TSして触手産卵ゲーのマゾメス堕ちロリ女神になった   作:ハリケーン

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交易都市にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――――私が信じるのはカーディナル様のみ――――従わぬのならば、裁くまでです』

 

 

 

 

 

 夢を見ていた。

 女神アイリス―――――厳格にして冷徹な、信仰の女神。

 信じるもののみを救い、信じないものを裁く。

 

 

 

 

『――――天の裁きを!』

 

 

 

 

 無垢故に固い信仰。

 それは彼女の生まれに由来するものであり――――。

 

 

 

 

 

 

 

『――――例え貴方が何をしようと、私の信仰が揺らぐことはありません』

 

 

『それもカーディナル様の下される試練――――耐え抜いて見せます』

 

 

『んほぉぉおおおお!? らめぇ、いたいの気持ちいいのぉおおおお! ぉぉぉお!! 卵きちゃうぅぅぅ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――目が覚めた。

 

 

 

 

 最悪の夢見に、嫌な寝汗がぐっしょりと背中を濡らしている。

 実現するかもしれないと思うと嫌すぎる……鞭打ちでしょ、触手で体内貫通でしょ、ガチで熱い蝋燭プレイでしょ、電撃調教でしょ、そして主人公の選択肢次第では殴打されすぎて血尿垂れ流しながらイくルートもある。

 

 

 せめてマトモなプレイにしてくれないだろうか…。いやそれでも嫌だけど。

 女神だけあって身体も精神も丈夫という設定らしいが、今の精神は常人なので普通に死ねる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、とりあえず当面の問題は序盤の難所であるユースティア姉さまとの対決であろう。多くのプレイヤーはシステムが分からないが故に苦戦を強いられる場所であり――――デバフを撒けるユーリと、バフを撒けるエルピスを上手く扱えるかどうかが命運を分ける。

 

 ユーリ君は基本的に殴り合うキャラじゃないけど前線にはいないといけないとかいう、絶妙なコントロールが要求される。ちなみにエルピスはバフ範囲が広いのでそれほど前に出なくていいが、その分攻撃はてんでダメなので注意が必要。

 

 

 

 

 ユースティア姉さまは全スペックが高く、高水準にまとまったバランスキャラであり。神器『アストライア』も敵集団に対して大ダメージと非常に使いやすい。ユースティア姉さまとユーリがサシで殴り合うと2ターンで死ねる。ちなみにユーリソロなら倒すまで5ターン掛かると言えば戦力差が分かりやすいだろうか。

 

 基本的に女神はメタ張らないと勝てない設計なのだ。

 

 

 

 

 そのため水攻撃に耐性がある、スライムやマーマン系のユニットで固めるのが基本になる。特にスライムは低コストのくせに水ダメージ9割カット、物理1/4と対ユースティア姉さまでは超優秀な盾なのだ。……それをアイリス戦でもやろうとして一瞬でパーティーが崩壊するところまであるあるなのだが。

 

 基本的に女神は味方になっても弱体化することはないので、女神を仲間にさえできれば一気に楽になる。

 

 まあユースティア姉さま以外はそう簡単に仲間になってくれなくて、ある程度調教を進めないといけないのだが。それまではエルピスを存分にんほらせて下さい。

 

 

 

 

 アイリスとか、メンタル圧し折らないと仲間にならないからね。そこはなっとこうよ、ゲームだし……とか言いつつプレイヤーの時はちょっと興奮した。今は勘弁してほしいと思っている。

 

 なので捕まえたら限界まで産卵母胎として酷使しまくってメンタル圧し折れるまで虐め抜くことになる。………本当に勘弁してほしいなぁ…。

 母胎として酷使すると、SLGパートで衰弱状態になり弱体化するのだが仲間にならないなら関係ない。SOUL値を削りすぎて発狂するとそれはそれで特殊なユニットになってしまうので加減が大事なのだが。

 

 

 

 いや、待てよ。

 どう見ても初心者ムーブなユーリを見ていると私を発狂させてきそうな嫌な予感がひしひしと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というか本当にユーリは何してるんだ。

 母胎がエルピスしかいないんだから四六時中んほらせてスライム軍団を生成しないといけないのに呑気に二人旅(コボルトとコボルトメイジがお供)とは……馬鹿なの死ぬの?

 

 ゼピュロスのワープ能力のお陰で仕事しながら見張れてるけど、私死ぬほど忙しいのだが? 国主ぞ? 三権分立どころか中央集権・専横無尽なお大尽よ? 何が悲しくて書類に忙殺されながら定期的にワープして野郎の観察をしないといけないのか。

 

 

 なんでこんなのに世界の命運委ねられちゃったのか。

 ええい、私に代われ! 難易度ナイトメアまではクリアしてるから! 真の精鋭たる変態猛者たちには敵わないけど初心者プレイヤーよりは……私が一番上手く触手を使えるんだ!

 

 

 

 

 まあ人助けしたりとカオス値(行動によって左右される鬼畜度みたいなもの)が低そうなのはいいことだけど。高いと人格排泄とかしてくるし……。

 

 後はカーディナル様の神殿にアヘってるアイリスを石像にして飾って尊厳破壊するとか……いやまあ今の私はノーダメだけど。アイリスの声優さんのガチ泣き演技がね……ふふ……。

 

 

 

 

 

 

 さて、実のところカーディナル様(小)は記憶が完全ではない。

 うっかりプレイヤーがカーディナル様(大)にすると覚醒して真ルートに突入するのだが、それは一旦置いておいて。

 

 まあ何が問題かと言えば天族びいきの法律だったり、特権階級意識だったり、貧困層の存在だったりとカーディナル様(小)は完全無欠とは言い難いのである。原作アイリスに言わせると『それもまた試練』らしいが。現代人の感覚で言うとクソである。

 

 酷いことするつもりでしょ、エロ同人みたいに! エロ同人みたいに! というので本当にエロ同人みたいな展開をお出ししてくるのがこの世界だ。

 

 アホの首を物理的に切り、信頼できる部下に立場を与え、重要な仕事は自分で処理する。多少睡眠が減ろうが疲労なんて問題なし! 何故なら私は女神だから! アヘらされるより万倍マシ!

