仮面ライダー剣 Another Ace   作:上川 朔真

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第十章 王の玉座へ 後編

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─ジャックフォームとなったブレイドが加速をつけて空中から攻撃する。

 

強化されたブレイラウザーの一撃は確実にダメージを与えている。

 

だが、もう一度加速をつけて突っ込もうとした時、アンデッドが思い切り剣を地面に叩きつけた。

砕かれた路面が石つぶてとなり、ブレイドに降りかかる。

 

突然の攻撃にスピードを落としながら突進をかけたものの、アンデッドが振るった剣から放たれた衝撃波をもろに浴びてしまった。

 

「ぐっ!」

 

吹き飛ばされ、地面に転がり落ちる。

 

(ジャックフォームとはいえ一筋縄じゃいかない…)

 

(なら、突破口は自分で切り開く!)

 

カードを二枚ラウズしつつ走り出す。

 

懐へ飛び込んだブレイドに対し、アンデッドが剣を振り下ろす。

 

しかし、ブレイドは剣を受け止めていた。

 

あらかじめラウズしていたカードの一つは(スペード)7『METAL』。

その効果により超硬質化した左腕でガードしたのだ。

 

そしてもう一つは(スペード)3『BEAT』。

ブレイドの右拳をオーラが包み込む。

 

左手で剣をしっかりと掴み、がら空きになったボディに渾身の右ストレートを叩き込む。

 

アンデッドが大きく吹き飛び、手にしていた剣を落とす。

 

剣を拾い上げると、ブレイラウザーとの二刀流でアンデッドを攻め立てる。

盾で防がれてはいるが、その表面には傷がついていく。

 

そして、勢い良く二刀による突きを繰り出すと盾に亀裂が入り、粉々に砕け散った。

 

「今だ!」

 

剣を投げ捨て、空高く飛び上がる。

 

二枚のカードをラウズし、オリハルコンウィングを大きく展開する。

 

(スペード)5『KICK』

 

(スペード)6『THUNDER』

 

『LIGHTNING BLAST』

 

頭部の角が赤く輝き、オリハルコンウィングが空気中の静電気を吸収する。

 

「だああああぁぁぁっ!!」

 

足下のアンデッドへ向かって急降下しながら、電撃を纏った右足を突き出す。

その様は青白い稲妻の尾を引く流星のようであった。

重力による加速も手伝って、弾丸のごときスピードでアンデッドの胸部に蹴りがヒットする。

 

激しいスパークが散り、アンデッドが地面へめり込んだ。

甲殻が砕け散り、凄まじい電撃を受けたアンデッドのバックルが割れる。

 

ブレイドは後方へ宙返りして着地した。

 

「や…やった…!」

 

プロパーブランクを取り出し、投げつける。

 

封印を完了したカードが手元に戻る。

黄金に輝くコーカサスオオカブトムシが描かれていた。

 

「これで俺も近づけたかもしれないな…」

 

あの時の青い仮面ライダー、本物のブレイドに─。

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

─ギャレンはジャックフォームとなって飛び回りながらギャレンラウザーを撃つが、風の障壁に阻まれてしまう。

 

そして竜巻が巻き起こり、巻き込まれたギャレンは制御を失って落下してしまう。

 

「くっ…!」

 

(隙を突かなければ攻撃は通らないか…)

 

一枚のカードをラウズする。

 

(ダイヤ)2『BULLET』

 

回転がかかって威力を増した弾丸を連射し、砂を巻き上げる。

 

砂煙を即席の煙幕として視界を塞いだのだ。

しかし、パラドキサが起こした竜巻により、一瞬で吹き飛ばされてしまう。

 

そして、パラドキサが目の前のギャレンに空気のカッターを放つ。

だが、ギャレンの身体にヒットすることなくカッターはすり抜けてしまった。

 

「かかったな!」

 

すかさず二枚のカードをラウズした。

 

(ダイヤ)3『UPPER』

 

(ダイヤ)6『FIRE』

 

『BURNING UPPER』

 

後ろから聞こえた声に反応し、振り返ろうとしたアンデッドの顎を炎の拳が捉える。

 

ギャレンは砂煙をあげた瞬間に(ダイヤ)9『GEMINI』で分身を作り出し、自身は背後に回り込んでいたのだ。

 

炎のアッパーカットで真上に吹き飛んだアンデッドを追い、高く飛び上がるギャレン。

 

