百万回超生きたねこ   作:百万回死んだねこ

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白き荒御魂

「ただいま」

 

 

 

 ヤチヨから無事解放されて、現実へと帰還することに成功したー……ん、だけどね。

 うーん、まだまだ難所は多そうだ。

 

 

 

「よろず」

 

「ん、どうしたのかなご主人」

 

 

 

 ヤチヨの3倍くらい怖い顔したご主人サマが仁王立ちしていた、なんか覇気というかオーラ出てないかい、大丈夫?

 

 

 

「どういうことかきっちり説明してもらうから」

 

「……にゃ、それよりかぐやは」

 

「足元」

 

「足元?」

 

 

 

 そう言われて見てみると……わ。

 

 

 

「ぅん……よろずーえへへぇ……」

 

「よろずの足にくっ付いて寝ちゃったよ」

 

「えっボクこの状態でツクヨミにいたの?」

 

「うん」

 

 

 

 嘘でしょ?

 ……いやいや、どれだけ鈍くなってたらこれに気付かないのかな!?

 思い返してみたら、確かに途中からすっごく足が動かしにくくなってた様な気もするんだけどねっ。

 

 

 

「それで」

 

「にゃ」

 

「あれはどういうこと? なんでよろずがヤチヨと仲良いの? あのセリフは何? というか    

 

「ちょ、待って説明するから、うん、落ち着いて欲しいかな」

 

 

 

 やばい、彩葉が激おこである、荒御魂である、修羅の道に片足突っ込んでる。

 そのうち般若が宿ってもおかしくないのかもしれない。

 

 

 

「ボクに古い友人がいるって話は前にしたよね」

 

「うん」

 

「ヤチヨは……まあぶっちゃけるとその縁で、彼女の関係者がボクの友人さ」

 

 

 

 世界観上は彼女AIライバーだったよね? ボク一応そういう雰囲気は守るタイプの化け猫だからね、ちょっと誤魔化そう。

 ヤチヨがウミウシの頃の知り合いだと言っても間違いではないからね!

 

 

 

「ふーん……?」

 

「にゃ、嘘は付いてないよ?」

 

「……まあ、いいや。今はそれより聞き捨てならないことがあったから」

 

「……にゃー……」

 

 

 

 彩葉がヤチヨより優先すること……?

 かぐやかな。

 

 

 

「そっちじゃない」

 

「?」

 

「ほんっとにこのペットは……自分なんかどうでもいいってとこ、それ全般」

 

「……はて」

 

 

 

 うん、それがどうかしたのだろうか。

 ボクはボクの思った通りに言葉を述べたけど。

 

 

 

「ボクはキミたちがヤチヨとの晴れ舞台に立つ場面が見たいんだ、そこにボクの姿はいらないよ?」

 

「別に、一緒にライブしようなんて言ってないよ、私の飼い猫とはいえ無理強いはしない」

 

「? じゃあ何で」

 

「今こうやって私がここにいるのはよろずのおかげでもあるの。だから例えよろずだとしても、それを否定されたくない」

 

「んえ」

 

 

 

 いや、セラピーはしたけどね。

 そんなに重要でもないんじゃないかなーって気はしてる、キミボクがいなくても立派に学生してる未来の想像ができるくらいすごい人間って評価なんだけど。

 

 

 

「そんなたらればじゃなくて、今ここにいる私の話だよ。もうこの世界の箱は空いてるんだから」

 

「んにゃあ、そりゃ確かにボクが助けたってことにはなるのかもしれないけど」

 

「そう、助けたって結果は消えない」

 

 

 

 彩葉が賢すぎてこういう論争勝てる気がしないんだけどどうしようかな。

 というか怒られても困るなぁ。

 

 

 

「どうでもいいって、そんな猫に助けられた私はどうなるの、それ以下?」

 

「どうでもいい猫がキミみたいな眩しい人を助けられるのなら何でもするって意味なんだけど」

 

「助ける行為はすごく勇気がいることだよ、よろず。私にはよろずが私を助けたくらい完璧に助ける自信はないから」

 

「それは流石に言いすぎだと思うよっ!?」

 

 

 

 いやいや、完璧助けたと言えるほど助けになれてないと思うよボク。

 どうしてそんな不相応な評価になってしまっているんだい。

 

 

 

「んー……まあボクがどうでも良くないと仮定したとしてもね、どう改善するのかをボクは知らないから、うん」

 

「っ」

 

 

 

 ごめんね、ボクってばこれで8000年やって来たからさ。

 これ以外のやり方、知らないんだ。

 

 

 

「……よろず……」

 

「にゃはは、心配しなくても死ぬつもりはないよ。現代社会で死ぬことなんてそう起こることじゃないからね」

 

「っ……! そう、いうことじゃ、ないのにっ」

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