我が義妹を守るため、私は魔法少女を許さない   作:茶庵

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 どうも茶庵です。
………この度遅れました理由は時間が本当に無かったからです、なんで1週間に1本言った次の日から忙しくなるんですか? 呪われてます私。
 そのような事はどうでもよくて本当にすみませんでした、これからはもう少し計画的に作っていきたいと思います。
 急いで作ったので色々話が分からないと思うところがあるかも知れませんが見ていってください、お願いします!
 では本編どうぞ!


第三話 兄の視点、兄が助けに来た

 

 

もウ、コノこをイじめナいデクれ、こノコはひかリちゃんだ

 

 何かが喋る、目の前にいる得体のしれない、それも生物かも怪しい星が光る夜空の様に、体に無数の光を散りばめた蠢く暗闇が、先ほどビアスが仕留めようとした少女型の悪魔の前に護るように直立する。

 

 

時は少し遡り

 

 

違う…違う…違うッ!

 

 青年は悪魔の言葉を怒気と嘆きを乗せた思いで否定する。

 

「そんな訳あるかよっ! そんな…そんな事が! ある訳がっ……」

 

 俺は知っている、光の母親が今鬱になった理由を。彼女は親友を亡くした、それは事故だった、魔法少女の到着が遅れ悪魔に襲われそうだった少女を庇い死亡したのだ。

 泣きながら彼女は「昔みたいに戦える力、私たちには無いのに」と言っていた、それは親友がかつて戦う側だった事を意味している、それはとても悲しいことだったのだろう、とても辛いのであろう、だが俺はあなたに哀憐の情を催せどあなたを許すことは出来ない、俺は仏ではなく光だけを大切にする1人の人間なのだから。

 

 俺は知っている、光の父親にはかつて程の活気はない、顔はやつれ、笑顔は重たいものになっている、だがそれは光に愛情が無くなったわけではない、愛情が無くなったのならばあんな人を慈しむ眼差しを含んだ笑みは浮かべない。

 彼は頑張りすぎているのだ、妻の友の訃報、妻のケアに娘達との時間作り、それに加えての仕事に忙殺されたりなど、何故1人でこなそうとする、俺が見ていた限り彼は悩みを抱え込んでしまう性格なようなのだ、だから娘達に逆に心配をかけるのだ、もっと周りを頼れよ、あなたの周りはそんなに薄情な奴しかいないのかよ。

 

 俺は知っている、光の姉は今も昔も変わらず光を愛している、そして光の想っている様な考えでは決してない、彼女は光が眠っている時に言っていた、「どうしたら光ちゃんに前の時みたいなキラキラした家族を見せてあげられるのかな」と、彼女は家族が元通りになり皆で幸せになることを望む、心優しい女の子だ、いつも俺の代わりに光を気にかけてくれるのはとてもありがたい。

 

 「光の家族は! 誰よりも人に寄り添える、優しい家族だ! 誰もこの家族だけは汚してはならないんだ! 幸せを奪うなんて事、あってはならないんだ!」

 

 守は光にこの言葉が届かないと知りながらも懸命に声を張り上げ叫ぶ。

 

「光は1人なんかじゃない! 生まれる時が他の子より不運だっただけの、純粋な、人を想える俺の大事ないも―――」

 

 

ピシリッ!!

 

 

 言い切る前に守の後ろで何かにヒビが入り砕ける様な音がした。

 

「な…なんだ…あれ?」

 

 その音に振り向くとそこには、空間が剥がさる様にして開き、そこからもくもくと深い紫がっかた青色の煙が入って来ており、見ているだけで震え上がり、全ての生物が皆、本能として拒絶したくなる何かがこの場を支配しようとする。

 

「うん? おやおや、これは凄い事になってるね」

 

 隣からそのような脳に直接響く様な声が聞こえとっさに振り向く。そこには見えているようで見えない、いるのにいない、と、何とも摩訶不思議な感覚を持たせる何かがいた。

 

