百万回超生きたねこ 作:百万回死んだねこ
クロスオーバータグ必要ですよね? 多分
「 ああ、はじめまして。君のことは何と呼べば良いんだい、ウミウシくん」
「かぐや? そうか、それは良い名前だ」
「ボクのことは……そうだな、好きに呼んでくれ」
「よろしく頼むよ、かぐや」
「ヨロズっ!」
「またかい彩葉」
今生のご主人はどうにも頑張りすぎる傾向にあるみたいだ。
たった10年やそこらしか生きていないにも関わらず、セイカツヒを稼ぎきってしまうほどの身体スペックもさることながら。
それを成し遂げようとして成し遂げてしまう精神もかなりのものだね。
まあ、その反動はボクが請け負っているのが正直なところなんだけど。
「うう……ヨロズの毛並みがないともうダメ……ふわふわ……」
「まるでボクの知人みたいなことを言うじゃないか、しっかりしなよ、キミたちはボクたちネコ科動物なんかよりずぅっと長生きなんだから」
「喋る化け猫の方が寿命長いと思うんだけど」
「ボクは不老だけど不死じゃないからね、死ぬ時はあっさり死ぬのが自然の定めだよ」
「えー……」
ひょんなことから彼女、
ボクとしても毛並みを褒められるのは満更でもないことだし、彩葉は手つきも丁寧で撫でるのも上手い。
それに正体を明かしてもはいそうですかと流してしまう胆力もまた彼女の魅力だろうね。
「世界の流れってものは不思議でね、これ以上はないと思っていたら本当に降りかかってくるものなんだ」
「化け猫なんてもの以上に驚くことなんてないでしょ」
「あるかもしれないよ? 光るウミウシだとか」
「ないない」
古い友人を思い浮かべて言ってみたものの、やはり現代社会においても光る彼女は相当奇天烈な存在だったらしい。
いやはや、その不思議な彼女は今はどうしているのだろうね。
「まあ、世界というものは美しくて、そして残酷だ」
「どんなことでも起こり得る、という心構えでいた方が生きやすいと思うよ、彩葉」
「た、助けてヨロズっ……!」
「……ほらね?」
「あぅあ?」
後日、これ以上はもう無理ですという顔をしたご主人サマが赤子を抱えて戻ってきた。
言っておいてなんだが、流石に人攫いへの関与は良くないと思うな。
「攫ってない攫ってない! み、道の途中にゲーミング電柱があって、それでっ」
「ぷっ……はははは! やれやれ、ボクのご主人サマは相当奇妙な星の下に生まれたんだね」
もと光る竹ではなくて、もと光る電柱とはね。
流石にボクも驚いたよ。
「とにかく、その赤子が猫アレルギーじゃないことを祈っておこう」
「ぅあ?」
「こんにちは」
「あぅあ!」
「うん、元気な良い子だ。……おやすみ」
尻尾を使って、この子にちょっとしたおまじないをかける。
少しの間微睡んでもらう程度のものだけれどね。
「ぅ……」
「よし彩葉、この子はしばらく起きないから、キミも少し休むと良い。疲れすぎだ」
「ヨロズは?」
「ボクは……そうだね、ちょっとばかし準備があるから」
定位置であった机の上から飛び降りて、今度は自身に化かしをかける。
「よっ……と、これで安心かな?」
「いつ見ても信じられないね、それ」
「化かしは信じちゃいけないものさ」
化けるのは彩葉……ではなく同年代くらいの女の子。
彩葉や他の人間たちを混ぜて作ったオリジナルの化け先さ。
「ヨロズってメスなの?」
「うん? まあ基本的にはそうだね、化けてしまえばその限りでもないかな?」
「ふーん」
「……そんなことはどうでも良くて。買い物に行ってくるね」
赤子を育てるには相応の道具が必要だ。
当然ご主人サマにそんな備えがある訳もないので、買いに行く必要があったのだ。
「え、お金は?」
「これでも今回は長生きだからね、それなりの蓄えはある」
ただでさえ困窮しているご主人が買うにはちょっと重たい代物だから。
「じゃ、行ってくるから休んでると良いよ、彩葉」
超かぐや姫! も百万回生きたねこもアニメと絵本という別区分で名作なので、機会があったら見てクレメンス!