聖ドロンボ学園★6年3組   作:影の設計士

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聖ドロンボ学園 6年3組:朝の会

教室のドアが音もなく開く。

その瞬間、それまでざわついていた生徒たちの呼吸が止まった。

教壇へと歩むその足音は、硬く、冷ややかに響く。

入ってきたのは、およそ教育現場には似つかわしくない、夜の闇を凝縮したような黒いラバースーツに身を包んだ女。阿久津ドロンジョ真矢である。

黒光りするエナメルの質感が、彼女の隙のない身体のラインを完璧に捉えていた。大胆にカットされたハイレグの曲線から伸びる、白く陶器のような太もも。それを膝上まで冷酷に締め付ける漆黒のサイハイブーツ。豊かな胸元を強調するビスチェのラインと、肩から翻るマントの裏地は、まるで犠牲者の返り血を浴びたような鮮血の赤。

そして顔には、鋭い目つきを模した漆黒の仮面。その奥に宿る瞳は、絶対零度の冷徹さで生徒たちを見据えていた。

彼女が教卓に立つと、後ろから副担任のボヤッキーと、体育教師のトンズラーがキビキビと机を並べた。三人の影が黒板に落ち、教室の空気は酸素を失った深海のように重く沈んでいく。

「いい加減、目を見開きなさい。スカポンタンども」

真矢の声が、冷たく教室に響く。それは教育的な指導というよりは、下僕に言い聞かせる女主人の宣告だった。

 

【阿久津ドロンジョの「教育的指導」】

「あなたたちは、この世の中に正義の味方が助けに来てくれるとでも思っているの?……残念ながら、ヤッターマンは来ません。この世はね、勝てば官軍、負ければ『おしおきだべぇ〜』なの。それが現実よ」

震える生徒の神田和美が手を挙げる。

「あ、あの! ドロンジョ先生! どうしてテストの点数が悪いと、三輪車を漕がなきゃいけないんですか?」

真矢は冷酷に鼻で笑い、手に持った髑髏のステッキで教卓をコツンと叩いた。

「愚かな質問ね。社会に出れば、汗をかいてエネルギーを供給できない人間は、歯車にすらなれないの。文句があるなら、ドクロリングの一つでも見つけてきなさい」

圧倒的な正論の前に、和美は涙目になって口をつぐんだ。

静まり返る教室で、真矢は隣に立つ副担任へ冷たい視線を送る。

「ボヤッキー、今日のスケジュールを」

「アラホラサッサ! そんじゃ全国の女子高生……じゃなくて小学生の皆さん、今日の地獄のカリキュラム、ポチッとな!」

黒板が反転し、チョークで殴り書きされたような文字が姿を現した。そこに記されていたのは、およそ普通の小学校ではありえない、恐るべき時間割だった。

 

一限目【社会】世界の格差とドクロベエ様の支配構造について

二限目【算数】メカの設計図から見る、資源回収の期待値計算

三限目【体育】爆発する瞬間にポーズを決めて脱出する訓練

四限目【道徳】裏切りと友情:なぜ最後は爆発して終わるのか

〜給食:ボヤッキー特製インチキたこ焼き〜

五限目【図工】ドクロマークの美学的設計と、自爆装置の隠蔽工作

六限目【ホームルーム】ドクロベエ様からの最終通告:おしおきか、卒業か

 

「……なによ、これ」

誰かが小さく呟いた。

(朝の会・終)

(1限目へ続く)

 

 

 

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