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─「
どうやらカテゴリー
名前を呼んだ男は
彼もまたカテゴリー
「俺は無事です。橘さん」
起き上がって手に握ったカードを見せる。
「ヤツは封印しました。」
「よくやってくれた。俺も
橘も同じようにカードを見せてきた。
「残り二体はついさっき反応が消えた。誰かが封印したらしい。」
「その誰かって…?」
「心当たりはあるんだが…」
かつて共に戦った三人のうち、二人の顔がうかぶ─。
「橘さーん!」
中庭に立つ二人の元へ一人の若い男が走ってくる。
「睦月か!」
その男は
先程思い浮かべた懐かしい顔だ。
「君がアンデッドを封印したのか?」
「はい。俺が戦ったのはスパイダーアンデッドでした。」
「じゃあ残りの一体を封印したのはまさか…」
「俺だ。」
その言葉を発した青年は
「どうやら何者かがバトルファイトを再開させようとしているらしい…。」
逢瀬は、その青年からなにか妖しく危険な空気を感じ、胸をざわつかせた─。
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─「まずは状況を整理しよう。」
四人の中で最年長の橘が場を取り仕切っている。
「復活したカテゴリー
四枚のカードを机上に置く。
スペード、ダイヤ、ハート、クラブ─。
すべてのスートが揃っている。
「そして、コイツらを復活させたのはおそらく俺と始が聞いた『声』の主─。」
「ああ、ヤツは俺の正体を知っていた。普通じゃないのは確かだ。」
始が続ける。
(『俺の正体』…?)
始もアンデッドを倒したというが、ライダーシステムは三機しか無かったはず─。
逢瀬のブレイバックル。
橘のギャレンバックル。
睦月のレンゲルバックル。
なにか引っかかるものを感じながらも、逢瀬はその疑問を口にはしなかった。
「これは人類の存亡をかけた『ゲーム』…そう言っていたんですね?」
睦月が問いかける。
「そしてカテゴリー
「…俺達だけでは太刀打ちできない。」
睦月の言葉を引き継ぎ、橘が呟く。
辺りは暗い空気に包まれた。
「大丈夫ですよ!ライダーが揃ったんですし、あなた達はアンデッドと戦ってきたじゃないですか!」
逢瀬が言い放つ。
無責任な言葉なのは分かっている。
だが、戦える力をもっている自分達が戦わなければ無力な人々が犠牲になる。
四年前のあの時のように─。
「それに─、力のない人々に代わって戦うのが『仮面ライダー』の使命でしょう!?」
自分を助けてくれた気高き青い戦士─、仮面ライダー。
「四年前…とある男がいたんだ。」
橘がぽつりぽつりと語り始めた。
「その男は、青い仮面ライダー…ブレイドとして戦っていた。」
(青いライダー…まさか…)
「男の名は
「彼が守ったこの世界を壊してはならない…!」
橘が椅子から立ち上がる。
「力を貸してくれ…!」
それに追従し、三人も立ち上がり、それぞれのカードを手に取った─。
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─「逢瀬とか言ったな、ちょっと付き合え。」
始が逢瀬を誘った。
「いったい何の用です?」
「少し質問したい事があってな。」
「お前はさっき仮面ライダーになって戦ったらしいが、その理由は何故だ?」
突然の質問に戸惑いながら答える。
「何故って…、そりゃ戦えるのが自分しかいなかったから…。」
「それに…、もう人が死ぬのは見たくないからです。」
「誰かを亡くしたのか?」
「四年前に親友を…。昔から俺のバカに付き合ってくれる良い奴だったんです。」
「…それが、ある日化け物が出るっていう森で本当に黒い化け物に出会って、俺をかばって死んだんです…。」
「腰を抜かしてるうちに同じようなヤツらに囲まれて『死ぬ』って思った瞬間、青いライダーに助けられました。」
「それから後は記憶がありません。気がついた時には病院のベッドの上でしたから…。」
後悔してもしきれるものではない─。
逢瀬は痛いほど歯を食いしばった。
「そうか…。悪いことを聞いてしまったな。」
