二体のジョーカーと各スートのカテゴリーA以外のアンデッドは封印済み
コピーケルベロスは三体とも封印済み
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─ビートルアンデッドが連続して大剣を振るう。
仮面ライダーブレイド=
ブレイドは時折反撃を繰り出すものの、盾で防がれ、逆に強烈な一撃を喰らいそうになる。
完全に攻めあぐねていた。
(真正面からじゃ絶対に適わない…!)
どうにかして隙を突かねば─。
そう思い大きく距離をとると、ブレイラウザーのカードトレイを展開してカードを一枚取り出した。
それをブレイラウザーの側面に空いたスリット『スラッシュ・リーダー』にラウズする。
ブレイラウザーの刃先から青白い
ブレイドがラウザーを真っ直ぐ突き出したのと同時に、激しい雷がアンデッドめがけて駆ける。
だが、アンデッドは動じることもなく剣を一直線に振り下ろす。
雷は真っ二つに裂け、アンデッドに直撃することなく消滅してしまった。
近づいても駄目、飛び道具も駄目─。
こちらの攻撃手段は全て封じられてしまった。
(でも…まだ何か手はあるはずだ)
ヤツの裏をかき、一撃を加える方法が─。
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─市街地でスタッグビートルアンデッドと向き合った仮面ライダーギャレン=
(ギャレンラウザーの火力ではヤツのバリアーは破れない…)
一定の間合いを保ちつつ、牽制としてギャレンラウザーを撃つものの、敵のバリアーによって全弾防がれてしまう。
四年前、ギャレンとして最後に戦った敵、ギラファアンデッドの近縁種であったためその能力は予想できたが、打開策はなかなかうかばない。
ギラファと戦った時は相手が近づいてきたところを強引に拘束し、バリアーの張れない至近距離から銃撃を浴びせるという捨て身の作戦をとっていたが、今回はそういうわけにはいかない。
今変身している姿では、本来の性能の半分ほどしか引き出せていない。
そのため、もし懐に飛び込んだとしても、反撃を受けたらそれだけで致命傷になってしまうだろう。
銃弾が通らないのならば─
ギャレンはラウザーをホルスターに戻し、距離を一気に詰めた。
そのまま拳を繰り出す。
(この距離まで近づいてしまえば、剣で反撃するしかまい!)
思った通り、バリアーは解かれていた。
矢継ぎ早にパンチを浴びせる。
相手の振るった二本の剣をバックステップでかわしつつ、素早くラウザーをホルスターから引き抜く。
バリアーを張る間も与えずにトリガーを引くと、着弾の火花が次々とあがった。
決定打とはならないが、確実にダメージは与えられたはず。
(これならいける!)
再びギャレンがインファイトを仕掛けようとした瞬間─
スタッグビートルアンデッドが何かを投擲した。
ギャレンがそれを認識する間もなく、投擲された何かが炸裂し、爆炎が辺りに広がった。
「ぐああああああああっ!!」
咄嗟にガード体勢をとり、直撃を避けることには成功したが、急激に膨れ上がった爆風をもろに浴びて吹き飛ばされる。
対して、スタッグビートルアンデッドは無傷であった。
バリアーで自身を守りながら、手榴弾のように炸裂するクワガタのオオアゴを模した飾りを投擲したようだ。
見出した活路が塞がれてしまった─。
(しかし…負けるわけにはいかない!)
ギャレンは再びゆっくりと立ち上がった─。
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─『打つ手がない』
一瞬頭に浮かんだ諦めの思考を振り払い、逢瀬は打開策を考える。
頭脳をフル回転させろ─。
全ての知識を動員しろ─。
相手と自分の力を見極めろ─。
そして、逢瀬の脳裏に一つの記憶が浮かぶ。
アンデッドのデータが記された資料。
自分の手元にある十二枚のカードの能力について記憶の底から引きずり出す。
逢瀬はある作戦を思いついた─
(うまくいけば…一撃をたたき込めるかもしれない!)
カードトレイを展開し、四枚のカードを取り出した。
一枚目のカードをラウズする。
ブレイドは低く腰を落とした次の瞬間、高速で駆け出す。
そのままアンデッドに向かって直線的に突き進みながら、二枚目のカードをラウズする。
アンデッドが盾を構え、防御の体勢をとろうとする。
(今だ!!)
