目覚めたらフラウ・ボゥだった件~知識ゼロだけど破壊されるはずだったガンダムに乗せられて一部の皆さんにしごかれる~   作:T9816

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第1話:目が覚めたら美少女、外は戦場

「はぁ〜、よく寝た。今日も1日頑張りますか!」

布団から起き上がって、伸びをする。……あれ?

自分の声が、やけに高い。鈴が鳴るような、可愛い女の子の声だ。

それに、体が軽い。というか、全体的に小さい気がする。

「……待て。あるべき物がない!!」

股の間が、すーすーする。胸のあたりが、ずっしり重くて揺れている。

パニックになりながら、鏡の前に駆け込んだ。

「……べっぴんさんだな。って、感心してる場合か!」

鏡の中には、明かるい茶色の髪色の短い髪をした、高校生くらいの美少女がいた。

俺は、俺じゃない。誰だこれ。

ドバァーン!!

突然、近くで耳をつんざくような爆発音がした。

床が跳ね、窓ガラスがガタガタと震える。

「ひっ……!? ミサイルか!?」

外からは、逃げ惑う人々の悲鳴と、サイレンの音が聞こえてくる。

『避難してください! 各員、ただちに指定のシェルターへ!』

放送の声が響く。一刻も早く逃げなければ死ぬ。

外へ飛び出すと、家のすぐ近くで老人が二人、倒れて死んでいた。

「誰だか知らんが……ごめん、助けられない!」

今の俺には、自分の命を守るだけで精一杯だ。

必死に走って、シェルターの入り口にたどり着いた。

そこには、一人の少年が立っていた。

「よう、フラウ。お前も早く中に入れよ。俺もすぐに行くからさ」

フラウ? 誰だ、俺のことか?

このくすんだグレーのような髪の少年は誰だろう。知り合いみたいだけど、全然知らない。

でも、今は聞いている余裕なんてない。

「あ、ああ……わかった!」

俺は高い声でそう答えると、転びそうになりながらシェルターの中へ逃げ込んだ。

 

シェルターの中は、避難してきた人たちの熱気と汗の臭いで充満していた。

「……はぁ、はぁ……息苦しい。」

狭い空間に押し込められ、酸素が薄くなっていく気がする。

ドォォォォン!!

外では、さっきよりも大きな爆発音が鳴り響いている。

そのたびにシェルターの壁が震え、天井からパラパラと砂埃が落ちてくる。

周りの民間人たちも、顔を真っ青にしてガタガタと震えていた。いつここが直撃を受けるか、生きた心地がしない。

そんな絶望的な空気の中で、一人だけ場違いなほどリラックスしている男がいた。

さっき俺を「フラウ」と呼んだ、あの青っぽい髪の少年だ。

「へへっ、そんなに怯えんなよ。こんなの、数時間もありゃあすぐ終わるって。連邦のモビルスーツが、あっという間に片付けてくれるさ」

彼は壁に背中を預けて、鼻歌でも歌い出しそうなほど気楽な雰囲気を出している。

「……数時間、で終わるの?」

俺は震える声で聞き返した。自分の声なのに、あまりに高くて可愛いから一瞬戸惑う。

中身は男の俺だって、本当は「大丈夫だ」と強気でいたい。でも、鳴り止まない爆発音と、この華奢な女の子の体が、恐怖を何倍にも膨らませていた。

「ああ、間違いないね。ま、フラウはそこで大人しく震えて待ってな」

カイと呼ばれたその男は、ニヤリと意地悪そうに笑った。

……本当に、すぐ終わるんだろうか。

俺の嫌な予感は、その直後に起きたさらなる巨大な衝撃によって、現実のものとなった。

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