かぐやが地球に来る5年前
どんなに頑張っても誰も認めてくれない
結果が出ない
俺を見てくれない
ゲームに逃げ込んだせいで今までで来ていた筈の事が出来なくなって
「何なんだこの有り様は……前までは出来ていただろう…ゲームをするなとは言わんがここまで成績が落ちるのなら………」
「…………中途半端になるのなら挑戦するのは控えるべきだと…………」
両親から幾度と受けた叱責がどこか遠くて、他人事みたいにフワフワしてて
白夜兄さんが大学を辞めてから父さんも母さんもピリピリしていて
元々は医学部に入ると言っていて、その時は父さんも母さんもすごく嬉しそうだったのに
入試の受付締め切り直前に急に法学部に方向転換してなぜか受かって
家を出る直前に何故か俺にスマコンを渡してくれた
貰った当時は使う余裕なんて無くて、机の引き出しに入れっぱなしだった
白夜兄さんが家を出るときおさがりで貰ったPCでなんとなく始めたMMOが良くなかったのか、どんどん成績を落としていった
前までなら一桁台の順位だったのが今や中間をちょろちょろする始末だ
実によくあるくだらない堕落の末路だ
現実と違って、
まあその結果がこれな訳だが
運動会も発表会も父さんも母さんも来てくれた事は無くて
それはずっと前から納得してた。二人とも忙しいし、個人のために使う時間も貴重だもん
一番になれたら来てくれたのかな
「っと…………これでいいのかな…」
貰って以降四年近く放置していたものでスペックとか衛生とか大丈夫なのかと軽く調べてみたが、衛生面は開封もしていなかったので問題は無いし
スペック面も完成しきっているので型落ちもしていないというとんでも代物
まあゲームハードとしてみれば全然現行ハードだけど
通信機器としてみれば型落ちしてもおかしくないのに
あんまりグダグダ考えてるといつまで経ってもログインしそうに無いのでこの辺にして
…………これどうやってログインするんだ?
あ、思考するだけでいいのね
水の中に潜るような景色が目に移ってから一気に浮上する
視界がクリアになった時
何所までも広がる水面に赤い大きな鳥居一つ空は雲一つない朝焼けの空そんな場所に立っていた
ここは一体?
「太陽が沈んで、夜がやってきます」
そんな誰かの声がした。瞬間空が早送りの様に移り変わっていき夜になっていく
完全に辺りが夜のとばりに包まれる
辺りの変化に驚き、きょろきょろと見回しているといつの間にか目の前に白い髪の海洋生物をモチーフにした和の装いをした女性が立っていた
「ぁ…………」
「…?ラグッたかな?仕舞いっぱなしだったし仕方ないかな…」
何故か月見ヤチヨが固まって動かないやっぱり仕舞いっぱなしなのは不味かったかな
「ヤチヨ!ヤチヨ!」
「ハッ!…………コホン…………管理人の月見ヤチヨで~~す☆こっちは相棒のFUSHI!」
「ヤチヨが僕とツクヨミを作ったんだ!」
「お、おう?」
急に動き出した…まあいいか
チュートリアルを進めていくと
「そんな恰好じゃあツマラナイ!!出かける前に準備しよう!!」
ヤチヨが指を鳴らすと目の前にウインドが現れた
ウインドを覗くと俺の姿と衣装やアクセサリーの選択画面だった
流石最新VRゲーム、UIも凝ってるしリアリティも凄まじい
キャラクリ……キャラクリなあ…センス自信ないんだけどなあ……
「……………………」
「(ニコニコ♪)」
なんか凄い見られてるしめっちゃニコニコしてる…………
いろんな視線向けられたけどこういう視線は向けられたことがないから困惑する
人じゃなくてAIだからちょっと違うのかも知れないけど
まあいいや、キャラクリだ
「着物だけじゃなくて巫女服に学ラン、ブレザー、ハンモック…」
髪色を変えられるのはともかく、衣装の種類多すぎだろ
1ページ30種類が50ページ以上
「どうしよ……」
【ツクヨミ】内のゲームを早く遊びたいのにキャラクリで躓くとは…………
「ふふふ♪お迷いかな~」
「え、あ、はい」
後が詰まってるから早くしろってことかな
「あー、えーっと…」
「ふっふっふ~ヤッチョのオススメコーデなんてのもあるよ~」
オールランダムみたいなやつかな
そこまでこだわりは無いし気に入らなかったら後からかえられるだろうし
「じゃあ…それで」
「おっ任せあれー☆」
ウインドが高速でタップされていき出来上がったのは
教科書でみた山伏の格好にドラゴンというよりは異形の龍の様な大きな翼を持った姿だった
「お~」
大概はオールランダムにすると、グッチャグッチャで滅茶苦茶になりがちだがデザインが崩れた様子は無い、髪型や髪色は現実と変わらないが結構気にいった
「いかがかな~」
「!?あ、はい!大変気に入りました!」
ヤチヨの顔が鼻の先同士がが触れそうなほど近くにあった
びっくりしたせいでおかしな日本語になった
「よーし♪それじゃあ…………」
あれ?ヤチヨが固まった
やっぱりラグ?
「おい、ヤチヨ」
「ちょっとくらい…いいよね…」
?なんかコソコソ話してるけどいったい……
「えい!」
「!?!?」
え、なに?なんで抱きつかれてるの?
体温も鼓動も匂いも感じないけど顔が近いどころか身体が密着しててててて
「……………………いってらっしゃい!」
「どうして投げるんですかあぁぁぁ」
数十秒抱き着かれた後何故か鳥居の方へ投げられた
「ねえ…FUSHI……」
「温かくないのに…心臓の音も聞こえないし、匂いもしないのに…嬉しいんだ…」
「…そうだな…」
「七夜……ツクヨミをいっぱい楽しんでね」
ウエルカムアナウンス+三回目を観に行って帰り公式サイト見たら第八弾でイラスト集配布の情報が出ててたまげました
クライマックス前に初ログインのお話をどうぞ
次回からはより一層力を入れて書きますのでお待ちください
ここだけコソコソ小話ロングの予定だよ見たいのを選んでね☆
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彩葉と七夜が友達になった話
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黙って両方書け!