目覚めたらフラウ・ボゥだった件~知識ゼロだけど破壊されるはずだったガンダムに乗せられて一部の皆さんにしごかれる~ 作:T9816
「フラウ、この塩……本当に助かったわ。あなたが作ってくれたおにぎり、みんなに配りましょう?」
「ええ、フラウ。あなたの手つき、意外と……いえ、失礼。とっても手慣れているように見えるわ。さすがだわ」
(……セイラさんに褒められた。でもこれ、前世でコンビニ飯をパッキング(開封)し続けて、余り物を適当に炒めてただけのサバイバル技術なんだよ!!)
「……あ、あははっ。……精一杯、頑張る所存だ」
「……フラウ、このおにぎり……温かいね。君の手の温かさが、そのまま移ってるみたいだ。なんだか、安心するよ」
(……アムロ!! やめろ、そのピュアな瞳で俺の手を見るな! この手はな、昨日ザクの頭を物理破砕しようとしてレバーを握りしめてた手なんだよ!! 温かいんじゃなくて、興奮で充血してるだけだ!!)
「……あ、あは……。……そうだね、アムロ。……冷めないうちに、食べてね」
「うわぁ! このおにぎり、塩気が絶妙ですよ! フラウさん、おにぎり握るの上手いんですね!」
「へぇ~、あのフラウがなぁ。おいおいアムロ、見てろよ。お前、いい嫁さんになれるんじゃねえか?」
(……。……俺、いい嫁さんになれるのかな。…… なりたくねえよ!!)
その瞬間、感情の高ぶりに呼応して、指先の皮膚が不自然な明滅を始める。バイオセンサーの初期微動——。
「……あれ? フラウ、今、指の隙間から七色の光が漏れたような……?」
「……あ、あははっ! 気のせいだよカイさん! ほら、焼肉の脂が反射しただけだってば!!」
(……カイさん、ハヤト……アムロ。……俺、野郎なんだぜ。中身はゴリゴリの男が、15歳の少年たちのために一生懸命『愛のおにぎり(塩)』をパッキングしてんだよ!! これ、どんなディストピアだよ!!)
フラウは遠い目をしながら、次の「パッキング(おにぎり作り)」へと手を動かした。
その背中は、聖母のようでもあり、あるいは、間もなく壊れる精巧な機械のようでもあった……。
第11.5話:各キャラの心情
ミライとセイラの「機能的・情緒的」評価
* ミライの心情:
(この塩……ただの調味料じゃないわ。フラウが命がけで手に入れてくれた『WBの希望』そのものなのね。彼女、こんなに料理が得意だったかしら? その必死な手つきを見ていると、なんだかこの子を戦場に立たせるのが、取り返しのつかない間違いのように思えてくるわ……)
セイラの心情:
(……ふふ、フラウ。あなたは本当に不思議な子。その指先、まるでもう何年も調理場に立ってきた熟練者のような……いえ、もっと『切実な生活感』を感じるわ。その献身が、いつかあなた自身の心を物理的に壊してしまわないか、私……少し怖いのよ)
2. アムロの「無垢なる残酷」
アムロの心情:
(フラウのおにぎり……。戦いの中で、僕の感覚は研ぎ澄まされすぎて、もう普通の食事の味なんて分からなくなってた。でも、これだけは分かる。……温かい。フラウの手の温度が、バイオセンサーを通さなくても、僕の心に直接パッキングされてくるみたいだ。……ねえ、フラウ。君だけは、ずっとこのままでいてくれるよね?)
カイとハヤトの「男たちの本音」
* カイの心情:
(おいおい、この味……。ただの塩むすびなのに、なんでこんなに『実家の安心感』がするんだ? フラウの奴、お淑やかなフリして、胃袋を物理破砕する技術まで持ってたのかよ。……ん? さっき、指の隙間が虹色に光ったような……。いや、焼肉の脂だな。……そうだよな、フラウ?)
* ハヤトの心情:
(フラウさん……。あなたの握るおにぎりは、なんだか『覚悟』の味がします。アムロの幼馴染として、WBの看護員として……。僕たちを支えてくれるその背中が、いつか遠くへ行ってしまいそうで。……もっと、もっと食べて、あなたの『温もり』を僕の血肉として永続保存しておきたいんです)