 

 

 富国強兵! 国造りシミュレーションたのちい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「――――『正義』の女神ユースティア、か」

「はえー。すっごい都市ですねぇ」

 

 

 

 

 水路が張り巡らされた純白の都市――――交易都市ジェノヴィア。ユースティアの擁するいくつかの都市の中でも有数の――――ただし首都ほどではないらしい――――大きさを誇る湾港都市。

 

 

 コボルトたちは都市から離れた場所に隠し、見た目は人族と大差ないユーリとエルピスはそのジェノヴィアに潜入していた。人が多すぎてあまりにも容易く。

 

 

 

 

 

「交易の女神でもあるらしいが、これは納得するしかないな」

「ひ、人がいっぱい……あ、飴ちゃん売ってますよ!」

 

 

 

 

 ユーリは頭が弱い疑惑のあるエルピスの首根っこを引っ掴んで迷子にならないようにしつつ、慎重に都市を見分していく。見分して……。

 

 情けない顔で指をくわえて屋台から目を離さないエルピスに溜息をひとつ。

 

 

 

「あめちゃん………」

「はぁ」

 

 

 

 はした金でこの阿呆が静かになるなら必要経費か…。

 そう思い、屋台に向かうと途端にエルピスの顔がぱあっと華やぐ。

 

 

 

 

「すまん、おやじ。一つコイツにくれ」

「すごい! リンゴの飴ちゃんです!」

 

 

 

「おお、そりゃアイリス様の領土から流れてきた最新作だよ。お嬢ちゃんも運がいいね」

「んぐっ。んんんんー。んむむむむむむま!(おいしいー。すごいですよこれ!)」

 

 

 

 

 思わぬ名前に、冷たい紫水晶の瞳をした人形のような女神を思い出しつつユーリは僅かに屋台に身体を寄せた。

 

 

 

「……アイリス様は『信仰』の女神だと聞いたが。商売もやってるのか?」

「あの方は何でもなさるからなぁ……。ワシらからするとユースティア様こそ最高の女神だ! と言いたいところじゃが、アイリス様の偉大さも否定できん」

 

 

 

 

 言うまでもなくカーディナル様は別だが。と付け加える屋台のおやじにもう一個分の代金を支払うと、嬉しそうに語ってくれた。

 

 

 

 

「毎度! まあ色々あるがね、誰が言ったか『最も信仰に挑んでいる女神様』なんて言われたりもしとる。鼻持ちならない一部の天族も、容赦なく裁いて震え上がらせてるって評判よ」

「……信仰って挑むものなのか?」

 

 

 

「『信仰にも解釈の余地はある』のだとかで。ワシらが言えば異端だがね、あのお方がおっしゃるのなら真実よ―――――人を救い、大地を救い、経済を救った慈悲の女神アイリス様! もっとも貧しく、信仰に縋るしかなかったノースランドを救ったお方じゃ」

 

「へぇ。すごい方なんだな」

 

 

 

 

 

「神器で大地を耕し、風車を回し――――神器を農具にするのかと言われたアイリス様の『いいえ、ただ人を救うための行いです』って返しはここらなら子どもでも知ってるよ。あんたら随分と田舎から出てきたんだな」

 

「まあ、そうだな。そうか、神器で……神器で……耕す?」

 

 

 

 

 魔王からすると魔装で耕すようなものだろうか。

 ……アスモデウスの魔装は種付け触手なので、まあ耕せなくもない……が。そもそも別の用途で使うという発想は無かった。

 

 

 

 

「ん~~~! むももももももも~~(この味もいいですよ~~)!」

「……おやじ、もう一個」

 

「毎度! 天族はカーディナル様に近い血筋ってのは知ってるよな? だから法で裁けねぇふてぇ野郎が大勢……まあ、それなりにいるわけだが。アイリス様は『身内の恥』として容赦なく処断なされる。それも、あのお方はいつ何時現れるか分からないお方だからな」

 

「ああ……神器で瞬間移動ができるとか……」

 

 

 

 

 

 

 つい先日、盛大に驚かされたばかりである。

 思わず口を突いて出た言葉に「そんなことは知ってるのか」とちょっと怪訝そうな顔をされたが、緩い顔で飴を3つも舐めているエルピスのお陰で必要以上に怪しまれた様子もなく。

 

 

 

 

「ついこの前、お姿を拝見してな」

「ほー! そりゃおめぇ、幸運の女神様だな」

 

 

 

 

「………ま、確かに」

 

 

 

 

 己の力不足でエルピスが陵辱されるところを救われた、のは事実である。まさかの多数決で処刑されそうになるとは思わなかったが。

 大変遺憾ながら、力が弱くて魔王だと気づかれなかったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

(……今は、まだ)

 

 

 

 

 

 

 敵いそうもない相手。

 だが、いずれは必ず―――――。

 

 

 

 

 そのための鍵であるエルピス(アホ)は次の味の飴を物欲しそうに見ていた。

 ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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