百万回超生きたねこ 作:百万回死んだねこ
その後なんやかんやあって確かな熱意に燃え上がったかぐやが、ヤチヨカップの優勝を宣言したりしていた。
彩葉とヤチヨの関係にやきもちを焼くかぐやもまた、いとかわゆし……だよね。
「よろずよろず」
「ん、どうしたの?」
「彩葉が帰ってくるまでにできることってあるかなぁ?」
帰ってくる、というのも。
無事? にかぐやは新人表現者としてデビューを果たしたわけなのだが、これがまあ中々の演奏技術でね。
渋々ではあるものの、かぐやをプロデュースすることとなった彩葉が帰って来なければ動画も何もできない、というわけなのだ。
「そうだねぇ……じゃあ、心構えくらいは考えておこうか」
「! うん!」
もちろんボクも表現者として活動したことなんてないけどね。
そもそも人間としてこんなに長く活動すること自体が初めてだ。
とはいえ、そんなボクでもかぐやの良いところを最大限活かす方法を考えることくらいならできるとも。
「まずは……うん、変に着飾る必要はないと思う、かぐやはかぐやのまま、思うがままにやることを楽しむこと、かな?」
「? そんなのでいいの?」
「良いに決まってる、何せかぐやはそのままが1番素敵だからね」
「! そっか、えへへ〜」
嬉しいこと楽しいことを素直に、しかも150%くらいにして相手へと伝えることができるのはかぐやの長所だろう。
だからそこは潰さないようにするとして。
「そうだなぁ、あ、あとはツクヨミでは彩葉のことをちゃんといろ、もしくはいろPって呼ぶこと」
「ふんふん」
「彩葉に迷惑はかけたくないだろ?」
「うん!」
うーん、それくらいしか思いつかないかなぁ。
彩葉の個人情報については絶対に気を付けるべき点だけど。
何せ、ボクとかぐやはほとんど本名だから呼び方に気をつける必要はないし、バレたところで戸籍とか個人情報がないからねボクたち、特定とは無縁の2人なのさ。
ここは化け猫と電柱少女の強みになるかな?
「……あ、そうだった」
「?」
「今の2つも大切だけど、もっと肝心なことがあったんだ」
うっかりしてたな。
これが心構えとしてなかったら他2つも含めて成立しないよね。
「楽しくないことはしなくていい、まず第一にかぐや、キミが楽しいと思えることをやるんだ」
「よろず……」
「勝つのも、楽しむのも両立してこそハッピーエンド、だろ?」
「……うんっ!」
にゃはは、やっぱりかぐやは笑顔が似合う。
何というか、彩葉やヤチヨとは違う眩しさ、みたいなものが宿ってる気がするよ。