TSして触手産卵ゲーのマゾメス堕ちロリ女神になった 作:ハリケーン
―――――エルピス(割とノリノリである)とレヴィアタンを母胎に戦力の強化に成功したユーリ一行は、アイリスの神器『ゼピュロス』の力を使ってノースランドの首都『ヴェータリス』に来ていた。
「――――なんというか、賑やかだな……」
一時的にアイリスによる温度調節が機能しなくなったことで、久方ぶりの雪に子どもたちは喜んで駆けまわり。大人たちはやや心配そうにしながらもアイリスの姿を見ると感極まった顔で拝み始める。
街そのものの規模もイーストランドに負けず劣らず。
特産の魔鉱石を用いた外壁はクリスタルのように輝き、まるで溶けない氷の城ような不思議な光景にエルピスが目を輝かせる。
「おお、アイリス様が無事にお戻りになられたぞ!」
「流石はアイリス様じゃ……」
「我らが守護女神様! 万歳!」
「「「万歳! 万歳!! 万歳!!!」」」
「いや賑やかすぎるだろう!?」
都市が震えるレベルの万歳三唱に思わずツッコミを入れるユーリだが、アイリスとユースティアは見慣れているのか特に感慨もなく手を振ってサービスなどしている。エルピスは一緒になって「ばんざーい! わーい!」とはしゃいでいたのでユーリは他人の振りをすることにした。
「さて。出撃準備はどうですか?」
「はっ。我ら
空を裂いて飛翔、翼を持ち魔鉱石の鎧を身に着けた天族の集団が約100人。原作の30人よりも大幅に拡充されたその部隊こそ、女神アイリスが信用し、共にカーディナル様を信望する同志である――――はずなのだが。
(いやこれ本当にカーディナル信者か?)
静かな、しかし凄烈な熱を秘めた目でアイリスを見つめる部隊の者たちは、ユーリからするとどう見てもアイリス個人を信望している……心酔しているように見える。
「宜しい。
「「「「承知いたしました!!」」」」
第二部隊、と呼ばれた天族ではない者たち―――よく見ると天族も混じっていたが――――一見すると第一部隊に天族を集めて優遇しているかのようだがシンプルに機動力があるかないかで分けているのだろう。わざわざ労わるように第二部隊に声をかけるアイリスの表情は信頼に満ちている。
「それと、ユースティア姉さまは置いておいて彼ら――――ユーリ・アスモデウスとエルピスは私の客人です。異議があれば、今のうちに受け付けます」
「「「「「ございません!! 我ら、アイリス様の矛にして盾なれば!!」」」」」
「……えっと、自分で言っておいてあれですが本当にいいんですか? 一応魔王ですけど……」
「アイリス様のご客人であれば、例え魔王であろうとも歓迎いたします!」
「一応とか言うな」
「ふっ。悔しかったらもうちょっと魔王らしくなって見て下さいねー」
アイリス様に無礼な! とか言われるかとユーリは一瞬懸念したが、アイリスが気にしていない様子と見るや騎士たちは沈黙を選んだ。
これなら平気か、と魔装『ヘルヴィム』の能力で隔離空間に入れてある魔物――――さきほどレヴィアタンに産ませたゴーレムを出し。
手のひらサイズだったゴーレムは周囲の土を巻き込んでぐんぐん大きくなる。
「土のゴーレムですか? ……せっかくなら魔鉱石とかにしません?」
「は? いや、そう簡単に―――」
魔鉱石はマナを秘めた貴重な鉱石であり、神力や魔力に対して高い耐性を持ち。物理的にも鋼より丈夫でしなやかという夢の素材である。が、その分貴重で高価である。
「ウチの特産品は魔鉱石ですよ? ……外装くらいなら――――いけるかな? やっぱり無理かな……レイナー」
「はい、アイリス様。ただいま用意させています」
アイリスが呼んだかと思うと即座に飛んできたメガネをかけたグラマラスな秘書風の女性、レイナは天族の証である翼を畳んでアイリスの前に跪きつつそう答え。
「場所は?」
「工房です」
「じゃあ私が」
さすがに運ばせるよりゼピュロスで瞬間移動した方が面倒がない。アイリスがそう考えるのを見越してかわざわざ運ばせはしなかった己の腹心にアイリスも満足しつつワープして。すぐに虹色に煌めく水晶のような魔鉱石を大量に転移させてきた。
「さあユーリ、これで最強の魔鉱石ゴーレムを作りましょう!」
「……なんかお前、やけにノリノリじゃないか?」
「魔鉱石ゴーレムですよ!? 一度はやってみたいじゃないですか!」
「まあそれはそうだが」
幾らかかるんだ、これ。
そんな思いが顔に出ていたのか、レイナとやらがメガネをあげつつ言った。
「アイリス様がお望みであれば、何体分であろうとも捻出しますのでご安心を」
「それは逆に安心できないが!?」
「レイナ、無理な供出は駄目ですよ?」
「無論です。アイリス様」
「ところでユーリ、このゴーレムの外観って弄れます?」
「え? いやまあできるが」
「じゃあこういう頭にしてください! ガン〇ムヘッドに!」
「いや誰だよガ〇ダム」
「ちょっと待ってくださいね、確か前に作れないか書いたラフ画が……」
アイリスが消えたかと思うと、やや粗いデッサンみたいなものを見せてくる。V字の飾り、目みたいな部位……。
「まあできるが……何の意味が?」
「趣味です」
「……趣味か」
「趣味です」
「―――――さて、では総員傾聴」
