はい遅くなって申し訳ありません。難産でございました
過去最長!
監督のかぐやの誕生日ミスのツイートまじで草w
誰もいない砂浜に一人でいた
………どうなったんだっけ?
えっと…そうだ、歌が聞こえたんだった
彩葉の歌が聞こえたんだ。七夜も一緒に歌ってたなぁ
七夜ギターだけじゃなくて歌もうまいんじゃん。一緒にライブしてくれたらよかったのになあ
地球のこと全部思い出して自分の複製作って、そんで地球に行く舟作って、歌いながら出発して
………隕石?にぶつかっちゃたんだっけ。喋ってた気がするけど多分気のせいだよね
装置類が誤作動しちゃって…誰だよこんなピーキーな時間遡行アルゴリズム組んだの!
…………ハイかぐやです……。おっかしいなあ……計算完璧だったんだけどなあ
ぬははは!卓上の空論、奈落の底ってか!アッハッハッハ……
………彩葉、七夜…失敗しちゃった………
二人の名前を叫ぼうとして声が出ないことに気付いた。駆けだそうとして動けないことに気付いた
水面を見て身体がないことに気付いた
やっべぇ!これ『擬態』できてねえ!オートのはずじゃん!
月人て肉体の無い思念体だから、『もと光る竹』の機能で最適化された肉体をもらえないと
幽霊みたいな存在ってこと!?うらめしや~…………かぐや死んでないよ!
……………………よしふざけると冷静になれるってホントなんだね。ありがと七夜大好き。彩葉も大好き♡……………………まじめにやったほうがいいなこれ
おーい『もと光る竹』やーい……………………あり?
『もと光る竹』応答して!
いろんな可能性全部シュミレーションしたじゃん。かぐやちゃん力及ばずってこと?
もっかい呼んでみよう。かぐやちゃんが作ったから、きっと…ねぼすけなんだよ♪
天ッ才美少女歌姫でごめんねー♡『もと光る竹』へんじして~♡…………
まじかー返答ねー…
声も出せなくて、姿も見えなくて、こっから動けなくて、自分で作った最強の外殻で消えることもできない?ヤバくね?
ふざけなくても嫌でも冷静になっていく。自分の身に起きたことを一つ一つ整理して、丁寧に丁寧に何度も何度も現状と照らし合わせて…
…ドジっちゃったんだなぁ……
私はたっぷり時間をかけて絶望した
…どれぐらいたったのかな。朝が来て夜が来て、日差しが強い日が来て、初めて見る雪が降って…
それを何度も繰り返した。暑くも無いし、寒くも無いし、お腹も空かないし喉も乾かない。壊れることもできない
ただずっと波打ち際に座ってる
…この一瞬を、最高のパーティーにしよう…
この歌だけは色あせない。何回歌っても何千回歌っても色あせない
「ーーー」
…何か聞こえた?……………………!?人の声だ!
男の子だ!……待って!聞こえるの!ああ待って待って行かないで!
「ッ待って!」
ウミウシの犬DOGEの身体になっちゃったけどやっと声が出た
「ーーー!」
ありゃ通じてない?ちょっとまってねー
「かぐやっほー!かぐやだよー」
「!?」
言語解析くらいなら軽いよ!かぐやちゃんとお友達になろうぜ〜
最近こないなぁ~たまにはこっちからいくか!
「え…」
顔色が凄く悪い
彩葉が倒れちゃった時よりもずっと
看病してくれる人は?お医者さんは?薬は?しっかりして!
