散り際の鬼、再び咲き誇る   作:心ここにあらず

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連続です!評価嬉しいなぁ〜!!ありがとうございます!!


二十六話

 

武流が最終選別に参加して早くも二日が過ぎようとしていた。

 

その間に武流は幾度となく鬼を狩り続けた。数で言えば歴代でもトップクラスに匹敵するであろう。

 

そして今日も鬼を狩り続けたところで"ソレ"に気づく

 

 

 

「…どう言うことだ」

 

 

武流が違和感に気づく。

 

それは今日1人として己以外の人間に遭遇していないと言うことであった。始まった時は数十人の人間がいた筈である。

 

そして自分が助けた人間も数人いるとは言えそれでも二日間で全員が脱落しているとは考えずらい状況…

 

とすれば…

 

 

大勢の人間をこの短期間で喰らったであろう"悪鬼"が存在している可能性…

 

 

 

「…ちっ…少し急ぐか」

 

 

 

武流はこれ以上被害を出さない為に迅速に動き出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森の奥底――

 

 

 

 

陽の光すら届かぬその場所は、まるで世界から切り離された“異界”のようだった。

 

幾重にも重なる木々は天を覆い隠し、枝葉の隙間から差し込む僅かな光は、地面にまだらな影を落とす。湿った土の匂いと、腐葉の甘ったるい臭気が鼻をつき、耳に入るのは風に揺れる葉擦れと――時折、何かが“這う”ような不気味な音。

 

足を踏み入れた瞬間から、肌にまとわりつくような“視線”。

誰もいないはずなのに、確かに“見られている”という確信だけが、じわじわと精神を削っていく。

 

 

 

――その時だった。

 

 

 

 

「……次の獲物が来たかァ……」

 

 

 

 

低く、濁った声が森の奥から響く。

 

次の瞬間、木々の影の中から“それ”は現れる。

 

それは人の形をしているようで、決して人ではなかった。

 

異様に膨れ上がった肉体。

不自然なまでに長く伸びた腕が、何本も、何本も――まるで蛇のように絡み合いながら身体から生えている。一本一本が独立して蠢き、地面を掴み、木を這い、まるで“意思”を持つかのように動いていた。

 

皮膚は土気色に濁り、所々が裂けては、内側から筋肉のようなものが覗いている。

その無数の腕には、まるで過去に掴み取った“何か”を忘れぬようにするかのように、擦り切れた布や骨の欠片が絡みついていた。

 

顔――いや、それと呼べるものは歪んでいるのが分かる。

 

目は落ち窪みながらも異様に見開かれ、焦点の合わぬままこちらを睨みつける。

口は耳元まで裂け、乾いた唇の隙間からは黄ばんだ歯が覗き、笑っているのか、怒っているのかすら分からない歪な表情を浮かべていた。

 

そして何より――

 

その全身から溢れ出る“執念”。

 

ただ喰らうためだけに存在しているかのような、重く、粘つく殺気が空気を圧し潰す。

 

 

 

 

 

「…何人…」

 

 

 

「あぁ??」

 

 

 

「…何人喰いやがったって聞いたんだよ!!」

 

 

 

 

悪鬼の殺気に負けじと武流も迸る剣圧を全身から放つ。

 

 

 

そしてその時

 

 

 

腕の一本が、ゆっくりとこちらへ伸びる。

木々の隙間を縫い、地を這い、音もなく距離を詰めてくるその様は――逃げ場など最初から存在しないことを告げていた。

 

 

 

しかし

 

 

 

 

「遅ぇよ!!」

 

 

 

 

ーー嵐の呼吸・壱ノ型・嵐牙(らんが)

 

 

 

 

 

巨大な鬼の手を吹き飛ばすように、剣技で作られた風圧が吹き荒れる。

 

 

 

「お前は他の雑魚とは違うなぁ〜!!」

 

 

喜びを表すかのような仕草でそう言い放つ目の前の鬼…

 

そして

 

 

「小僧、今は明治何年だ?」

 

 

「あ?今は大正時代だろうが」

 

 

 

何を当たり前のことを聞いている?と言うような仕草を見せる武流

 

 

次の瞬間ーー

 

 

 

 

 

「…大正…あぁぁぁぁぁぁぁ!!!鱗滝めぇ!鱗滝めぇ!!鱗滝ぃぃぃ!!」

 

 

 

 

 

自らの体を掻きむしりながら暴れ出す鬼

 

鱗滝という名を叫びながら怒る

 

そして

 

 

 

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 

叫びながら武流に向かって突進する鬼

 

 

 

「っち!!」

 

 

 

回避しようと上空へ飛び上がる武流に対し追いかけるようにその長い無数の手を使う鬼

 

 

 

「ヒッヒッヒ!お前も終わりだぁ〜!!」

 

 

 

逃げ場のない上空にいる武流に対し勝利を確信する鬼

 

 

しかし

 

 

 

「洒落くせぇぇぇ!!」

 

 

 

ーー嵐の呼吸・参ノ型・"天穿嵐牙"(てんせんらんが)

 

 

 

 

強烈な踏み込みで上空へ跳躍した武流は

落下と同時に螺旋状の気流を纏い、地面ごと鬼の無数の手を叩き斬る。

 

 

 

「な、なにぃぃぃぃぃぃ!?」

 

 

 

着地地点には衝撃波と共に風の爆発が発生し、周囲を吹き飛ばす。

 

予想をしていなかった攻撃と威力に驚く鬼

 

そして瞬時に武流の実力を見抜く

 

 

 

(コイツは鱗滝の弟子なんかとは格が違う!!)

