仮面ライダー剣 Another Ace   作:上川 朔真

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プロローグ

人類の歴史に争いはつきない。

それどころか激化の一途をたどるばかりである。

食料・資源の奪い合い、縄張り争い、宗教、政治、経済───

理由はいくらでもある。しかし、戦う理由が無くなったとしても、また新たな理由を作って人々は戦いを始めるだろう。

それも仕方ないことなのかもしれない。

生物全てが持つ性質なのだから──

 

 

 

太古の昔より、ありとあらゆる生物は争いを続けてきた。

 

様々な生物種の始祖である不死生命体『アンデッド』達は種の繁栄と威信をかけ、一万年周期で地球規模のバトルロワイヤル『バトルファイト』を繰り広げていた。

勝ち残った種族には繁栄が約束され、世界を支配できる力を手に入れるという。

 

現在の人類の発展も始祖たるヒューマンアンデッドの優勝によるものであった。

 

 

 

─今から四年前

 

ある男の企みにより、封印されていた五十三体のアンデッドが突如として復活を遂げた。

しかし、それに対抗すべく人類基盤史研究所『BOARD』が開発したライダーシステムを使用した者『仮面ライダー』達によってアンデッドは次々と封印されていった。

最後に勝ち残ってしまったアンデッド『ジョーカー』により一時は地球上のすべての生命が失われようとしていたが、一人の男が自ら『もう一体のジョーカー』となったことにより、全生命のリセットは回避され、人類は平穏な日々を取り戻していった。

 

だがしかし、いまだに人類の存亡をかけた戦いは終結していなかった─

 

 

 

**************

 

 

 

─頭の中に声が響く。

酷く無機質に語りかけてくる声だ。

 

〈アンデッド二体確認。即刻『バトルファイト』を再開せよ。〉

 

(またこの声だ…)

 

胸中にそう吐き捨てる。

四年前のあのとき以来、毎日のようにずっと聞いている声である。

 

─今から四年前

 

鬱蒼とした森の中で二体の異形が向かい合っている。

 

一方は金色(こんじき)の装甲に包まれた者。

 

もう一方は禍々しい黒き甲殻をもつ化け物。

 

二体はしばらく睨み合った後、互いに走り寄り、拳を交わし始めた。

一方が拳を叩きつけるたび、もう一方もまた反撃の拳を振り上げる。

真正面から本能のままにぶつかり合うようであった。

 

黒い化け物の拳は金色の装甲をひしゃげさせ、砕け散った破片が辺り一面に飛散する。

 

反撃として繰り出された金色の拳が黒い甲殻を砕き、甲殻の下から緑色の体液を噴出させる。

 

しかし、そのうちに変化が起こる。

金色の者の動きが止まり、装甲が消失すると同時に、腰に装着されていた四角い物体が外れて落ちる。

人間の姿に戻ったのだ。

だが、傷口から流れる血液は人間のそれとは違っていた。目の前の化け物と同じ緑色である。

また、腰にはハートの形をしたものが装着されている。

それを見た黒い化け物がたじろぐ─

 

(そうだ、あのとき俺は******になったんだ…)

 

そう改めて認識する。

それが自分で選んだ''運命''だ

その選択の結果、後悔もした。だがそれでも─

 

(俺は''運命''と戦う。そして勝ってみせる。)

 

あの時と同じ言葉を胸の中で呟く。

 

青いマシンにまたがり、漆黒の闇の中をかけてゆく───

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