蛇足物語   作:ロバと子いぬ

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全然話が進まねぇ! 戦闘描写楽しすぎる!
今更ですけど、オリ主の王剣はLoLの王剣モチーフ、ウルトはLoLのゼリってキャラのウルトモチーフです。王剣は割合ダメージだからね。ここに落とし込むとこうなった。

そういえばランダム色紙売ってたから買ったんですけど、出たの雷でした。雷がでると微妙な気持ちになるの、何なんでしょうね。別に悪くないんですけどね。


五章の十四

俺の前に現れたのは、ミニオンになっている異形に比べてスラっとしていて大きい、相手のプレイヤーにあたる存在の七福神を模した月人だ。

綾紬さんと諫山さんが落とされてたいたから、そのどちらかに当たった相手だろう。ちなみに二人は様子見で復活待機している。残機は共有だからな、俺や黒鬼が落とされるようならそっちに回すべきという判断だろう。ありがたい。

チラリと酒寄さんの方を見れば、アキラと一緒に他の七福神と対峙していた。アキラがついてるならとりあえず大丈夫だろう。基本的に相手がこの程度の強さなら俺は黒鬼の三人の心配はしていない。プレイヤー相当の七福神相手はわからないが、そこは今から測る。

 

俺にミニオンをいくら当てても意味ないことを察してか、俺の方に寄せる敵の波は来なくなっていた。ウルトの時間が補給できなくなるが、多数のミニオンを倒してかなり時間は増やせた。数分は持つだろう。

目の前の七福神に向き直る。

 

「中ボス、ってところか」

 

これが倒せなければ俺たちの勝ちの目はない。ならば、負けるわけにはいかない。

 

金雷を纏った刃を予備動作なしで振るう。相手は人間かも定かではないが、こっちの動きを読みにくくして損はないだろう。

相手は驚く様子も見せずに飛来した斬撃をを回避する。攻撃を見てから回避した、か? NPCのような動きに見える。

 

「じゃあ近接で潰すか」

 

突撃だ。相手の火力も高いだろうが、避ければ関係ない。

相手はシンバルのような武器を盾のように使い俺の攻撃を防ぐ。だが、俺の攻撃はそれでは防げない。

 

(いかずち)を受けろ!」

 

王剣から迸る金色の稲妻が、シンバルを通して相手へと伝わる。そうすれば、大きくはないが確実にダメージが蓄積される。

これが俺の戦い方。少しずつ継続的にダメージを与えて倒す。今は見た目こそ稲妻を纏っていて派手だが、中身は地道な削りだ。

 

何度か武器を打ち合わせて稲妻を相手に響かせる。……ふむ。ダメージは通っているはずだが、効いている感じが何となくしない。おそらく継続回復のようなバフが付いているのかもしれない。他の面子はともかく俺とは相性が少し悪いか。

まぁいい。持続ダメージが効かないなら高火力で落とせばいいだけだ。

 

俺は剣を一度引き、小さく屈んで相手の懐に入り込む。俺の剣はツヴァイヘンダーだ。つまり大きいから懐に入り込めば、相手の間合いになる。そこに()()()踏み込む。

相手はNPCのように、俺の隙を見てこれ幸いと攻撃を仕掛けてくる。その瞬間に、飛ぶ。

屈んでいた俺を狙った相手の上を取れば、攻撃後の隙を晒している相手の背中がよく見えた。

 

余談だが、俺の身体能力は人間の限界ラインを少し超えている。転生特典なのかは知らないが、耐久的にもパワー的にも一般人のラインより明らかに高い。そのスペックが俺の人並み外れた身体制動を可能にしている。

そのスペックを、制御ではなくスピードに振り切ると、どうなるか。

 

俺の王剣は、攻撃のモーションによる補正が低くなる代わりに、触れている間ダメージを与えるという性質だ。だが、その補正低下を振り切るほどに高速で剣を振えば、それは何人をも切り裂く刃となる。

 

剣を、振るう。

 

結果は単純。相手の七福神は上半身と下半身が分離していた。真っ二つだ。傷口からは花びらのエフェクトが溢れ出してる。そのエフェクトは勢いを増していき、やがて相手は全身が花びらと化して散って行った。

『KASSEN』でのやられエフェクトだ。

 

「ふぅ」

 