 

 

 

鬼の脳裏に過ぎるはこれまで喰い散らかしてきた鱗滝の弟子達…

 

 

特に…

 

 

宍色の髪に口に傷があった1番強かった餓鬼…

 

 

もう1人は花柄の着物を纏った女の餓鬼だった…小さいし力も無かったがすばしっこかった

 

 

2人とも自らも封じ込めた鱗滝の弟子ということもあり他の剣士とは一線を画すような強さであった

 

 

それでも自分には敵わなかった

 

 

 

どんなに優れた剣技を持ってしても俺の手脚を捌き切るのは不可能であり切り落としたとしてもいずれ再生してじわじわと追い込んで見せた。

 

 

今回も…目の前の男も…いずれはそうなる筈だと…まるで疑いはしなかった

 

 

 

その筈が

 

 

 

蓋を開けてみれば

 

 

 

 

ーー嵐の呼吸・弐ノ型・疾風裂衝(しっぷうれっしょう)

 

 

 

 

 

一瞬で間合いを消し去る踏み込みからの横薙ぎで鬼の全ての手を斬り落とし風圧で鬼の巨体が吹き飛ぶように後方へと飛ばされる

斬撃と同時に生まれる風圧が刃の軌道を拡張し、二次攻撃を生み出す"嵐の呼吸"

 

 

 

 

(なんだ…なんだ…なんだこの男はァァァァァァ!?)

 

 

 

 

手脚の全てを斬り落とされ全身も刃の風圧で切り刻まれ至る所から血が噴き出ている

 

最早、瀕死の状態なのは誰の目から見ても明らかだろう

 

 

 

(だ、大丈夫だ…俺の首は硬い!あの宍色の餓鬼ですら切れなかったんだ!!)

 

 

 

今まで何十年と鬼殺隊の剣士の刀から首を守り続けた自負で己の首が斬り落とされることはないと確信する鬼

 

 

そして

 

 

ーーガキィン!!…という音と共に武流の刀が鬼の首によって弾かれる

 

 

 

「お?硬いな」

 

 

 

「ヒッヒッヒ!!やはりなっーーーー」

 

 

 

 

嬉々とした表情で話し出す鬼

 

 

次の瞬間

 

 

 

 

「ならーー」

 

 

 

ーー嵐の呼吸・参ノ型・"天穿嵐牙"(てんせんらんが)

 

 

 

横たわる鬼の上から更に暴風のような螺旋状の気流を纏った武流の刀が鬼の首を斬り落とさんとする

 

 

 

「ひっ!?や、やめーー」

 

 

 

一太刀で自分を追い込んだその刃に恐怖する鬼

 

 

そして

 

 

 

ーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!…と言うような破裂音と共に鬼の首を斬り落とし風圧で斬られた頭が破裂する

 

 

 

鬼との戦闘が終わった武流はーー

 

 

 

 

「…ふぅ…先ほどの鬼」

 

 

 

明らかに他の鬼とは強さのベクトルが違った。…おそらく今回同じように受けた剣士達は軒並み奴にやられてしまったんだろう。

 

そう思うともっと早く自分が奴に出会っていれば…という後悔が頭を過ぎる

 

 

 

「…ダメだ…もっと…もっと強くならねぇと…もう護られるだけなんて二度とごめんだ」

 

 

 

武流が思い出すのは数ヶ月前に自らが鬼狩りを目指すことになったある出来事…

 

 

自らの妹を攫い、友を殺そうとした悪鬼の存在

 

 

今殺した鬼なんかとは比べ物にならないほどの強さと迫力…呼吸や剣技を磨いた今だからこそより分かるあの鬼の異常さ…

 

そしてそんな圧倒的な強さを持つ鬼に俺らを護りながらも互角以上に戦い抜いた友の姿

 

 

全身至る箇所から血を垂れ流し片目も見えていないそのような状況下にも関わらず、その"至高の強さ"で、悪鬼を葬り去ったのだ

 

 

憧れないわけがない…俺自身も今まで剣術を習っていたがアレはハッキリ言ってレベルが違うだろう。呼吸を使わない単純な剣技ですら俺が全く歯が立たない強さ。そして虎狼のような佇まい…

 

 

俺もあんな風に…

 

 

そして今度こそ…歳玄の隣で

 

 

それが俺の原点…

 

 

鬼殺隊を志す、きっかけになった出来事であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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