「誰だ……あんた…」

 

 そう言い、そのよくわからない存在に問う

 

「お? 見てご覧よ少年、今から始まるよ、生物なら誰しもが持つ、負の側面を担う感情が振り切り、許容範囲を超えてもなおとめどなく溢れ、感情に支配され力を手にする僕による祝福(呪い)が!」

「おい待て、お前何をしようとして――!?」

 

 何か嫌な予感、そんな感覚に陥り守は得体のしれない存在へと近づこうとし…………

 

「なっ…何だよこれ」

 

 動けない全ての四肢、指先に至るまでの細かい部分までもが動かせない、自分の周りをムチムチ筋肉マッチョの男が数人がかりで纏わりついているような感覚だ。

 

「ふむふむ、なるほどね〜」

 

 そう言い何かはこちらに振り向いている様に見えるがそうでないかもしれない。

 

「これは空間操作だね、それもこれは静と動に特化させているようだ、お? 見給え少年」

 

 ブツブツと何かが言っていると、突然そいつはそう言い守を光の視点へと誘導させる、固定させている守を無理矢理空間を回転させて光の視点を見せる。

 

「はぁ!?」

 

 視界には今光が【空間抹消】と唱えた途端、後ろに有ったであろう玉が悪魔へと飛んでいき長方形の形を取り、その面が紫に光……消えた。

 

「え? は? 何、え?」

「へぇ! これは面白い! もう既にある程度は扱っているんだ! 今のは静と動のうちの動か! 腕を構成している分子の原子をバラバラに壊して分解する、はたから見たら突然腕が消滅したように見えるよね!」

 

 困惑する守と笑いながら考察する何か、対極的な2人は暫し各々の考えを巡らせているうちに戦いは終わりを迎えようとし、2人は話に戻る。

 

「えーと? なんだっけ? 僕の名前だっけ?」

 

 守はコクコクと頷く。

 

「うぅん? 名前名前……今は仮称Cって事にしておいて!」

「……わかった」

 

 この者はCと名乗り守はそれを受け入れる、そして本題。

 

「C、お前はお前は何だ? 光の敵か? それとも味方か? さっきのは何だ、光はあんな力は持っていなかった、それにお前が来て祝福だなんだと言った瞬間に起きた、本当にお前は何だ?」

 

 そう守はCへと質問をする。

 

「3つも!? 最初から飛ばしすぎじゃなぁい?」

「…早く答えろ」

 

 額に青筋を立ててどんどん怒りのボルテージが上がっていくのを見てCはあははと笑いながら冗談冗談と言って話し始める。

 

「まず、光ちゃんの敵か味方かについては味方のつもりだよ、そうじゃなきゃここには来てないからね」

 

 と、剥がされた様にして未だに煙を垂れ流す裂け目に近づきながら言う。

 

「そして次は光ちゃんの手にした力ね、うーん難しいなぁ、人は誰しもが負の感情を持つでしょ? それを僕がチョチョイと細工をしていじることで悪魔になって戦えるようになるんだ! あ! だけど勘違いしないでね、悪魔だから悪ってわけじゃ無くて、悪魔になって力を手に入れて溺れたから悪になっちゃっただけだからさ」

 

 彼ら彼女らは魔法少女になれる子みたいに気高い魂ではないからね、とつけ足すC。

 

「それで僕が何者かだよね、それじゃあ応えよう! 僕は――」

『まあ、いいわ。黒色エネルギーを纏ってるって事はあなた悪魔なのよね? それならあなたは討伐対象よ』

「は!?」

 

 突如聞こえてきた不穏な言葉に話していた守とCは振り向く、そこには魔法少女ビアスと光が対話をしており、ビアスが得物を取り出し、慌てて自分が誰かを説明しようとしている光に突っ込もうとしている場面であった。

 

