仮面ライダー剣 Another Ace   作:上川 朔真

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第十二章 覚醒、剣崎 一真

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─四人のライダーはアルビノジョーカーに翻弄されていた。

 

ブレイドの斬撃が空を切り、ギャレンの銃撃はかすりもせず、レンゲルの突きは受け止められ、カリスの矢は弾かれてしまった。

 

「無駄なんですよ。いくらあなた達でも私には到底適いませんねぇ。」

 

アルビノジョーカーが反撃の火球を連続で放つ。

 

直撃する事は無かったが、四人は地面ごと吹き飛ばされてしまう。

 

「つ、強い…!」

 

圧倒的な力の差を見せつけられ、逢瀬(おうせ)が呟く。

 

「ここまで力の差が歴然としているのは面白くありませんねぇ…。」

 

こちらを見下した様子で言う。

 

「手っ取り早い攻略法をお教えしましょう。」

 

「ゲームクリアのもう一つの方法は、そこにいる『ジョーカー』を封印することです─。」

 

アルビノジョーカーが指さしたのはカリス─、(はじめ)だった。

 

「始さんが…、ジョーカー…!?」

 

「貴様!ふざけたことを言うな!」

 

逢瀬が激高する。

 

自分にライダーとして戦うことを説いた始が『ジョーカー』なわけがない─。

 

「いや…ヤツの言うことは正しい。」

 

始自身が逢瀬に制止をかけた。

 

始の身体が禍々しい黒き甲殻に覆われる。

 

それは、四年前も目にした黒いヤツらの親玉─。

逢瀬の親友を手にかけた黒い化け物だった。

 

「…あんたがあの時の!?」

 

驚愕するとともに怒りがこみ上げる。

友の敵─。

 

「あんたはずっと俺を騙していたのか!」

 

激しい怒りで身体が震える。

 

「そうです。その者こそあなたの憎むべき敵、ジョーカーなのです。」

 

逢瀬はブレイラウザーの切っ先をジョーカーに向けた。

 

「恨んでくれて構わない。だが、ヤツの口車に乗せられるな。」

 

「逢瀬、それはお前のやるべき事なのか?お前はなぜ仮面ライダーになったか思い出してみろ。」

 

「俺がライダーになった理由…。」

 

失った友のような存在をつくりたくないから─。

 

そして彼もライダーとして戦っている。人を守るために─。

 

「うああーっ!!」

 

叫び声をあげ、ブレイラウザーを振り下ろす。

 

だがその刃は寸前でピタリと止まった。

 

ブレイドが剣を下ろし、始が再びカリスの姿になる。

 

「ほう…、どうしたのです?」

 

怪訝そうに見つめるアルビノジョーカー。

 

「あなたを許したわけじゃない…!」

 

「けど、俺は自分のあり方を見失っていた…。真に倒すべき相手はお前だ!アルビノジョーカー!」

 

ブレイラウザーをアルビノジョーカーへと突き出す。

 

それに応じて三人もそれぞれの武器を向けた。

 

「なるほど…、そうきましたか…。」

 

「ならこちらも『切り札』を使わせてもらいましょう。」

 

アルビノジョーカーが手にしたのは一枚のカード。

 

そこに描かれていたのは鎖に縛られた青いジョーカー─。

 

「あれは!」

 

「まさか!?」

 

(たちばな)睦月(むつき)が動揺する。

 

「そうです。もう一体のジョーカーは封印しました。」

 

「私を倒せば残るアンデッドはジョーカー一体…再び世界は滅びへ向かいます。」

 

「仲間を見捨てて人類の未来をとるか、仲間のために人類の未来を捨てるか…選んでください。」

 

アルビノジョーカーは悪意に満ちた問いを投げかけた─。

 

 

 

**************

 

 

 

─「いったいここはどこだ…?」

 

薄暗く何もない空間で目が覚める。

 

辺りを見回すが、自分以外には何も見えない。

 

だが、獣のような息づかいが聞こえ、闇の中からなにかがゆっくりと歩んできた。

 

それは青みがかった甲殻を纏った一体の怪物─。

 

全貌が見えると、相手もこちらに気づいたらしく雄叫びをあげる。

 

「グルァァァァァァァ!!」

 

空気がビリビリと振動した。

 

そして、素早く飛びかかってくる。

 

(アイツは…!)

 

飛びかかると同時に右腕の鎌を振るってきた。

 

「くっ!」

 

転がるようにかわし、距離をとると怪物は再び雄叫びをあげる。

 

本能を剥き出しにしているようだが、その雄叫びからはどこか物悲しさを感じた。

 

「そうか…、思い出した!」

 

再度鎌を振るってきたが、それをかわさずに真っ向から向かうと─。

 

鎌がギリギリで止まった。

 

「そうだ…、『お前』は『俺』だったんだ…。」

 

怪物は右腕をおろし、うなだれる。

 

「俺はもう逃げたりしない。一緒に戦ってくれ!」

 

怪物がゆっくりと頷き、辺りが光に包まれた─。

 

 

 

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─アルビノジョーカーがもつカードから青い光が放たれる。

 

「何が起こっているのです…!?」

 

アルビノジョーカーが動揺を見せる。

 

そして、青い光が収束し、人型を形づくる。

傷つき、緑色の血を流してはいるが見た目は普通の人間だ。

 

その人間とは─。

 

「剣崎…!」

 

「剣崎!!」

 

「剣崎さん!」

 

始、橘、睦月が名前を呼ぶ。

 

(つまり、あの人が…。)

 

ジョーカーとなり、世界を救った男─。

逢瀬の命を救った青い鎧の戦士─。

 

顔を上げた男が言う。

 

「みんな…、久しぶり…!」

 

あの人が剣崎 一真─。

 

 

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