アイリスが声をかけると北方教会騎士たちが綺麗に整列し。なぜかエルピスもそれを真似してピシッと構える。
「これよりセントラル――――カーディナル様と『傲慢』の魔王ルシファーの戦いに介入し、徹底的に嫌がらせをします」
「嫌がらせなのか……」
「総員、C装備で準備!」
「ハッ。C装備、準備完了しております!」
「では、総員手を繋いでこちらに私は……えっと、エルピスとユースティア姉さまで」
ぎっちりと騎士に囲まれる圧が凄いが、恐らく転移の負担を減らすためなのだろう。密集陣形を取ると「じゃあ行きますねー」というアイリスの緩い掛け声で3回ほど景色が切り替わり、遠目にグングニルの雷鳴が見える位置まで来てアイリスが号令をかける。
「さて。――――では第一小隊は私と共に。ほかの部隊は各自小隊長の判断に従って下さい」
「「「ハッ!!」」」
「ユースティア姉さま、とりあえずひと当てして様子を見てくるのでユーリと待機していて下さい」
「うん。気を付けてね、アイリス」
―――――――――――――――――――――
「―――――ええい、しつこい!」
「貴様こそ、そろそろくたばるがいい―――!」
グングニルとモーニングスター、超破壊力の両者が戦う戦場は拮抗状態にあった。
下手に全力でモーニングスターを使うと自分ごとエデンを破壊して終了になりかねない(その場合魔界の英雄にはなれるがそんな自己犠牲精神はない)ルシファーと、モーニングスターの破壊力を活かさせないために常にグングニルを乱射する必要があるカーディナル。結果的に乱射されるグングニルと、それを防ぎつつ時折モーニングスターを放つルシファーという構図になっていた。
そんな中、転移してきたアイリス――――先だっての膝カックンもあって即座に警戒を向けたルシファーだったが。それを嘲笑うかのようにアイリスの周囲から複数の騎士が飛び立ち。
「撃てぇっ!」
「なっ――――!?」
放たれたのはトリモチ。それも顔面を狙って四方から斉射されたそれが顔面に張り付き――――魔力を漲らせて即座に吹き飛ばそうとするルシファーだが。
「んぐっ、んぅ―――――!?」
「無駄ですよ。それは魔鉱石を練り込んだ特製トリモチ――――多少の魔力程度でどうなるものでもないので。あ、モーニングスターで自分の顔を殴ればとれると思いますけど。ねえ今どんな気持ち?」
そのほかにも、べちゃべちゃと身体に色々なものが投げつけられるが回避どころか呼吸もままならない。
「んぐぅぅぅううう(貴様ァアアアアアッ)!!」
「はい総員退避!」
「「「ハッ!!」」」
嫌がらせに矢を放ったり槍とかを投げつけるが、まあそもそもの頑丈さが違うルシファーには大したダメージにもならない。ゼピュロスで転移して逃げかえるアイリスたちに、残されたルシファーが受けるものは一つだけだ。
「受けるがいい―――――グングニル!」
雷の連射ではなく、槍本体の投擲――――雷を伴って射出されるその速度は、槍が赤熱し流星の如く。
辛うじて防御の構えを取ったルシファーだが、その凄まじい破壊力を目つぶしされた状態で受けきれるわけもなく、地面を凄まじい勢いで無様に転がっていく。
衝撃でトリモチが取れたその顔は憤怒に染まり、神力の気配でアイリスに狙いを定めるとモーニングスターを放とうと――――。
「んっ!? き、貴様――――何を入れた!?」
「えー、私しらないけどぉ? ユーリ君知ってるぅ?」
「いや、俺はスライムをくれって言われただけだが」
スライムなんて所詮下等生物。魔力をちょっと流せば弾け飛ぶ雑魚に過ぎない。
が、魔鉱石を混ぜた魔鉱石スライムはちょっとした魔力耐性を持つ。
ルシファーの、女性としてとてもデリケートな部分に張り付いたスライムは魔力を吸おうと蠢き、そして当然のように完備している媚薬効果とあわせて快感を与えてくる。
「き、貴様らぁ…! 殺す! 絶対に殺す!」
「あれー、内股で何を我慢してるのー? おしっこでちゅかー?」
「フンッ!」
ルシファーが全力で魔力を漲らせ、あっけなく散るトリモチとスライム。
そしてスライムが体内で弾けたことで嫌がらせに含まれていた利尿剤やら下剤やら媚薬やらが撒き散らされた。
「――――ふ、ふぐっ…………ゆ、許さん……よくも私を……コケに……」
「えいえい。怒ったぁ?」
転移して嫌がらせとばかりに腹をゼピュロスでつっつくアイリスに、般若の形相になるルシファーだが、もう内股でぷるぷると震えるばかりで大した反撃もできない。
そしてそこに、ダメ押しのグングニル二発目が着弾した。
凄まじい轟音と共に、色々な液体をまき散らしてルシファーが吹き飛ぶ。
雷に焼かれた、なんとも言えない凄まじい形相で、しかしルシファーは悪魔の翼を広げてゲートでの逃走を選んだ。
「ざーこ! ざーこ! 漏らして逃げる『傲慢』―――『ゆるまん』の魔王!」
「~~~~~ッ! 殺す! 絶対に殺す! 生きていることを後悔させてやる!」
「え、これより恥ずかしい目があるの? こわーい」
「」
最早ルシファーは無言だったが、これ以上何かされてはたまらないとばかりに逃走。
それを見て「ふっ、勝った」と呟くアイリスにユーリは「魔王より魔王だよコイツ」とちょっと恐怖した。