目覚めたらフラウ・ボゥだった件~知識ゼロだけど破壊されるはずだったガンダムに乗せられて一部の皆さんにしごかれる~ 作:T9816
夜の砂漠は、死の静寂に包まれていた。だが、その静寂は突如として、天から降り注ぐ冷酷な光によって引き裂かれた。
「さあ、ホワイトベース隊の諸君。今夜のメインディッシュ、**『連邦の魔女の丸焼き』**をご賞味あれ」
マ・クベの懃懃無礼な声が、ジャックされた全通信回線に響き渡る。上空に浮かぶ円盤――アッザムのサーチライトが、漆黒のガンダムを「舞台上の生贄」として照らし出した。
「ナビゲーターより各機へ! 敵、急速接近! ……なっ、何この通信ノイズは!?」
「あはは! 綺麗だよ黒いガンダムのパイロット、焼ける匂いがここまで届きそうだ!」
アッザムから放たれた電磁波の檻――「アッザム・リーダー」が機体を包囲する。紫色の放電が装甲を焼き、コックピットの温度は一瞬で数百度へと跳ね上がった。
「……あへ……あはは! 熱い……熱いよ、リーダー! 俺(フラウ)の身体も、一緒に溶けちまいそうだ……あへあへあへ!!」
ブリッジのスピーカーから流れる、吐息混じりのフラウの断末魔。マイクが拾いすぎたその官能的ですらある悲鳴に、アムロたちは凍りついた。
(……おい、何だこの感覚!? 電磁波で神経がイカれたのか……? 苦しいのに、熱いのに……指先が、トリガーから離れねえ! ……あははっ、もっと焼け! もっと俺を、熱くしろォ!!)
「マッシュの仇だ! 貴様だけは……刺し違えてでも地獄へ連れて行くッ!!」
炎上する檻の中へ、ガイアとオルテガの高機動型ザクが突っ込む。ドムを失った彼らが選んだR型ザクは、ピーキーすぎる出力に機体各所から火花を散らし、装甲を自ら削りながら「残像」を引いて加速する。
「死ぬのは俺たちの機体が先か、貴様の首が飛ぶのが先か……賭けようぜ、魔女ッ!!」
二機による超高速旋回――『ツイン・ストリーム』。ガンダムの死角を常に埋め、ビーム・サーベルの挟み込みで「物理破砕」を狙う。対するフラウは、リーダーのワイヤーに絡め取られ、操り人形のように強制的に踊らされていた。
「オルテガ! 仕留めるぞッ!!」
リミッターを解除したR型ザクのモノアイが赤く燃え上がる。至近距離、オルテガの凶刃が迫る瞬間――。
「あははははッ!! 隙だらけだぜ、オルテガァ!!」
檻の出力が弱まった一瞬、黒いガンダムが咆哮を上げた。センサーは死んでいる。だが、虚空を見つめるフラウの「あへあは目」と、オルテガの赤いモノアイが至近距離で交差した。
「なっ、電子回路が焼けているはずなのに……何故動けるッ!?」
「愛(あへ)だよ、オルテガ……あははっ!」
オーバーヒート寸前の黒いマニピュレーターが、ザクの腕を掴む。メキメキと音を立て、限界を超えたR型の四肢を、フラウは文字通り「愛」を込めて素手でへし折った。
「……フラウ! 大丈夫かい!?」
アムロのガンダムが、逃走する二連星と損傷したアッザムを追い払い、駆け寄る。ハッチから這い出してきたフラウは、幽鬼のような形相でその場に崩れ落ちた。
「……あへ。……死ぬ。マジで死ぬ。皆の前であんな放送されて……もう、この身体から消えてなくなりたい……!」
「フラウ……?」
「金輪際……ガンダムは君に任せるよ……。私は……お家で洗濯機回してる方がいい……」
(……絶対に嫌だ! 電磁波と羞恥心で二度焼きされるのはもう御免だ! 次からはアムロ、お前が全部倒せ。俺は後ろで『がんばれー(棒)』って言ってるからよォ!!)