「…て…歌ってよ…かぐや…」
「ッッまかしとき!…………この一瞬を、最高のパーティーにしよう♪~」
………………………………また一人になっちゃった…私…また二人に会えるのかな…
「ヤチヨ、どっかにいるんでしょ…八千歳だってのは嘘だったの?……助けてよ」
返事はいつまで待っても帰ってこなかった
……………………
思ったよりも早く時は早く過ぎ去った
…いろんな人に会ったなあ…皆50年ちょっとで
なんで人間ってずっと戦ってるんだろ…カレンダーにしたら戦ってない時なんて殆どなかったし
私はその戦いをただ見ていた。
誰かの「大好きが」壊れるのを
誰かの「幸せ」が消えていくのを
誰かの「
ただ、じっと見ていた
季節が変わっていくのを感じることもなくて
涙を流すことも
運命を変えることもできないまま
いろんな人を好きになったなあ
焼け野原になった町で花を売り続けた女の子
カッコイイ花魁
食べられそうになった人
いろんな人に会って、関わってみんな好きになっちゃった
助けられなかった人も大勢いた
私の中に治らない傷が増えてく
こうしたら、こうできたら、なんて何度も考えた
二人といた時は嫌なことなんてすぐに忘れられたのに
最強のかぐやちゃんはもう、どこにもいない
彩葉…弱い自分から逃げられないってすっごい怖いんだね
七夜…できないってすっごく辛いんだね
人間はずっと戦争してるけどそれ以上に科学技術を進化させる
何もなかったところにあっという間に街を作ったりさ。人間すげー
電話に冷蔵庫にラジオ、ブラウン管
そしてついにワールドワイドウェブを作り上げた。ホントにびっくりしたなあ
Hello,world!でチャットで打ったらHello,you.ってかえってくるんだもん
月のインフラがなかったらこの程度のものも作れないんだなあ…
技術はさらに進化した
「うーん…『もと光る竹』をネットに直接繋げればもっと大勢と話せるんだけどなあ」
いつか仮想世界の大きな広場を作りたいな。みんなで好きなことして、殺し合いなんて、誰も孤独にならなくて、いつでも返事がもらえる
そうだなぁ名前は……ぁ
「バカだなぁ……なんで今まで気づかなかったんだろ。私が、」
ーーヤチヨになるんだ。ずっとずっとずっと繰り返してたんだ
でも…あとちょっとで二人に会えるんだ後ほんの、
ウミウシのちっちゃな心臓が高鳴った
でも私はもう、二人の知ってるかぐやじゃない。冗談を言う事も減った
二人に会いたいのに月で見ていたキラキラなものじゃない気がした
でもこの歌が、約束が、思いが、私をあの場所に連れていく
「やった!やった!やったた!2人に会えるぞ!やったった!」
嬉しさのあまりスーツケースの上でポインポインウミウシの身体で飛び跳ねる。周りから見たらとんでもない珍妙な光景だろうな。今は私と「もと光る竹」を盗み出してくれた友達しかいないからいいよね☆と言うかこれ私のだから返して貰ったが正しいよね
馬鹿正直に言っても返してもらえる所に保管されてなかったし
たぶん捕まって解剖されちゃうだろうからこんな風にお願いしなきゃなんだけど
「一緒に来ないかい?」
…………貴方は優しいんだね
『もと光る竹』を人質にして無理矢理連れてきことも出来たのに……
それどころか
「約束があるの」
そう答えると彼は一人母国へ帰って行った
私ねホントは気づいてたんだよ。ここまでしてくれたのが、私のためだけじゃなくて『もと光る竹』を持ち帰るのが仕事なんだって
でもあなたは私を尊重してくれた
私は本当に恵まれている。この8千年の間いろんな人に、大勢の人にいっぱい助けられて、励まされて、支えられて、貰ってばっかりでそして、送り出された
「
「逢い見てののちの心にくらむれば」
「会いたい者がいるのだろう?」
辛い環境にあっても強く生きる花魁は言った
「ムカつくからさ、辛くても笑うんだよ!」
難病に苦しんだ文豪は言った
「君の活躍する時代を見てみたかった」
「お前の元まで必ず繋ぐけぇ安心しぃ!」
何もかもが燃え尽きた戦後の地で花を売った少女は言った
「私にはここなの」
「極上のワイン時間がたつほど深まる。悪いことばかりじゃないさ」
よし、準備できたあの頃のツクヨミと比べるとまだまだ寂しいけど出来た
サービス開始と同時に単独ライブをする歌う歌は、ずっと歌い続けてたあの曲
と言っても八千年の間に変わっちゃったけど
