ここだけコソコソ小話
カランコエの花言葉は「私を守って」☆
「ライバー……なり方…」
現実世界に帰還した彩葉と七夜の目の前にいたのは、PCで楽しげに、それはそれは楽しそうに
何かを検索する
彩葉は目をこすり、七夜は自身の頬をつねる
だが幻覚でも夢でもなかった。現実だった
「「なんで…まだ金髪なの?」」
口に出た疑問は一言一句違わず同じだった。
「えっ、駄目だった?じゃぁ~えいっ、えいっ、えいっ!」
掛け声とともに髪の色がどんどん変化する目の錯覚とかアハ体験みたいに徐々にでもない
寒色から暖色へ更には反対色にも何なら髪だけでなく肌の色まで変化していた。
「で~もやっぱこれっしょ~?」
最終的に金髪と最初の肌色になった。
「理解の範疇超えし宇宙人。まぁもう何でもいいかハハ...」
「これ……もう大概の事には驚かなくなりそう…」
現実逃避するしかなかった
「七夜七夜七夜、ライバーって何すればいいの?」
「あ~…ゲームしたり雑談したり、なんか食べたり美容品使ったりとか……後は歌…かな」
思い付く限りの活動内容を上げる
「やっぱり…戦うやつとかやるのかなぁ彩葉、七夜教えてよさっきの戦うやつ!」
「KASSENか?教えるのはいいけど…というかくっつき過ぎだ!離れろ!」
「や~だ~」
絡みつかれている七夜を放置して彩葉は机にうつ伏してにやけている
「酒寄さん?こいつ引っぺがすの手伝って貰えませんか?おーい」
「ニュッフ…」
「七夜~♡」
今日の酒寄さんの超人っぷりは営業終了のようです。
「教本どうりの事しかテストには出ていない筈だ」
「出来る事しかやるように言ってないわ」
「努力するってそんなに難しい事か?」
「目一杯やれる事それに才能って必要か?」
「七夜兄さんはもっと頑張れるはずです」
「天夜選手の弟だからもっと出来ると思ったんだがなぁ…」
「流石西尾白夜の弟!素晴らしい演奏でした!」
「七夜ってさ西尾夜花の兄貴何だろ?妹紹介してくれよ」
「西尾君の家ってすっごく名家でお金持ちなんだって~アイツなら落とせそうよねぇ~」
どんなに頑張っても天夜兄さんみたいになれない
どんなに結果を出せても白夜兄さんが褒められる
いつでも夜花の話になる
見られるのはいつだって
誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か
「ッ!?」
跳び起きた現在の時刻は6時半。いつも起きる時間より幾分か早い
随分久し振りにあの夢を見た
酷い汗でシャツが肌に張り付いて気色が悪い
「……シャワーでも浴びるか…」
光熱費は馬鹿にならないが今は頭を冷やしたい。
「な…ナニコレ~?」
かぐやがヘロヘロ声で文句を言う
「何って夏休みの予定表だけど。一日も無駄にできないから邪魔禁止ね」
その予定表は勉強にバイトでみっちり詰まっていてまるでパズルの様だった。
「やだー…かぐやと遊んで~?」
「約束忘れたの?」
「~~七夜~~」
かぐやに強制連行され今日もいる
「夏休み期間は稼ぎ時なんだ。俺も生活が懸かってるんだ邪魔禁止」
今回は甘やかして貰えなそうだ
「え~やだっぴ~」
床をのたうち回り駄々をこねるがここは安アパートとっても狭い
そんなところで暴れると…
「あいた!痛!痛い」
ちゃぶ台に体をぶつけ、机に乗った参考書やら教科書がかぐやの頭の上に雪崩のように落ちてくる
「追い出すよ」
家主からの警告だった。
「で?あれらは?」
若干ドスの利いた声で狭いこの部屋の半分近くを占拠しているガラクタの山を見ながら
彩葉は言った
「あれは配信用!全部百均だから安心!」
「お金どうしたのよ」
「七夜がお小遣いくれたの!」
「おい」
「…………」
娘を甘やかしすぎた父親を叱る母親かな?