「ままままずいまずいまずい! どうにかしないとあわわわわ」

 

 そんな光景に腕をばたつかせてあっちへこっちへと行ったり来たりしている守。

 

「んーこれは……多分光ちゃんが負けちゃうね、さっきの戦いで大分魔力を使っちゃったみたいだね、魔力が多かったからあんな使い方ができたけど荒すぎる、今みたいな連戦も有るんだから気をつけて使わないと、それに光ちゃんは魔法少女ビアスとは戦う気がないみたいだしね」

 

 そう言うCに守は。

 

「そんな呑気な事言ってる場合か! 光が危ないんだぞ!?」

 

 と、慌てながらCに大声で言う。

 

「ううん、難しくない? だって光ちゃん彼女と戦う気ないよ? それに僕らは光ちゃんの精神の中にいて手出しができない状態にある、詰みだよ」

「ああ…嫌だっ……嫌だ嫌だ嫌だ、また失うのかよっ! 今度こそ最後まで妹の成長を見守れると思ったのにっ…そんなの……そんなのあんまりだろッ!」

 

 Cに現実を突きつけられ守は膝を突き大粒の涙を流す、その光景をCは黙って観察し一度光の視点を見てやれやれと言い呟く。

 

「1つだけ、助かる方法がないわけじゃないよ」

「……え?」

 

 そのCの言葉に呆然と守はCを見つめる。

 

「あるにはあるんだけどね、何ていうか、その、簡潔に言うと君を悪魔にしてこの空間から外に追い出す、それだけの事なら僕にも出来る、でもデメリ――」

 

 最後まで言おうとして守に遮られる。

 

「わかったやる! 何でもするから俺の命を使ってもいいからッ! 光を、光を助けさせてくれッ……」

「まあまあ落ち着けよ、デメリットも話してないんだからさ」

 

 そう言いCは守をなだめ落ち着かせる。

 

「あ、ああ悪かった」

「もう、まったく……ま、いいよ僕は心が広いからね」

 

 Cはそう言うとえっへん! と言うように胸を前につき出し寛大さをアピールする。

 

「それで、デメリットだけど、簡単に言うと成功確率が低いわけじゃない、でも君の精神が持つかどうかの問題だ、その理由としては――」

「……ッ!」

 

 そう言われ守は緊張したように唾を飲み込み言葉を待つ。

 

「あれを君の中に入れるからだよ」

 

 そう言いCは本能として拒絶したくなる煙を指差して言う。

 

「君には負の感情が足りない、足りなさすぎる、これじゃあ悪魔になったとしても精々2~3レベルくらい、格闘技とかを収めてる人達に敗れるくらいの力しか見込めない」

 

 煙をかき集めながらCはそう事実を言う。

 

「だけどね、抜け道としてこの煙、純魔力、僕の言い方で直すならそうだね、意志の塊(デア・ヴィレ)、純粋な力の塊を君の体にねじ込み融合させる、その際に君の体は崩れてとんでもない激痛が君を襲うそれがデメリット、それでもやる?」

 

 覚悟を問われるが既に守は決心がついていた。

 

「やるに決まってる、このまま何もできずに殺されるのは嫌だし、そんな事をした俺自身を俺は認めない、それに……妹の頭よしよしとかお兄ちゃんらしいこと絶対にするまで死ねん」

「…………」

「な、何だよ」

 

 その宣言、主に後半にCはポカーンとし、笑い出す。

 

「ぷふっ! …くふふっ、あははははは!!! いやー、面白、やっぱり人間は面白い、こんな大切な場面でそんな事言う? 普通はさ!」

 

 笑いながら守の宣言の感想を述べて笑いを抑え、いよいよ守の体に純魔力を流し込む。

 

「さて、行くよ? 君が泣こうが喚こうが、僕は止めないから覚悟することだね」

「ああ、人思いにや―――」

「それ!」

 