初めてのライブは記憶してたヤチヨのライブと比べるとずっと人は少なかったけど凄く楽しかった。八千年ぶりのライブは嬉しくてたまらなかった
それから何度も何度もライブを開いた。飽きることなんてなくて、今日2人が来てくれるかも、そう思ったらいつだってヒリヒリだった
七夜は彩葉より数年早くツクヨミに来てくれた
もう我慢できなくて抱き付いちゃったっけ…びっくりしてたなぁ
七夜ったら始めた途端にどんどん強くなって、大会どんどん出禁になっていちゃってつまんなさそうだったな
しばらくしたら彩葉も来てくれた。モジモジしてて可愛かったなぁ〜
やっぱり2人が一緒に居ないの変だけどまだあんまり仲良く無かった時期だもんね
一緒には居なくてもライブには2人とも来てくれてた。2人をいつも探して見つけて歌ってた
……ついにやってきた
絶対泣いちゃうと思ってたけど私は最後まで笑って歌ってた
ああ…そうだったのか…だからヤチヨはいつもあんなに楽しそうに笑ってたんだ
「彩葉!七夜!」
頭の外からわたしの声が聞こえる……………………違うこれは
「あ、グぁ…」
思ってたよりも平気だ
まともに動けそうにはないけど。今KASSENやったらたぶん小学生にも負けるな
うんくだらないこと考える程度には余裕がある
身体を起こすとひどく頭痛がする
「ぅ…」
良かった…彩葉も大丈夫そうだ
「馬鹿…壊れちゃうよ…」
泣き出してしまいそうな
「ごめんね、ずっと気付いてあげられなくて」
「あの時…ライブの前酷いこと言ってごめんな…」
「ずっと待っててくれたのに。ずっと探してくれてたのに」
「ああ…まったくだ…鈍感さに腹が立つくらいだ」
「彩葉…七夜…」
「「ごめんね(ごめんな)」」
彼女の知ってる俺達じゃないけれど、それでも長い、本当に長い、文字通り気の遠くなるほど長い時間をかけて、帰ってきてくれた
俺の首筋に顔をうずめながら
「私ね…こうやって七夜にぎゅぅぅってしてもらうのが大好きなの…………温かくってさ、いい匂いがしてね…それで、七夜の音がしたの」
「ッ!」
抱きしめる力を強くしてしまった
どれほど強く抱きしめたところで仮想世界の中じゃ体温も匂いも鼓動も伝わらない。それがひどく歯痒い
俺達は
それでも彼女がいたから生きていられた。此処まで来れた
俺達といたかぐやがどうなったのかわからないけど
「今度は俺達がハッピーエンドに連れてくから…」
決意を言葉にして
数十分か何時間か三人で抱き合い続けた後
「………これ渡すように言われたんだ…」
別世界の俺から渡された金色に輝く三日月型の結晶とオレンジ色に輝くスピネルを
「どれどれ~…すっごく容量大きいデータだね~解析するからちょっと待ってね~」
二つの結晶を取り込んでから目を閉じている
「……………決意とかシリアスとか全部どっかいったんやけど…」
……………………いうな彩葉このゲーミング歌姫のせいでさっきまでの空気台無しだけど…………言うな…………
「………解析完了!…」
元気よく飛びがってこちらに笑顔を向けるがその笑顔は無理をしているように見えた
「……何だったのそれ…?」
その様子に彩葉も気づいているのか少しだけ言葉に詰まっていた
「ふっふっふ聞いて驚け~というか、ヤッチョもビックリしてるんだよ!?」
…………只事ではなさそうだな
「喜んで!二人のかぐやが帰ってくるよ!」
「…ぇ?」
「は?」
「三日月の結晶にかぐやのデータ全部詰まってたんだ~どうやったの?」
俺達のかぐやが帰ってくる?いったい何を言っているんだ?
「後『もと光る竹』の肉体形成する為の新しいデータだったよ!しかも修理データまで!本当にどっから持ってきたの七夜!?」
あの野郎少しは説明しとけや!
ヤチヨはケラケラ笑いながらぶんぶんと腕を振っているがやっぱり無理してる。泣くのを我慢している
「これでハッピーエンドにいけるよ!」
声が震えていた。我慢できなかったのか泣いていた
「私は…私は…かぐやじゃないの…二人のかぐやじゃないの…三人のハッピーエンドにヤッチョの席はないのだからこれで私のお話はおしまい!」
「………かぐや?」
「2人のかぐやが帰って来るのに…望んでたハッピーエンドなのに…なんでだろう…私…祝福出来ない…酷いよね………」
「かぐや!!!」
「は、はい!!」
「あんたが私達のといたかぐやじゃないとしても!わたしのかぐやが帰って来るとしても!あんたがかぐやなら私の物!何か文句ある!」
「「ええ!?」」
言ってること滅茶苦茶だぞ!てかしれっとかぐや独占しやがった!