『KICK』により強化された脚力で地面を蹴りつけ、大きく跳躍する。
アンデッドの頭上を飛び越しつつ、続けざまに残りの二枚のカードをラウズした。
『LIGHTNING SLASH』
コンボ成立を告げる電子音声が発せられ、ブレイラウザーの刀身から放たれた
跳躍した勢いのまま目の前に迫った建物の壁面に足裏を触れさせ、強く蹴り出す。
弾丸のごときスピードで弾き出されたブレイドは、アンデッドとすれ違いざまにブレイラウザーを真一文字に振るう。
ラウザーの刃先が鎧のような甲殻に触れるのと同時に、激しい
地面に足を押し当てて勢いを殺し、着地する。
「やった…!?」
逢瀬が呟きながら後ろを振り向く。
ゆらりと動き、こちらに歩み出すビートルアンデッド。
「まだやるつもりか!?」
ブレイラウザーを構え直す。
だが、次の瞬間、甲殻に刻まれた刀傷から緑色の体液が勢い良く吹き出す。
そして、吹き出した体液が勢いを失うのとほぼ同時に、ビートルアンデッドが後ろに倒れた。
カシャン、と音を立ててアンデッドの腰のバックルが開く。
多大なダメージを受け、行動不能になった証だ。
「いまのうちに封印を…!」
逢瀬は達成感に浸る間もなく、カードトレイからカードを引き抜く。
他のカードとは違い、本来絵が描かれているべき部分が空っぽになっている『プロパーブランク』を投げつける。
カードが触れた途端、アンデッドの身体が緑色の光に変わり、カードに吸い込まれる。
緑色の光を全て吸い取り、封印を完了したカードがブレイドの手元に戻ってきた。
先程とは違い、カードにはスペードの紋章をもったヘラクレスオオカブトムシが描かれている。
封印を確認し、逢瀬は変身を解いた。
手が小刻みに震えている。
だが、それは恐怖などによるものではない。
「本当に倒せた…!」
心の底から湧き上がった喜びによるものだ。
喜びを噛みしめる逢瀬の身体から急に力が抜け、その場に座り込んだ。
今まで張り続けていた緊張の糸が一気に緩んだのだ。
「俺はアンデッドに勝ったんだー!!」
大声を張り上げ、逢瀬はしばしの間勝利の余韻に浸った─。
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─距離をとれば手榴弾を喰らい、前に出れば鋭い斬撃が繰り出される。
ギャレンは進むのも困難、引くのも困難な状況に追い込まれていた。
耐久性の低い今のアーマーでは相打ち覚悟で攻撃を仕掛けることもできない。
かといって、今のままではジリジリと追い詰められるだけだ。
さっきのようにインファイトを挑んだとしても、同じ手が通用するとは思わない。
(それならば…チャンスを自分で作るのみだ!)
斬撃をかわし、バックステップで間合いを離す。
ギャレンラウザーのカードトレイを展開し、カードを一枚取り出してラウズする。
スタッグビートルアンデッドが手榴弾を投擲する。
ギャレンは手榴弾に狙いを定め、次々と撃ち落とす。
空中で弾かれたそれらは、爆発することなくアンデッドの足下に落下した。
「今だ!!」
ギャレンが一気に駆け出す。
剣の間合いに踏み込んできたギャレンに対し、アンデッドが両手に携えた剣を真横に振り払う。
しかし、鋭く真一文字を描いた斬撃は目標を捉えることなく空を切った。
ギャレンは敵の間合いの一歩手前でバク宙していたのだ。
つまりフェイント─。
宙を舞ったギャレンがラウザーを連射する。
放たれたエネルギー弾はアンデッドの足下─、先程不発だった手榴弾に命中する。
次の瞬間、爆炎が巻き起こり、アンデッドを大きく吹き飛ばした。
ギャレンが先にラウズしていたカードは
相手を石化させる能力が付加された銃撃により、手榴弾は一時的に不発弾となっていた。
そして、能力の効果時間が過ぎたところをラウザーで起爆させたのだ。
カードトレイから三枚のカードを取り出し、連続してラウズする。
「これでとどめだ!!」
『BURNING SHOT』
コンボが発動し、ギャレンは両手でラウザーを構えた。
爆発で吹き飛ばされたスタッグビートルアンデッドが起き上がる。
それと同時にギャレンはトリガーを引いた。
アンデッドめがけて炎の弾丸が殺到し、数十発連続でボディに命中する。
バリアーを張ることもできず、直撃を受けたアンデッドの甲殻に焼け焦げた弾痕がいくつもできあがる。
最後の一発がアンデッドの鳩尾を貫き、焼けついた風穴をあけた。
後ろ向きに倒れたアンデッドが再び立ち上がることはなく、バックルが真ん中から割れる。
ギャレンが
スタッグビートルアンデッドがカードに吸い込まれ、ダイヤの紋章をもつノコギリクワガタムシの絵が描かれたカードとなって手元に戻ってくる。
四年ぶりの戦いを終え、変身を解いた橘の頭にうかんだものは『もう一体のジョーカー』となった男のことであった。
(あいつは─、剣崎は無事なのか…?)
妙な胸騒ぎを抱えながら、橘は愛機、『レッドランバス』に跨がった。
(ともかく、今は目の前の問題を片づけなくては)
(研究所に残った逢瀬も気がかりだ─。うまくやれていればいいが…)
橘は様々な不安を抱えながらも、マシンを走らせていった─。