「いいんです、ちょっと気分が軽くなりました。」
逢瀬はぎこちなく笑ってみせる。
「俺も四年前に友と別れた。」
「死んだわけじゃないが、もう二度と顔をあわせることはないだろう…。」
─『俺達は二度と会うこともない、触れ合うこともない…。それでいいんだ…。』
始は、寂しげな笑顔で語りかける男を思い浮かべた。
「いいか?橘と睦月もそうだったが、仮面ライダーになることは何かを失うことと隣り合わせだ。」
「俺の友、剣崎 一真は『ジョーカー』となって世界を救った。」
(その名前はさっきの─。)
「すべてをなげうつ覚悟があるならもう一度仮面ライダーになれ。他人を守るために戦うんだ。」
ドクン、と心臓が脈打ち、鼓動が全身に伝わる。
次の瞬間─
「はい!俺、もう一度戦って見せます!」
踵を返した逢瀬は走り出していった。
「フン、ヤツにそっくりだな…。」
(だが、決着は今度こそ自分の手でつけてやるさ…。)
逢瀬の背中にあの男の姿を重ねながら、始は胸中に呟く─。
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─「これでよし、っと…。」
研究所の外に出ていた睦月は携帯でメールを書いていた。
宛先は幼なじみの
送信ボタンを押そうとしたとき、思いとどまる。
このまま戦いが激化していったら、彼女に応えてやれなくなるかもしれない。
なら、戦いを終えてからこのメールを送ろう。
それに、生き残る目的を作って自分を振るい立たせることも必要だ。
メールを保存したまま携帯をポケットに戻す。
その本文に入力された一文は─。
**************
─何者かに追われながら、木々の隙間を走り抜けていく。
先刻四つの気配を感じ、マシンをしばし止めていたときに攻撃を受けたのだ。
たまらず森へ逃げ込んだが、追跡者はさらに火球を後方から撃ちだしてきている。
逃げ続けても状況が好転するとは思えないが、脚を止めている暇はない。
(せめて広いところを探してヤツを誘い出す…!)
そう思った瞬間、先程よりもはるかに巨大な火球が背後から迫ってくる。
なんとかかわしたものの、着弾の衝撃によって辺りの木々ごと吹き飛ばされて地面を転がる。
辺り一面が焼け野原となった。
立ち上がって火球の放たれた方向を見やると、一つの影が木立の奥から伸びている。
木立を抜け、露わになったその姿は─。
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─四人は再び集まり、対策会議を行っていた。
その時、四人の頭の中に声が響く。
〈どうやらカテゴリー
「この声は…?」
逢瀬がうろたえる。
「さっきと同じ声だ…!」
橘がうなる。
〈少々見くびっていたかもしれませんね…。あなた達人類の実力を。〉
〈それでは第二ステージへ進みます。今度はカテゴリー
「カテゴリー
アンデッドの中でも最強クラスの力をもったカテゴリー。
バトルファイトの優勝に最も近いとされる四体のアンデッド。
〈東西南北のそれぞれに一体ずつ配置し、一対一で戦ってもらいます。〉
「それが終わったら貴様を探し出し、倒させてもらうぞ…!」
始が敵意を剥き出しにする。
〈いいでしょう。あなたがたがカテゴリー
あざ笑うような態度でいう。
「ふざけているのか!」
睦月が激昂する。
〈私は楽しみにしてますよ、人類のさらなる進歩を─。〉
声が消えると同時にアンデッドサーチャーが鳴り響く。
マップ上に浮かんだマーカーは四つのカテゴリー
「よし、直ちに向かうぞ!」
各々がカードとベルトを手に取る。
研究所の外へ飛び出そうとする橘。
「橘さん!」
逢瀬がそれを呼び止める。
「俺ももう一度戦います!」
「わざわざリスクを背負ってまで君が戦う必要はない!」
「でも…今ブレイドになれるのは俺だけなんです!それに仮面ライダーになることが誰かのために大切なものを失うことなら、俺はすべてをなげうってもいい!!」
「そうか…、なら止めはしない。必ず勝ってくるんだ。」
「ありがとうございます!」
「この地下のガレージにバイクがある。それを使え!」
部屋から駆け出し、逢瀬は地下へと急いだ─。