「後七夜!」
「は、ひ!」
「あんたも私の物だからね!」
「はあ!!?」
「七夜もかぐやもヤチヨも大好きなの…だから…もう誰も居なくならないで…」
「………ぇ?」
告白された?誰に?彩葉に告白された。なんで?かぐやが好きだったんじゃ…?
誰が?俺とかぐやとヤチヨが…………
「…ん?」
なんかおかしくね?2人…三人か…に同時に告白してない?
「もう…大切な人がいなくなるのはいやや…ずっとそばにおってや…」
彼女の翠の瞳からは大粒の涙が溢れ出していた
…もう自分を誤魔化すのはやめよう
三人の女の子を同時に好きになるなんて、あまりにだらしないし不誠実だけど…それでも…!
「俺もみんなが好きだ…みんな一緒じゃなきゃ嫌だ…みんなと一緒じゃなきゃハッピーエンドに辿り着けない…だからだから…帰ろう…俺達の家に…4人で」
腹の奥底、心の一番深い所からでたものをそのまま言葉にした
「ぇ…かぐやが帰ってくるんだよ?」
「うん」
「私もう…かぐやじゃないんだよ?」
「かもね」
「私もうおばあちゃんなんだよ?」
「ああ」
「…良いの…?一緒にいていいの?」
「「一緒じゃなきゃ嫌だ」」
「ぁあ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ…!彩葉ぁ!七夜ぁ!」
大粒の涙を瞳から溢れさせて泣き始め俺達に再び抱き付いたようやくヤチヨの仮面が剥がれ落ちた
「よく…頑張ったな…おかえり…」
ヤチヨを抱く背の向こうどこまでも広がる水平の向こうで、ツクヨミの姿の俺と彩葉がいて深々と頭を下げてから踵を返して去っていくのが見えた気がした
…安心しろ救えなかった分必ず幸せにする
「…うんもう大丈夫♪」
「……本当に大丈夫なの?」
彩葉が心配そうにヤチヨの手を取りながらそう言った
「平気だよーこんなに嬉しいんだもん!」
…本当にもう無理はしていないようだったなら良いかな
良かった…これで俺達の日常は続いていくんだ…
俺達の本当の終わりの時までずっと…
「もうちょっと2人を独り占めしたいけどそろそろかぐやを迎えにいこっか」
「もうちょっとくらいなら良いと思うけど…」
「のんのん♪みんなでハッピーエンドに行くんだもん。いつまでも独り占めしてたら私拗ねちゃうもん♡」
確かにブーたれて面倒そうだな、何を要求されるかわかったもんじゃなさそうだし
「む!七夜なんか失礼な事考えたでしょ〜」
ナンノコトヤラ
「先に現実に戻ってて。……大丈夫ちゃーんと2人で帰って来るから」
「「ぐおおおおぉ…!?」」
現実に帰ってきたら俺達を待っていたのは強烈な頭痛であった
ついでに涎らや涙やらの体液で顔中ベッタベッタでもあった
すっごい痛いけど思ったより平気…下から垂れ流してなくて良かったと思おう…うん…
服で顔を拭っていると水槽に沈められた『もと光る竹』が光り輝いて空中に何かを形成し始めた
それは昔って程ではないがそれなりに前に保健体育だったか道徳だったかの授業でみた胎児から赤子へと成長していく様を早送りで見ているような光景だった
形成され始めている胎児は2人でそれが凄まじ速さで成長していった
成長して赤子になったその姿は今となっては少々懐かしい赤ん坊かぐやの姿であった
あの時本当にびっくりしたよなぁ…好きな女の子が赤ちゃん抱えて部屋の戸を叩いてたんだし…
その赤ん坊も早送りで成長を続けた
その道中で三連休の最終日にみた姿へと変わった
過去一の衝撃が連続して更新されたっけ
まじまじと見つめていると
「…」
「グフ!?」
彩葉の肘が脇腹に刺さった。痛い…
「女の子の裸をまじまじと見ない!後向いてなさい!」
「ウッス…」
そんなに目を釣り上げて怒らなくても…あ、はいすいません
「そういうの見たいんやったら私のを見せてあげるから…」
そう言う事言うのやめよ?良いのか?俺死ぬぞ?羞恥死するが?