ミニオンも来なくなって空いたスペースに俺一人が佇む。

 

「っ、いてて」

 

相手の七福神は倒した。倒せることがわかった。だがこちらも無傷ではない。体を全力で使って(コントローラ)を振ったのだ。マジできつい。正直もう辞めたいくらい痛い。詳しくは知らないけど多分筋繊維がやられてるのだろう。

あー、どうしようかな。

 

「……まぁ、このくらいなら気づかれないか」

 

そう呟いて、俺は自分の腕に集中する。そしてイメージする。俺の腕は今()()()()。起きた物事を考える。そして、その中で()()()()()()()()()()()()を確定する。

 

そうすれば、ほら。腕の痛みは《無かったこと》になった。

言葉は必要ない。動作や合図も必要ない。全てイメージで完結する。

これが俺のチート能力。起きた物事を《無かったこと》にする力。正直に言えば、なんでもできる能力だと思う。まぁ、先読みで使えないとか欠点はあるけど。後出しで全部ひっくり返せるからあまり気にならない弱点だ。

 

俺は一息吐いて、周りの様子を見る。雷は七福神を二体相手にしている。互いに決定打がなさそうだ。乃依はあの月側のリーダーみたいなやつと射撃戦をしているな。やや不利そうか。

酒寄さんとアキラは……七福神二体を相手取って押している。というか、周りを見てももう一体がいない。誰かが一体倒したのだろう。

こちらは二人落ちてるが、相手も二人落ちている。

そして、俺たちの後ろからは歌が聞こえてくる。声援のように届くその歌声が、俺たちに力をくれる。

これは、いけるかもしれない。

 

とりあえず雷の加勢に行こうとまたミニオンを蹴散らしながら走り出す。

と、雷の元に着く前に、酒寄さんとアキラがもう一体撃破したようだ。

 

 

いける。勝てる。そう思った。

 

 

だが、次に倒されたのは雷だった。

 

俺が見れたのは、相手が残機を使用して倒れた三体を復活させたこと。その直後に、七福神たちがその姿を変えて形態変化したこと。そして、形態変化した七福神が目にも止まらぬ速さで雷を一撃で倒したこと。

俺が雷の元に辿り着く前に、それらは起きていた。

 

次に倒れたのは乃依だ。

相手のリーダーの射撃が激化し、さらにミニオンたちも今までよりさらに強い勢いで攻勢を開始した。あっという間に弾丸とミニオンに囲まれた乃依は、あっけなく花弁へと姿を変えた。

 

そして、次に倒れたのは、

 

「ちっ、さっきのやつか」

 

シンバルを持った七福神が再度俺の眼前に立ち塞がる。速度は先ほどより増しているが、俺が喰らうほどじゃない。シンバルの攻撃を半歩下がることで回避する。

だがそれが致命的だった。

半歩下がった俺の背を、凄まじい速度で飛来した何かが焼き払った。

 

「なにが……」

 

それは遠距離からの光線だった。攻撃元を予想してそちらを見れば、酒寄さんたちと対峙していた七福神の一体が手に持った楽器のような砲身をこちらに向けていた。

体が倒れる。ツクヨミだから痛覚はないが、感覚的にわかる。致命傷ってやつだ。

 

次に倒れたのは、俺だった。

 

 

すぐさま残機を使用して復活する。雷と乃依も復活したようだった。綾紬さんと諫山さんには悪いが、この状況ならこっちが最適解だ。

俺は最悪残機を使用しなくてもチート能力を使えば実質復活できるが、まだ早いと判断した。ヤチヨの目もある。本格的に使うのはまだ様子を見る。

 

復活した先で見たのは、アキラが酒寄さんを庇って光線を受け、更に別の強化された七福神にパワーで押されている場面だった。

酒寄さんは衝撃で武器を手放し地面に倒れている。アキラはボロボロになりながらも、何とか武器を打ち合わせてはいるが……。

このままではやられる。誰が見てもそうとわかる。

 

 

「お前ら、使()()ぞ」

 

「御意」

「はーい」

「了解」

 

判断は早かった。

 

 

アキラから空間を歪ませるほどのエネルギーが溢れ出し、先ほどまで押し込まれていた相手を吹き飛ばす。

 

煙が晴れて明らかになったアキラの顔には、禍々しい紋様が浮かんでいた。

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