「あぁ、そうだけど?なんで分かったの?」
「匂いっす!」
「怖いよ…」
こんな他愛もない話をしているとアキオの蹴りが飛んでくる。だがそれも容易く受け止める。
「おい、アラタ?そろそろか?」
「あぁ!!まかせろよ」
「ならこっちも終わらすか。」
「簡単に言ってくれるじゃねぇの?」
「だって簡単だもん。」
目の前からヨウが消える、否、早すぎて見えなかったのである。
突然真横から殺気が飛んでくるのを感じたアキオはしゃがんで避ける。
「馬鹿だな。そんなんで避けれるわけねぇーでしょ?」
「え?」
上から大量の魔力が降り注いだ…
「『天照』」
それは神々しくも、残酷な一撃だ。もう【崩壊現象】よりもひどいかもしれない…
だってただの個室でそれをする。
「こりゃ、参った」
アキオは光に包まれた…