ここだけコソコソ小話
七夜のお父さんは土方歳三が好き
朝になってちっとも働かない脳を起動してベッドから起き上がる
三連休も終わり今日からまた勉学に励まなくてはならない
洗面所で冷たい水で寝ぼけた意識を強制的に起こして最低限度の身だしなみを整える
冷凍食品を弁当に詰め込んで昼食を完成させてから寝間着を脱ぎ制服に着替える
通学鞄を掴みゼリー飲料を3つ放り込んで自室を出ると酒寄彩葉も部屋を出てくる
その表情には疲れが見えた。多分自分も同じ様な表情だろう
「はよ~…ほれ」
挨拶をしながらゼリー飲料を一つ投げ渡す。
「はよ…」
ゼリー飲料を受け取った彼女は蓋を開けて一気に飲み干す
「ねぇ~彩葉~」
疲れの元凶も部屋を出てきた。
宇宙人はこちらを認識すると
「七夜~彩葉が閉じ込めてくそまじ~パンケーキ食べさせる~助けて~」
と甘えてくる
すり寄ってくるのを手で制しつつゼリー飲料の蓋を開けて渡してやる
「またデカくなった…」
昨夜まではギリギリ子供に見える大きさだったのが今は同年代くらいの大きさに成長していた。
「閉じ込めるは置いといて糞不味いパンケーキとは?」
「小麦粉と水で作った一食19円以下の……あ」
油断すると直ぐにこれだよ
「それ辞めろって再三いったよな…綾紬と諌山にチクって2人にでろでろに甘やかせてもらったろ♪」
「や~め~て~」
倹約家の酒寄彩葉は時折とんでもない節約をすることがある
この
好きな女の子の手料理なのに微塵も心が躍らないというか絶対に食べたくない
七夜の知らぬ話ではあるが化粧水を使っていないと言ったときは美容系インフルエンサーの綾紬 芦花に締め上げられて怒られていたのが記憶に新しい
ゼリー飲料を飲んでいる間静かだった宇宙人はそれを飲み干すと直ぐに
「七夜~これあんまり美味しくない~退屈なのもやだ~」
また甘え始めたが一旦無視して
「とりあえず味なしパンケーキ擬きはいくら何でも辞めてやれ…」
「えぇ…」
「やだやだやだやだ~」
うるせえなこの宇宙人
「だー!静かにしろよ宇宙人!」
「宇宙人やだ~可愛く無い~」
もっとうるさく駄々をこね始めた。
「あーもう!じゃあ
「!かぐや!かぐやはかぐや!」
今度は飛び跳ねて喜びだした。
「はぁぁぁぁ…ちょっと待ってろ…」
鞄を床に置いて自室へ戻りノートPCと充電コード類を持って戻ってくる
「ほら…これ貸してやるから…外に出ないようにな…ここにフリーゲームが入ってるしこのアプリから出前山に入って好きなものを昼になったら頼んで食べろ…」
ノートパソコンを渡しながら簡単な操作を教えてやると目を輝かせながら宇宙人改めかぐやは大人しく部屋に戻った。
やっと静かになった
朝から凄く疲れた気がした
「………あんにゃろう朝飯持って行きやがった…」
いつの間にかゼリー飲料も持っていったようだ
「…いいの?」
「あんまり良くは無いけどこうでもしないと学校までついて来かねないし…配信用じゃないから大丈夫のはず…多分…恐らく…きっと…」
この三連休まともに休めていないが残念ながら時間は平等
社会人には仕事が学生には授業がある
「殺人級の睡魔が...」
綾紬の意見に完全に同意だ
しかも酒寄彩葉の
危うく意識を飛ばしかけた…………
相変わらずの超人女子高生だ酒寄彩葉…………
「西尾…君はもう少し頑張れば上の大学も狙えると思うが…」
「アハハハハハハ…ソッスネ~」
進路相談を作り笑いで誤魔化す
目一杯努力してんだよこっちは
「「彩葉~また
「~っ西尾ぉ!?」
「チクるっていったろ~」
「という訳で~彩葉には~赤点回避記念のお礼と変なもの食べた罰で~カフェで女子会に参加してもらいま~す♡」
「西尾君は男の子なので参加できませ~ん」
「女子の群れの中でお洒落なカフェに行く度胸はありませーん♪」
「西尾~助けて~」
「いってらっしゃーい♪」
綾紬芦花と諌山真実に引きずられていく思い人を見捨てる
ちなみにだが西尾七夜はあの女子三人組以外に友達はいないぞ
理由はまぁ察しているだろうが
タイプの違う美少女三人と仲がいいのだ同性からすればそりゃあ面白くないだろう
「………」
悲しきかなボッチである
ボッチいうな
特段用もないので家に帰った西尾七夜が目撃したのは…………
開け放たれたままの登校前は鍵も掛けられていた筈の隣人の部屋の扉
「は?」
状況を理解すると一気に体温が下がる
恐らく顔も青ざめているだろう
恐る恐る開け放たれた扉の中を覗き込むと
荒らされたような痕跡は一先ず見当たらない。まぁそもそも金目に物なんてこの部屋には無いが
安心して息をつこうとするが…………
開け放たれたままの扉をとりあえず閉めてから
絶叫
さてそのアイツはというと…………
