百万回超生きたねこ 作:百万回死んだねこ
「にゃはは、かぐや頑張ってるねぇ」
ツクヨミ内のとある建物の上にて、かぐやが配信活動を行っているのを遠巻きに眺めている。
うん、今日も楽しそうでよきかなよきかな。
「よろづは参加しないの?」
「ん、ボクはいいよ。ヤチヨとのライブなんて晴れ舞台に、こんな泥猫を混ぜ込んじゃいけないからね」
「もう、またそんなこと言ってる」
……こうやって、眺めるばかりのボクに参加を促すヤチヨ……という絵面ができてしまったのはちょっぴり予想外だったんだけどね。
まあボクってばどこまで行ってもボクだからね、自分から参加はしないかなぁ。
「ふふ、でも今日はそうはいかないと思うよ?」
「?」
「あ、ごめんね〜、ヤッチョはこの後配信をするお時間なのでした!」
「すっごくわざとらしい気がするんだけど」
「さらば〜い!」
ええ、そんな強引に。
……うん?
「よーろずっ!」
「……んにゃっ!?」
目の前に現れたのは、先程まで向こうの広場で活動していた筈のかぐや。
いつの間にここまで来たのかなっ!?
「んふふ〜、今日こそはよろずを捕まえる為にと頑張ったんだからねっ! 褒めて褒めてっ!」
「え、えーと……うん、頑張ったねかぐや、よしよし」
「えへへ、やったー!」
うんとても可愛い……じゃなくて。
え、もしかして配信したままこっち来たの?
『よろずちゃんかわよ!』
『これが噂の見守りネッコ……』
『てぇてぇイイゾー』
「え、いろにこのことって」
あそっか、彩葉はかぐやのお願いに絶対勝てないんだったね。
……親バカだなぁもう。
どこかにいるであろう狐の着ぐるみは……。
「……」
「なんかいろ、すごい未練がましくこっち見てない?」
「気にしなーい気にしない! 今はよろずが主役だよっ!」
「気にしないのは無理があると思うなー?」
最近、かぐやに求婚した視聴者を百人斬りに処してしまった彩葉だよ?
え、ボクも首ばっさり取られるの?
「へえ、随分と面白いねぇこれ」
「あれ?」
今回、かぐやがやろうとしていたのはホラーゲーム配信というものらしくて。
その内容というのが、怪異が驚かせて来たり、その原因を解明するなりして脱出するのだとか、何とか。
とは言えだ、これでもボク自身が怪異みたいなものだから。
今更こんなのに驚かないんだよねぇ。
「ふむふむ……ああ、ここでもライターを使うのか、ライター大活躍だね」
「よ、よろず?」
「ん、大丈夫。ボクに任せといてよ」
「あ、うん……ってなんか思ってたのと違ーう!」
「?」
初めての経験だと言っていたかぐやにはちょっと刺激が強かったのかな。
こういうのは慣れが大事そうだし。
『よろずちゃんとことこですやん』
『かぐやちゃんとの落差よw』
『目論見失敗」
……んー、多分悪くない反応なのかな?
いやぁ、これでだめそうなら本格的にボク避けないとだけどねぇ。