そんな一触即発の雰囲気を無視して
「みてみてライバー始めたんだ♪どう!」
落書きの様な背景と立ち絵に不安になる不協和音
挙句初配信は挨拶のみ。その上最後にインカメ
だれがどう見ても配信事故そのものだった。
「き…気分が悪くなりそう…」
「オイオイなんだこの不協和音は…」
「ジングルだよ」
ジングルとは軽やかなメロディーで視聴者の印象に残る事を目的とする短い音楽の事だ
「オリジナルで作ったの」
「だろうな!こんな不安になりそうなジングル聞いたことないからな!」
「って、待って。どうやって曲を作っ………あ、私のキーボード!勝手に出さないでよ」
「俺の電子ギターもあるし収納勝手に漁ったなこいつ!」
ちなみにだが、かぐやは七夜の部屋の合鍵を持っている。また仕切りを破られては堪らないので嫌々渡したが、七夜の布団に潜り込んだり、絵本を読むのを強請ったり、彩葉に怒られそうな物を隠しに来たりとろくなことに使ってない
少なくとも部屋に変な物が増えていく原因はお前のお小遣いのせいだ。
「彩葉も七夜も引けるね。全然上手くいかなくてさぁ~一丁お願いしますよ先生方~」
怒られてるのになんて面の皮の厚さだろうか
「そもそもコードってのがあって…」
結局かぐやのおねだりを断れずキーボードに指を掛けるが
思い出がフラッシュバックする
「彩葉、音楽は自由に楽しむんやで」
幼いころの
ピアノを弾く時は、楽器の音よりも笑い声の方が響いてたっけ
お父さんもお兄ちゃんもお母さんも笑ってた
いつからだっけお母さんが笑わなくなったのって
多分お父さんのお葬式の時からだ
幼い私の声がする
「ねぇ…何で…私は一人で泣いてるの?お母さんは悲しくないの…」
その返事は…………
そこまで考えて我に返った。
かぐやが目を輝かせながら演奏を待っていた。
いつの間にか嫌になった音楽、遠ざけたピアノ、変わっちゃったお母さんの言葉
手が一瞬震えたが、白鍵に触れた指は滑らかに動いてくれた。
私が鳴らす音に合わせて電子ギターの音色がする
西尾が引いてくれている
いつだって自信なさげで、何かに怯えてる割にはやってることがちょくちょくおかしい
この曲私のオリジナルだぞ。楽譜無いんだぞ。それを耳コピしながらギターで完璧に合わせるとか
どんな技術だ。何が凡人か
「♪~」
かぐやも歌ってくれる
此奴もこいつで速攻でリズム掴んで即興で歌詞まで乗せてる。すげぇなぁもう
何て綺麗な声だろう。
何て美しい歌声だろう
なんて…………何て
楽しいんだろう
気が付いたら一曲丸ごと演奏していた。
心のどこかで‘もう終わりなの?‘何て声もしたくらいに
楽しかった。こんなに気分が良いのは本当に
「凄い凄い彩葉天才!」
「色々中途半端に出来るんだけどね。ていうか天才は西尾でしょ」
「いやいやいや…そんなことないって…」
「どこがよ耳コピしながら合わせるとか凄すぎてちょっと引いたし」
「ははは…白夜兄さんならもっと上手く出来たろうし…この曲が凄かっただけだよ」
「…?…もっかいエンドレスで!」
やれやれアンコールの要望かよ
「…どうする西尾…」
「……近所迷惑にならない程度ならいくらでも」
オリジナルの曲だけじゃなくて他にも色んな曲を三人で沢山奏でた
「そうだ!彩葉プロデューサーになって!彩葉の曲を私が歌えば大バズ確定じゃん!このボロアパートから伝説が始まる!」
「「ボロアパート言うな」」
「無理です。作曲何て時間…」
ない事も無いが昔作った曲をアレンジするだけなら何とか…
それに良い息抜きにもなりそうだし…
楽しかったし…
「お願い…彩葉…このまま終わりたくない…ハッピーエンドにしたい…な」
あ、これ駄目だ断れない奴だ
もう仕方ない西尾も道連れにしよう
「…ちょっとだけなら…西尾も手伝ってよね」
「…………大変心苦しいのですが俺もライバーでして…」
「あ」
ヤバイ忘れてた。
どんどん書くぞー
次回から本格的に物語が進んでいきますね
ちなみに音楽知識はほぼゼロなので電子ギターがそもそも存在するのかすら知りません
あのボロアパートで演奏できるもんなんですかね
そして七夜君のトラウマも少し出しました。
七夜君は伸びる余地はあるんですが環境が良くなっかたんですよね
ここだけコソコソ小話ロングの予定だよ見たいのを選んでね☆
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黙って両方書け!