 守が言い切る前に純魔力を守の体の中にグリグリと押し込んでいき守は絶叫する。

 

「ちょっ!? 最後まで言わせアガァアアアアッ!?」

 

 守の事はお構いなしにどんどんねじ込み全てを入れ終える。

 

「さ! 順応するんだ! 分けるのではなく染み込ませていく感じで、さ、やってごらん、君が順応出来るまで時間は止めておいてあげるからさ」

 

 世界は回転を辞め、聞こえてくるのは守の絶叫のみ、それをゆったりとした面持ちで観察するC。

 

「ガァァァァ! も、もげるッ! 崩れ…る…俺の身体が、全てが……感覚……が……」

 

 長い長い時間、痛みのみが身体が生きている証明かのように襲う、それに耐えかね、意識を手放しそうになる事は何度もあった、だがそれを妹を思う気持ちで留める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やがて痛みは終わりを迎え、新たな自分を目覚めさせる。

 

「お? お目覚めかい? どう、新たな自分をどう感じる?」

「こ、これは……」

 

 手を握ろうとし、失敗、足を動かそうとし動かすと言うよりも這う感覚に襲われる。

 

「だいぶ変わったね〜、てか僕も想定外!」

 

 そう言いCは姿見を何処からか出し、守は自分を見た。

 

「なっ、何じゃこりゃあ!?」

 

 体は人の要素が無くなり、体は星が光る夜空の様に体に無数の光を散りばめた蠢く暗闇が、影が膨張し、実体を得たかの様な姿をしていた。

 

「あはは! いいものを見せてもらっちゃった、僕は怪人系になって人の要素少しは残すと思ったのに、君、全部の純魔力吸収して完全に人の姿やめちゃったよ、これじゃ、人の成分がない、純魔力がその場を練り歩いてるとんでも光景だよ!」

 

 Cは笑いながら守に起こった事を言う、守の身体は全てを消滅させ、純魔力と入れ替わったこと、守の階級は当初想定していた怪人ではなく魔物であること、魔力量は量だけで言えばレベル10、全世界が守知れば動く特大の量であることを説明される。

 

「いやぁ、面白、で、行くんでしょ?」

 

 守は見送ろうとするCに頷きながら言葉をかける。

 

「ああ、言ってくる、色々と助けられたけど何もできなくてすまな――」

「さー! 行った行った! 妹を救ってこいよ、お駄賃はもうたくさん笑わせて貰ったから結構さ」

「おい! さっきから最後まで言わせろぉぉぉぉ!?」

 

 叫びながらCが用意した出口に突き落とされる、そして最後に見えたのは、見えないはずのCの笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、彼、結構面白かったな〜」

 

 誰もいなくなった空間に1人のなんでもない存在が天を仰ぐ、その姿は黒いヴェールに包まれて目元は見えないが口元は楽しかったと分かるように口角が上がっている。

 

「それにしてもこれは、とんでもない偶然があったものだ、100年前、この世界を襲った同時悪魔顕現事件、かつて魔法少女が隠れ世界を守っていた頃、魔法少女が表舞台に上がるきっかけになった事件、海では空間を移動する世界を見たいと嫉妬する海の悪魔、陸では全てを飲み込む変貌せし陸の悪魔、どちらもレベルは10、どちらとも単体で大規模な被害をもたらす悪魔が同時に顕現したことで国と魔法少女が手を取り合った架け橋となる事件、あの兄妹はその悪魔達と同じ力おを操るか……どうなる事やらだね」

 

 Cはくるくると回転しながらこれから起きることを楽しみとワクワクしながら裂け目へと戻り。

 

「ま、頑張れ少年、僕は君を応援しているよ」

 

 その言葉を残し空間は何も無かったかのように塞がり、痕跡も何もなくなる。

 

 

時は戻り

 

 

「大丈夫、お兄ちゃんが助けるから」

 




―――今日のひと言―――
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