死ぬ前に理性吹っ飛びそうだけど…添え膳だから我慢しなくて良いのでは?…アホかよ
それはそれとしてこれ以上肘を入れられてはたまらないので大人しく後ろを向くことにした
それから数十秒後
「ウベェ!?」
「キャン!?」
潰されたカエルみたいな悲鳴と女の子らしい悲鳴が一つずつ聞こえた
「あいたたた…ここどこぉ?月じゃない?…あり?彩葉?七夜?ヤチヨもいるし…てかなんでかぐや裸なの!?ヤチヨも裸だし?!どういうこと!?」
痛がったり、疑問を浮かべたり驚いたり一人百面相をするかぐや
間違いない俺達の知ってるかぐやだった
「……七夜のえっち〜♡」
思い出したかのように身体を隠してクネクネとする…うんなんと言うか…わざとらし過ぎて…
「…色気半減どころじゃねぇな…」
「あんだとー!!」
やっべ思わず本音が
「…七夜のえっち…」
ヤチヨは身体を腕で隠しながらこちらに背を向けほんのり顔を赤らめていった
「あえ!?ごめ!?」
クソガキかぐやと違って色気がやばいどこで学んできたんだよ。いや知ってるけどさ
「ごらぁ!七夜!かぐやと全然反応ちげぇじゃねぇか!かぐやを見ろー!」
「どわー!!!」
かぐやが飛びかかってきた。離れろクソガキかぐやといえど、こう…色々不味いから
「ヤチヨの裸…うへへへぇ…ジュルリ…」
「い、彩葉?ちょっと怖いよ?」
あっちはあっちでにじり寄ってるし
あーもうめちゃくちゃだよ。シリアスはどこいった?
そこになければないですね☆
やかましいわ
部屋から叩き出されて全員の着替えを家から持って来るよう彩葉に命令されたのでタクシーで一足先に帰宅する羽目になった
その間にかぐやに説明するらしいが……独り占めしたかっただけなのではなかろうな…いやまぁ立場逆だったら多分理性飛ぶだろうから別に良いんだけどさ
下着とかどうすんだよ…俺がやって良いやつか?え?同棲してて洗濯物も一緒だったし今更?それはそう
着替えてから、出来る限り見ないようにしながら二人の着替えをバッグに詰めてる
ヤチヨのはこの家には無いしサイズもよく分からないのでとりあえず下着は二人のを一組ずつと俺のパーカーとズボンを詰めて再びあのマンションは向かった
「ありがとね…後…ごめん…着替えるからまた外に…」
「「え〜別に良く無い?」」
良くねぇよ宇宙人ズあとにじりよってくんな
外に出るからさっさと着替えろ
タクシー三回分…大分高くついた…別に良いけど
「うぇーい!ただいま〜!」
かぐやはいつものの如くテンション高く戸を開け放ち部屋に入っていった
「………」
ヤチヨは部屋に入ろうとしない…やれやれまだ遠慮してるのか…
「!待って心の準備がまだ…」
「ほら…さっさと入りなよ」
ヤチヨの背を押して部屋に押し込む
「あわわ…」
「お前の家でもあるんだからもっと堂々として入れば良いんだよ」
「たはは〜八千年振りだからちょっぴり緊張しちゃってね〜」
グギュルルルル
「「「「……………」」」」
まぁなんとどでかい腹の虫
その出所は宇宙人ズだ。ゴメンウソ俺達もです
お腹すきました
ヤチヨはお腹を何度かさすってからプルプル震えていた
その感覚を深く噛み締めるように本当に嬉しそうにしていた
そっかその感覚も八千年振りだもんな
「「たすけて〜」」
なんかデジャブ
そんなに前じゃないはずなのにね
「何食べたい?」
「「七夜のカレーとふわふわのパンケーキ!」」
八千年を経験してないかぐやはともかく八千年を超えたヤチヨは本当にカレーで良いのかよ…それじゃなきゃやだ?…りょーかい
「やっぱうまぁ〜♡」
「安心するよね」
かぐやと彩葉はカレーを突きながらニコニコと笑っていた
そんなに喜んでくれるなら作った甲斐もあったというものだ
「……」
「どうしたんだ?」
中々食べ始めないヤチヨ
「…にゃはは…感極まっちゃって〜…うん頂きまーす!……」
スプーンですくったカレーを口に運ぶとヤチヨは下を向いて動かなくなってしまった
もしかして向こうの俺と味が違うのか?