第17話:各キャラの心情
マ・クベ(冷徹な演出家)
* 心情: 「……ククク。実に興味深い。あの悲鳴……死の淵にありながら、あのように艶やかに笑うとは。私のコレクション(壺)は静かに美しいが、あの少女の『壊れゆく魂』は、動的な美学に満ちている。……キシリア様への献上品として、まずはその心を物理的に、そして精神的に徹底的に焼き尽くして差し上げましょう。……もっと泣きなさい。もっと笑いなさい。貴女のその『あへあは』が、今宵の戦場を最高に彩るのですよ(あははっ!)」
ガイア(復讐の鬼火)
* 心情: 「……化け物か、貴様はッ!? 電磁檻で焼かれながら、何が『もっと熱くしろ』だッ! 仲間を、マッシュを殺したその手で、俺たちの復讐心まで嘲笑うというのか!! ……癪だが、あの笑い声……震えが止まらん。あり得ん、あんな華奢な娘のどこに、これほどの『闇(物理)』が潜んでいるんだ!? 殺さねば……ここで殺さねば、俺たちが、ジオンが、あの『愛(あへ)』に飲み込まれてしまうッ!!」
アムロ(純情な戦慄)
* 心情: 「フラウ……! 嘘だろ、あんなに苦しそうなのに、なんで笑ってるんだ……!? 僕を助けるために、自分を犠牲にして、精神を限界まで追い込んで戦ってるのか!? ……ごめん、フラウ。僕がもっと強ければ、君にこんな過酷な役割(あへあは)を押し付けずに済んだのに……! ……待っていてくれ! 今すぐその『地獄の檻』をブチ壊して、君を連れ戻す! 君は、そんな風に笑うような子じゃないはずなんだッ!!」
セイラ・マス(冷徹な分析と困惑)
* 心情: 「……あの笑い声。あれはただの錯乱じゃないわ。まるで、痛みすらも戦力に変換しているような……。フラウ・ボゥ、貴女は一体どこまで堕ちていくつもりなの? ……でも、今は助けるのが先決ね。あの円盤(アッザム)さえ落とせば、彼女の『狂気(リミッター)』も少しは静まるはずよ。……急ぎましょう、彼女が本当に『人間』でなくなる前にッ!!」
第18話:有能すぎる補給物資と、消えた休日
アッザム・リーダーの「あへあは体験」の代償は大きかった。
黒いガンダムの回路は焼き切れ、装甲は熱で歪み、冷却系に至っては「プシュウ……」と情けない蒸気を吐き出し続けている。
(……これ、どう見ても全損だろ。直すのに一ヶ月、いや半年はかかるな!)
コックピットの中で、俺は内心でガッツポーズを決めた。これでいい。しばらくはアムロに任せて、俺は「洗濯係のフラウ・ボゥ」として平和に過ごさせてもらう。羞恥心の源であるガンダムには、もう金輪際乗りたくない。
「やった……。機体が壊れたから、これでもう出撃しなくて済むぞ……!」
思わず口に出た本音。俺は鼻歌交じりに洗濯室へ逃げ込み、魂の抜けた顔で洗濯機を見つめた。泡が、俺の尊厳みたいに消えていく。だが、その「聖域(サンクチュアリ)」のドアが、ノックもなしに開いた。
逆光の中に立つ、凛としたシルエット。マチルダ・アジャンだ。
「――ここにいたのね、フラウ。……貴女のあの『叫び』、全通信波で聴かせてもらったわ」
「あへ!? マ、マチルダさん……。あの、ガンダムがもうボロボロで……」
わざと弱々しい声を出した俺に、マチルダさんは慈愛に満ちた瞳で、俺の震える手を優しく握った。
「ええ、データは受け取っているわ。あの凄惨な檻の中で、怖かったでしょう? クルーの中には貴女を『狂っている』と言う者もいたけれど……私には分かったの。あれは、極限まで高まった**『生への、そして仲間への愛』**の発露(あははっ!)だってことを!」
(……あははっ! 違う、違うんだマチルダさん! あれはただの『羞恥心によるバグ』なんだよォ!! 誰か、この聖母の勘違いを物理破砕してくれぇ!!)
マチルダさんは、洗濯中のボロボロなパイロットスーツの代わりに、見たこともない新型のインナースーツを差し出した。
「女の子同士だもの、分かるわ。貴女は今、心も体も限界なのよね。だから私、本部に無理を言って、ガンダム試作2号機の予備パーツを全部押さえてきたの。ついでに、オデッサの激戦に備えた『追加装甲』と『新型冷却ユニット』もね」
「え、ちょっと待って……早すぎる……」
「もう、熱に泣くことはないわ。このスーツは、貴女のその『熱情』……いえ、バイオセンサーの共鳴を100%機体に伝えるための特別製よ。明日にはまた、貴女の勇姿が見られるのを楽しみにしてるわね?」
マチルダさんは俺の頬を優しく撫で、颯爽と去っていった。
(……早すぎるだろ! 輸送機の速度じゃねえ、マチルダさんの好感度がマッハで振り切れてる! 予備パーツ、追加パーツ、そして『期待』という名の重圧……!)
