TSして触手産卵ゲーのマゾメス堕ちロリ女神になった 作:ハリケーン
持病の鬱が悪化しまして…。
感想投げていただいたお陰で辛うじて致命傷で済んでるんですが暫く更新がものすごく遅れると思います。すみません。
―――――ユーリが気が付いた時には、周囲は闇に包まれていた。
薄っすらと月明りが照らす中、ベッドのすぐ近くの椅子で書類を読んでいた銀髪の少女が、暗闇でも輝いて見える紫色の瞳を瞬かせて柔らかく微笑んだ。
「よかった。目が覚めたみたいですね」
「………誰だ?」
普段の印象と違いすぎて思わずつぶやくと、ジト目で睨まれる。
どうやら本物らしい。
「……人がせっかく心配して看病してあげたのに……」
「いやまあそれは……ありがとう。けど普段と態度が違くないか?」
少女――――女神アイリスは、「まあ今はキャラ作ってないですからね」とあっさり言って肩をすくめた。
「お茶でも飲みます? 一応よく冷えた果汁なんかもありますけど」
「果汁…?」
「気になるなら、どうぞ。割と自信作ですよ」
「……もらう」
一瞬でアイリスの姿が消え、数秒で再び現れる。
木製のコップを差し出すアイリスの表情は、見た目相応というか毒気がないというか。自信作というだけあってどこか自慢げだった。
「ちなみに、ぶどうとリンゴならどっちがいいですか?」
「……オススメで」
「じゃあリンゴジュースをあげましょう。ぶどうだとワインと大差ないですからね」
言われ、甘い香りのするジュースに口を付けるとすっきりとした芳醇な果物の味と、ひんやりとした心地よい冷たさが乾いた身体に沁みるようで。
「うまいな」
「でしょう?」
しばしの沈黙。
静かにジュースを飲み干すと、アイリスは小さく頭を下げた。
「……その、ありがとうございました。割と無理はしてたので、ユーリのお陰で助かりました」
「俺も正直、一人だとしんどかったからな。こちらこそ、ありがとう」
「ちっ。イケメンめ、モゲロ」
言っている内容はともかく、普段と違って柔らかい言い方のアイリスはやはり新鮮で。
「そうしてた方が可愛いんじゃないか?」
「――――……はぁ……」
なんかものすごい重い溜息を吐かれた!?
「ユーリ、自分が言われて嬉しくないことを人に言うものじゃないと思いませんか?」
「どんだけ可愛いのが嫌なんだよ……」
「私、女神ですが? そのへんの幼女と一緒にしないで下さい」
いや自分の見た目を考えろよ、と内心で思ったのが伝わったのか精一杯威厳あるトゲトゲしい態度を取るアイリスが威嚇する小動物に見えなくもない。
「やはり魔王とは分かり合えないようですねー」
「女神とはやはり世界が違うかー」
「ふふっ」
「ははっ」
「ユーリは可愛いですね」
「……………男に言うセリフじゃなくないか?」
「嫌がらせですからね」
「……分かった。俺も言わない」
「物分かりが良くて助かります」
「ああ、アイリス―――――今日は一段と綺麗だな」
アイリスはそれを聞くと一瞬目を見開いた後、素足で虫でも踏みつけたかのような物凄く嫌そうな顔をして。
「帰っていいです?」
「本当に嫌なんだな。悪い、気を付ける」
「はぁ、まあ分かれば良いですけど」
「じゃあなんて褒められるのが嬉しいんだ?」
「…………………優しいな、とか? 真面目だな、とか?」
「確かに優しくて真面目で慈悲深い女神って評判だもんな」
「それほどでもあります」
あっさり機嫌を直したアイリスに安堵すると、アイリスは真面目な顔になって言った。
「ところで、体調に変化は? あんなよく分からない姿になったんです、何かしらの異常があるかもしれません」
「ん? ああ……身体が少し怠い感じはするが……その程度だぞ?」
「うーん、ならいいんですけど……スルトも大人しくしてます?」
そんなことを言いながら、無防備に近づいて額に手を当ててくるアイリス。
先ほど飲んだ果実ジュースとは別の甘い香りが漂ってきて、己の中の『色欲』が湧きだすのを感じるが気力でねじ伏せる。
「……さすがに無防備すぎないか?」
「ふふっ。反撃の準備は万端なので」
にやり、と笑うアイリスの手には神器『ゼピュロス』。
どうやら囮だったらしい。
「こわっ」
「誘ったけど来ないということは、本当にスルトは平気みたいですね」
「あっ、本当に試してたのな」
「もちろん。私なら自衛できますけど、他の子を襲われると面倒ですし。ユースティア姉さまとかがスルトに襲われるのもNTR……解釈違いなので」
「解釈違いとは」
「異端審問?」
ちなみに異端審問は火あぶりである。
「物騒すぎる!」
「仕方ないんです。私、敬虔なる純愛教の信徒なので」
「お前の主神カーディナルじゃなかったか!?」
「サブ宗教です」
「サブ宗教!? メインとサブがあるのか!? そっちの方が浮気じゃないのか!?」
「ユーリ君だってメインウエポンの他に股間に剣をぶら下げてるじゃないですか」
「おい女神」
「え、そっちがメインなんですか? すみません、言われてみれば確かに……」
「おい」
そんな風に屈託なく笑うアイリスを、ユーリは軽く抱きしめる。
「お前はもうちょっと自分が魅力的だって自覚を持て」
「…………男に抱きしめられて喜ぶ趣味はないんですけど?」
「俺が抱きしめたかった」
「はぁ………まあ助けてもらった借りはこれでチャラですよ」
てっきり反撃されるくらいは覚悟していたのだが。
アイリスは深いため息を吐いただけで。
「いいのか」
「まあ、あれだけ無茶をすれば疲れるでしょう。ユースティア姉さまにも毎日抱き枕にしたいと褒められた身です。少しだけなら許しましょう」
言われ、確かに全身がとんでもなく倦怠感に包まれていることをようやく自覚する。
見た目相応の、ぽかぽかと温かいアイリスの体温に誘われるように瞼が重くなる。
「お休みなさい――――せめて今くらいは、よい夢を」