カレーは入れるもので味が結構変わるから口に合わなかったのか?
「……ずっと…ずっと…ずーーっと…この味を感じたかった…美味しい…美味しいよ…美味しいよぉ…!!」
ヤチヨはまた泣いていた泣いたままカレーをガツガツ食べ進めていった
「そんなに急いで食べなくてもいつでも作ってやるから…」
四人で囲む食卓は暖かくて穏やかでちょっと騒がしくて幸せだった
デザートのパンケーキにお風呂に八千年振り感覚にヤチヨは泣きっぱなし笑いっぱなし喜びっぱなしだった
「「zzzzzz…」」
二人ともソファーで眠っている
かぐやはライブ後のままの姿を構成されたようで気を張り詰めていたのが解けたからなのかぐっすりと眠っている
ヤチヨはまるで体力の使い方がわからない幼児のようにはしゃぎ回ったからなのかこちらもまたぐっすりと眠っていた
いつぞやかのような寝たふりではなくどちらも本当に眠っている
かぐやは彩葉のヤチヨは俺の膝を枕にして眠ってる
お互いの膝で眠る姫の頭を撫でる二人とも安心しきっているようだった
「やっと…帰ってきたんだわたし達の日常が…」
「…だね」
「「………」」
あまり会話は続かないそれでもこの沈黙は愛おしいほどに好きだ
「あの、さ…」
「ん?」
「改めて思うけど…私はお母さんみたいにはなれない…」
そういえば彩葉は母親に認められたくて、母親みたいな生き方をしようとしてたんだっけ
「お母さんは…そのお父さんと会うまでは頼れる人がいなくて…寄りかかれる人がいなくて…だから強くならきゃいけなかった……でも私には私には支えてくれようとする人が沢山いる……それはお母さんの言うとうり私甘ったらだから、寄りかかりたいって思える人がいるだから私はお母さんみたいにはなれない」
「……」
「私はお母さんみたいに一人でも生きていける生き方じゃなくて、誰かを支えて、支えられるそんな生き方をしたい。それにやりたい事も見つかった」
「…そっか」
やっぱり彩葉は強い…自分の生き方を見つけられたしやりたい事も見つけられたようだ
「七夜はさ…何かしたい事ないの?」
したい事…したい事か…そうだな…
「私のしたい事はアンタを支える事!何がしたくてもどんなことでも絶対にそばにいて支える事!それが私のしたい事!」
肩が触れ合う距離に座っていた彩葉がほんの少し身体を動かして顔をこちらに近づけて唇を触れ合わせた
何秒か何分かそのまま触れ合わせからゆっくりと唇を離した
これまでないほどに心臓が早鐘を打ち、顔に熱が籠っていく
「私はあなたのことが好きです。だからずっと一緒にいて下さい」
かっこ悪いにも程がある…ちゃんとした告白まで先に言われるなんて
…俺もちゃんと言わなきゃだな
「……俺も君のことが好きです。ずっと一緒にいさせて下さい」
もう一度、今度は俺が身体を動かして彩葉に近づいて唇を触れ合わせる
「「…」」
「…その…だな…キスとか告白しといてあれなんだけど…その…彩葉だけを一番って訳にはいかなそうなんだけど…」
「あー…」
「その…浮気者でごめんなさい…」
「…ごめん…それ私も浮気者なんだ…」
「あー…」
返した反応は全く同じものだった。対象も間違いなく同じだ
膝で眠るコズミックプリンセス様ズのおかげで俺達の関係がややこしくなってる
…かぐやが来たから関係が進んだんだけどな
「やーい浮気者~」
彩葉がニヤニヤ笑いながら、からかうように頬を突きながら言う
「いやお互い様だろ」
「あう…」
お返しに額をついてやる
「………譲歩してあげる。かぐや達意外は絶対許さないからね」
「うん、それもお互い様だね」
「「……」」
「ッぷッ…」
「ックク…」
「「あははははは」」
寝ている二人を起こさないように声を抑えながら大笑いした
「世間的には問題ありだけど、私達が良いから…ヨシ!」
「古!」
それ何年前に流行った奴だよ
「…これからも末永くよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