数時間前まで「マチルダさん救済できて良かった!」と感動していた俺の純粋な気持ちを返してほしい。
「(……休めない。これじゃあ長期的にも短期的にも、もう休めないじゃないか!)」
俺は洗濯室のど真ん中で、手渡された「処刑宣告(新型スーツ)」を抱きしめながら、天を仰いだ。
……どうやら俺の「あへあは」な戦場生活は、まだまだ終わりそうにないらしい。
第18話:各キャラの心情
マチルダ・アジャン(兵站の聖母/ヤクザ)
* 心情: 「……なんて健気な子。あの録音を聴いたわ。電磁檻の中で、己を鼓舞するために『あへあは』と笑いながら戦うなんて。……これはもう、一個人の戦いを超えている。彼女は、連邦の『勝利の女神』になるべき存在よ。……本部の官僚どもを少し『物理的』に脅してでも、2号機の予備パーツは全部彼女に捧げる。……大丈夫よフラウ、私が貴女を『最強の兵器(あははっ!)』に作り変えてあげるから。……洗濯? ええ、代わってあげるわ。貴女はその間に、新しい『処刑台(コクピット)』に馴染んでおきなさい」
アムロ(拭いきれない違和感と自責)
* 心情: 「マチルダさんが来れば、フラウも休めると思ってたのに……。なんであんな、見たこともない巨大なパーツがミデアから降りてくるんだ!? ……フラウ、洗濯室で幽霊みたいな顔をしてた。僕が、僕がもっと早く助けていれば、あんなに追い詰められなくて済んだのに。……でも、マチルダさんの言う通り、フラウのあの『笑い』は僕たちを守るための祈りだったんだよね……? ……そう思わないと、あんなに嬉しそうに『強化パーツ』を自慢するマチルダさんの目が、怖くて直視できないよ……!」
カイ・シデン(冷めた目と隠しきれない戦慄)
* 心情: 「……おいおい、冗談だろ。あのマチルダさんが、フラウの変態放送(あへあは)を『生への愛』だとよ。……お偉いさんの考えることは分からねえな。……でもよ、あの黒いガンダムに付けられた追加装甲……ありゃあ『守る』ためのもんじゃねえ。さらにエグい機動で敵を『物理破砕』するための、呪いの拘束具だ。……フラウ、あんた本当は泣いてんじゃねえのか? 鏡の前で、新しいインナースーツを見て死にそうな顔してたぜ……。……ま、俺は降りねえけどな。あの地獄の『あへあは特等席』にはよぉ!!」
ブライト・ノア(指揮官としての苦渋の決断)
* 心情: 「……マチルダ中尉の判断は、戦術的には正しい。フラウ少尉の戦闘力は、今や我が隊の生命線だ。……だが、あの音声記録を聴くたびに、私の胃が物理的に痛む。彼女を戦場に出し続けることが、本当に正しいことなのか……? ……いや、考えるな。今はオデッサだ。彼女の『熱情』に頼らざるを得ないのが、今の連邦の現状(あへあは)なのだから。……フラウ、済まない。次の出撃も、頼むぞ……」
セイラ・マス(冷徹な観察者としての確信)
* 心情: 「……マチルダさん、貴女もあっち側(狂気)の人間だったのね。フラウの『あへあは』を戦術価値として数値化し、それを増幅させるパーツを持ってくるなんて。……でも、フラウ。貴女も貴女よ。洗濯室に逃げ込みながら、マチルダさんに手を握られた瞬間に『……あへ。』って漏らしてたわね。……貴女のその体質、もう隠しきれないところまで来ているわ。……諦めて、その『強化された地獄』を受け入れなさい」
第19話:オデッサの虹色パッキングと、マチルダの慈愛
オデッサの空は、硝煙と鉄の臭いに満ちていた。
マ・クベが誇る採掘工場――そこは巨大な重機と対空砲火がひしめき、連邦軍の進軍を阻む「鉄の地獄」のはずだった。
だが、マチルダさんから伝えられた軍の命令は非情だった。
「採掘施設を無力化し、資源ルートを物理的に遮断せよ」。つまりジオンの財布をぶっ壊してこいということだ。
「マ・クベは撤退済み」「既存兵器しかいない」……そんな甘い情報を信じたのが運の尽きだった。
「……あへ。……あはは! 軽い……軽いけど、身体の負担が半端じゃねぇよォ!!」
ミデアから補給された「いかつい追加パーツ」を装着したガンダムが、不気味な静寂を破る。
ブライトさんの「性能を見せてみろ」「レクチャーを思い出せ」という冷徹な指示に従い、俺は無謀にもマゼラアタックの群れに突撃した。
だが、マ・クベはそんなに甘くなかった。
沈黙したはずの採掘場の奥から、電磁トラップが発動。ガンダムは機能停止し、コックピットは暗転。
そして、マチルダさんの「優しくも冷徹な録音音声」が流れ出す。
『……レクチャー通り、まずは深呼吸して。今からスーツがあなたの身体を「解放(物理)」するわ……』
音声に合わせて、スーツが勝手にジッパーを下げ、マッサージするように蠢き始める!