カードを二枚ラウズし、必殺コンボを発動する。

 

(ダイヤ)5『DROP』

 

(ダイヤ)6『FIRE』

 

『BURNING SMASH』

 

空中で反転し、炎を纏った爪先を振り下ろす。

 

勢い良く弾き飛ばされたアンデッドが砂浜にクレーターをつくる。

 

蹴りがヒットした胸部が黒く焼け焦げ、黒煙をあげると、バックルが割れた。

 

カードを投げつけ、封印が完了するとハートマークとカマキリが描かれたカードとなって手元に戻った。

 

「よし!」

 

立ち止まってはいられない。レッドランバスに跨がり、研究所へと急いだ─。

 

 

 

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

 

 

 

─『カリス』が感覚を最大まで研ぎ澄まし、一瞬の隙を狙う。

 

あえて距離を詰めて攻撃を誘い、ギラファアンデッドに手榴弾を投擲させる。

 

腰から取り外したカリスラウザーをカリスアローに装着し、カードをラウズした。

 

そして、投擲された手榴弾の爆風を(ハート)8『REFLECT』で弾き返した瞬間─。

 

ほんの少しだけバリアーが弱まった。

 

(今だ!)

 

すかさず(ハート)6『TORNADO』をラウズし、高速回転する風の弾丸を放つ。

 

それはバリアーの一点に当たりながら回転を続け、そのまま突き破った。

 

バリアーに空いた穴を狙い、必殺コンボを繰り出す。

 

(ハート)5『DRILL』

 

(ハート)6『TORNADO』

 

『SPINNING ATTACK』

 

『カリス』を中心に旋風が巻き起こり、『カリス』の身体が浮き上がった。

そして、空中でスピンしながらアンデッドめがけて飛び出す。

 

バリアーに空いた小さな穴をこじ開け、強烈なスピンキックで突き抜ける。

 

甲殻に足先がふれた瞬間、回転の力で削りとっていく。

やがて、甲殻の下の本体にまで巨大な穴を穿った。

 

回転を止め、ふわりと着地した『カリス』。

 

大ダメージを負い、バックルが割れたアンデッドにカードを投げつけて封印する。

ダイヤの紋章を背負ったギラファノコギリクワガタのカードを手にした。

 

「どうやら俺の勝ちのようだな…!」

 

今まで抱えてきたとある罪悪感が消えた瞬間だった。

 

だが、それでも失われた命はもとには戻らない。

一種の自己満足なのだろう。

 

(いや、それでもいい…。あの罪は背負っていく覚悟だ…!)

 

人間の姿に戻り、一枚の写真を懐から取り出す。

 

その写真に写っていたのは微笑む一組の男女、そして一人の幼い少女だった─。

 

 

 

♧♧♧♧♧♧♧♧♧♧♧♧♧

 

 

 

─レンゲルが(クラブ)6『BLIZZARD』をラウズすると、鉄球が強力な冷気を放出する。

 

鉄球を振るい続けるが、やはりタランチュラアンデッドにはかわされてしまう。

 

だが、ある時からアンデッドの動きが鈍りはじめ、ついに最初の一撃が命中した。

 

その理由は、タランチュラアンデッドの体表にあった。

 

タランチュラアンデッドが今まで攻撃をかわせていたのは、体表にある細かい毛で風の流れを読んでいたからである。

 

しかし、レンゲルが放った冷気によって体毛が凍り、風の流れが読めなくなっていたのだ。

 

先程までとは打って変わり、連続で重い攻撃を受けるアンデッド。

 

「これで最後です!嶋さん!」

 

ジャックフォームを解除し、二枚のカードを連続ラウズする。

 

(クラブ)5『BITE』

 

(クラブ)6『BLIZZARD』

 

『BLIZZARD CRASH』

 

身体をひねりつつジャンプし、足から吹雪を放って氷漬けにする。

そして、氷漬けとなったアンデッドを両足で挟み込むように粉砕した。

 

凍りついて甲殻を砕け散らせたアンデッドのバックルが割れ、カードを投げつけて封印する。

 

「嶋さん…!もうゆっくり休んでいてください…!」

 

(あなた達のおかげで俺は呪縛から解放されました…)

 

(だから今度は俺が誰かを守るために戦っていきます!)

 

変身を解除した睦月は手にしたカードを懐へとしまった─。

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