手を伸ばして仲良しのやつをする
キスもいいけどやっぱり俺達はこっちの方があってる気がする
「それで…やりたいことないの?」
ひとしきり笑い合った後彩葉はそう問いかけてきた
「…そうだな…」
やりたいこと…やりたいことなぁ………あ
「仮想世界…」
「え?」
「俺に生きる道をくれた存在を俺も作ってみたい…」
形どころか考えたことすら無かったのになんか急に形になった
「仮想世界ってよりもゲームとかデバイス周りかな?遊ぶだけじゃなくて作る側に回ってみたいし、オリジナルのデバイス作ってた時もめっちゃ楽しかったから」
オリジナルデバイスのことだがやはりと言うか、当然と言うか、回路が完成に焼き切れて使い物にならなくなってた。それにデータの破損も酷かった
特に加速周りのデータは過去分含めてまとめて吹っ飛んだ
なんだっけか、時間の浄化作用的なあれで本来無いものを消すためのあれなんだろうか
幸い脳波操作のデータは無事だったのでこれを元にすればより深くゲームに没入することの出来る新たなデバイス作成も夢じゃ無い
「工学系に進むってこと?」
「うん、東大の工学部となるとちょっと判定厳しそうだけど…頑張る」
ずっと頑張るとか努力が苦痛だった
結果が出なくて、壁を乗り越えられなくて散々悩んで、ゲームに逃げ込んで、そして落ちていった
でも今は違う
やりたいことがきちんと定まると頑張ろうって気力がどんどん湧いてくる
きっと今まで上手くいかなかったのは多分目標がなかったからなんだな…
「ふ〜ん…じゃあ…私もそっちにしようっと」
「え」
今から進路変えんの?法学部はどうすんだよ、そこに向けて今まで頑張ってきたんじゃん
「お母さんみたいにはならないって言ったし、私は私のやりたいようにする。あなたを支えたいって言ったじゃん」
俺の考えが顔にそのまま書いてあったかのようにさらりと言われた
「それにさ…」
「?」
「七夜が他に女の子引っかけないか見張ってなきゃだし」
「…」
それはギャグで言ってるのかな?
この集まり君のハーレムぞ?
「七夜チョロいし優しくされたらホイホイついていっちゃいそうだしね」
それはギャグで言ってるのかな(二回目)
君こそダメなタイプの男に引っかかりそうじゃん
具体的に言うと才能のないうちの兄みたいな奴とかに「たすけて」とか「君しか居ないんだ」とか「君に見捨てられたら」とか言われたらヒモを養っちゃいそうじゃん。今膝で寝てる宇宙人ズがいい例だし
「…なによその顔…」
「…いや…うん…なんでも…うん。わかんないんだろうなと…」
「なによそれ…」
不服そうに口を尖らせてぶつぶつと文句を言っているが文句を言えるような事はないからね
「…支えるだけじゃなくて私個人の目標もちゃんと見つけるから心配はしないでね」
「ん…」
これからのとこで考える事は沢山あるけど時間は沢山あるんだゆっくり考えよう
何が起きても四人ならきっと大丈夫だ
……安心したら急に眠気が……
2日徹夜だしそりゃそうか
「…うにゅ…」
彩葉も肩に頭を乗せて眠たげにしてる
夜も遅いしうん、この幸せを噛みしめながら眠ろう……
未来はこれから始まるんだまた明日から始めよう…
「おやすみ…」
「うん…おやすみ…」
どうにか絞り出した言葉の後ゆっくりと意識が遠ざかっていった
次回完結予定!
ちょっとヤチヨ=かぐやのルビがくどいかなぁ…
後かぐやエミュ出来てるだろうか…
追記
なんかおかしなことになってたので修正
ここだけコソコソ小話ロングの予定だよ見たいのを選んでね☆
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七夜のツクヨミ初ログイン
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彩葉と七夜が友達になった話
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黙って両方書け!