「あ、あへッ……!? マチルダさん、これ何のレクチャーだよォ!!」
羞恥心で悶絶する俺の姿を、ジオンの偵察カメラが非情に映し出す。
「……素晴らしい。資源も貴重だが、その『新人類の断末魔』こそ、我がコレクションに相応しい」
モニター越しの惨状に、マ・クベは白磁の壺を愛でるように目を細める。
だが、スーツの暴走には「緊急脱出」のプログラムが仕込まれていた。
マチルダさんの音声が続く。『スーツの「最終パッキング」を開始するわ。痛くても……我慢なさい』
「あへぁ!? 放り出される……こんな格好で、敵のど真ん中に……あははっ!!」
ミイラのようにガチガチに固定され、ハッチから強制射出される俺。
さらにマチルダさんの追い打ちが響く。『……輝きなさい』
戦場のど真ん中で、虹色に発光し、パッキングされた状態で空を舞う「特級呪物」。
敵兵たちが「眩しい! 羞恥心の塊が眩しすぎるッ!!」と目を逸らした隙に、味方が俺を回収した。
ホワイトベースの暗い格納庫。
虹色に光りながら、ミイラ状態で床に転がる俺の横を、アムロが通り過ぎる。
「……フラウ、あんな光り方は、人間じゃないよ」
アムロの冷たい視線が、物理的に俺の心臓を貫通した。
「……終わった。終わっちゃったよ。また虹色に光りながら『バカぁぁ!』とか叫んじまったよ……。死にたい……消えたい……」
だが、そんな俺の願いを他所に、通信機からマチルダさんの声が非情に響いた。
『お疲れ様、フラウ。……今の輝き、最高に眩しかったわ。……次は、もっと「頑丈で」「激しく光る」パーツを持ってくるからね?』
「(……いらねえええええええええ!!)」
第19話:各キャラの心情
アムロ・レイ
> 「……フラウ、あんな光り方は……人間じゃないよ。ガンダム試作2号機が機能停止したと思ったら、中から七色に発光する『何か』がパッキングされた状態で射出されるなんて……。マ・クベのザクも困惑してたけど、僕のほうがもっと困惑してるんだ。……正直、今のフラウには近づきたくない。あの虹色の光を浴びたら、僕のニュータイプの感覚まで『あへあは』に汚染されそうなんだ……」
>
ブライト・ノア
> 「……フラウ、よくやった。敵の目を眩ませる『虹色の撹乱作戦(物理)』は見事だったぞ。……いや、笑っているわけではない。軍人として、その『最新装備(羞恥心の塊)』の性能を高く評価しているだけだ。……だが、格納庫に回収された後もずっと光り続けているのは困るな。カイ、早く毛布を持ってきてやれ。……ふふ、いや、何でもない。弾幕を薄くしている暇などないからな」
>
マチルダ・アジャン
> 「……お疲れ様、フラウ。私の録音音声、ちゃんと聞こえていたかしら? 『輝きなさい』という命令に従って、七色に発光しながら舞うあなたの姿……本当に、宝石(資源)のように美しかったわ。……ふふ、次はもっと『頑丈で、さらに激しく点滅する』パーツをパッキングしてあげるから。……楽しみに待っていてね、私の可愛いフラウ?」
>
マ・クベ(ジオン公国軍司令)
> 「……バカな。……バカなッ! あの『虹色の光』は何だ!? 我がコレクションの白磁の壺ですら、あのような下品で、それでいて目を逸らせない輝きは放たんぞ……。連邦は、資源の遮断どころか、兵士の理性を物理破砕する『光る変態(パッキング済み)』を送り込んできたというのか……!? ……素晴らしい。あの虹色のミイラ、我がコレクションルームの特等席に飾りたいものだ」