「パンケーキ?これが?彩葉のと全然違う!」
「え~かわいい。彩葉の友達?パンケーキ好き?はいこれもどうぞ」
「彩葉の服着てる~」
居た
家を飛び出して彩葉を尾行して、お洒落なカフェに入り込んで彩葉の前に置かれた本物のパンケーキをむさぼっていた。ついでに同行者のケーキまでご相伴に預かっていた。
「いや!友達っていうか、えっとあの...」
頑張れ
「月から来たの!」
遅かった
「つ~つつ築地だよね!私のいとこ!」
大丈夫まだリカバリーは効く
「わぁおいしいお寿司屋さん教えて~」
よし
「お名前は~?」
「かぐや!」
ナイス西尾。今度からもうちょっと支援物資を受け取るぞ
「ねえねえ~七夜は~」
おっと今までで特大の地雷だぞ
どうにか誤魔化さなきゃ……
あ電話だ
現実逃避しながら電話に出る
そう言えばだれから来たか見てなかった。
「ヤバい!かぐや居ない!」
耳がキーンとした。
相手は一番仲のいい異性西尾七夜この三連休散々助けてもらった相手だ
「あぁうん大丈夫。目の前に居る…」
「今通りを探して……は?」
「うん目の前に居る。後でかけ直す…」
電話を切る
「ねえねえ~七夜は~ずっと一緒に居たじゃん~」
頼む黙ってくれ
「…………やっぱり西尾君と…………」
ほら恋する乙女が勘違いした。
「えっ!?彩葉この三連休ずっと西尾といたの!?」
甘い物以上に
「わ、私が忙しい時にかぐやの面倒見てもらってたら懐いただけ!ごめん帰る!ありがとねごちそうさまあとで埋め合わせするから!」
これ以上余計な事を口走られる前に
「いや~さっきの建物の中涼しかったね。あれ彩葉んちでできないの?」
反省してなかった悪いとも思ってなさそうだ
「正気?正体ばれたらどうすんの!なんで家から出てくんの~!ていうか鍵は!」
詰め寄るが
「だってつまんないんだもん」
「西尾からパソコン借りてたでしょうが!」
「あきた!」
この言い草である
「あ!七夜だ!」
走り出していった。
「ちょ、待ちなさい!」
「はぁはぁ…外出るなっていったよなぁ……」
あちこち走り回っていたのだろう汗だくの西尾七夜がいた
「だって~」
「あのねそんな風に生きてると自滅するよ?」
今を楽しく生きるのは楽だろう。でも必ずその代償はやって来る
「時には我慢ってもんが必要で...」
その先は口にしなかった。
母親みたいな事を言いたくない
「ねえこれどうやって使うの?」
全然きいてないぞこやつ
その手に握られていたのはスマートコンタクト通称【スマコン】だった。
あと数年もすればスマホを過去の時代にするとも言われている
次世代型VR&AR機器だ
コンタクトレンズ型で様々な映像を網膜投影するものだった。
「ん?私のスマコン?持ってきた?」
「七夜のノートPCで買えた!」
「は?」
慌てて自身の生活費用ウォレットを確認
残高 \52
前日比 \-124400
最近の利用
[デバイスの殿堂]
「え」
52円……
スマコンの値段はまだいい良くないが
だが15万はあった筈だ
「お、お、おま、昼に何頼みやがった?」
「ん~?なんかねフワフワ~でジュワワ~で~」
「分かんねぇよ…」
自分で注文履歴を遡るすると
篠崎亭 特選特上鰻重五膳 ¥18000
蓬莱亭 江戸前寿司特上 ¥14000
「………」
絶句
どんな金持ちだ
「ねぇ西尾のPCで買ったっていったよね…どうやって受け取ったの?」
「繋がっている所から入った!」
繋がってる所とは…
「「まさかベランダ…の仕切りを破って…!?」」
酒寄彩葉にもダメージが入ったぞ
「どうするんだよ今月もまだ頭なのに…15万ないなった…?」
学費と家賃は親が出しているが高校二年生になってからは生活費の受け取りを拒否して
ツクヨミ内での配信やアルバイトで賄っていたがそれがパーに
周囲の目など気にせずに跪き打ちひしがれる
「えっ?何か...銀行?...のデータを書き換えればウォレットの数字増やせるっぽかったよやる?」
何をぬかしよるかこやつは
「絶対辞めろ!死んでもやめろ!」
ただでさえ
それをやったら言い訳付かないくらいに汚すことになる
「………その…ぱ、パンケーキ食べる?」
フォローになってるのかなってないのか酒寄彩葉がいった
「………くだちゃい…」
絶対食べたくない物からなんとうれしい女神の施しだった
「芦花~だいじょうぶ~?」
「大丈夫♡西尾君なら祝福出来る♡」
「ならナイフ置こうな~」
カフェでこんな会話があったり
ここだけコソコソ小話ロングの予定だよ見たいのを選んでね☆
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黙って両方書け!