百万回超生きたねこ 作:百万回死んだねこ
「……ん、あれ……?」
「あ、起きた?」
「みたいだね」
彩葉は思ってたよりもっと限界だったらしくて。
結果ずっと寝てたよね、今日が休日で良かったよ。
「寝てたんだよ彩葉、丸1日ね」
「……ぇ」
「だ、大丈夫彩葉?」
「ぁ、ば、バイトっ!」
急いでスマホを確認する彩葉。
「……あれ、何の連絡も、ない……?」
「ボクが代わりに行って来たよ、すごいね彩葉、あんな目まぐるしく人が移り変わるところでバイトするなんてさ」
「え」
ボク明日も行くことになったら目を回して倒れる自信あるよ、現代の人の多さは過去に類を見ないほどだからねぇ。
こう言う些細なところで人間はすごいなぁって思えるよ。
「ど、どうやって」
「そりゃボク、変装得意だし?」
化けるの中々苦労したけど、かぐやいるから。
彩葉っぽくなれる道具を使って家を出た後、道中で化けて上手いことやりくりしたよね。
「すごいんだよ、よろず本物の彩葉みたいに変装して、さ」
「……ごめんっ!」
「にゃ?」
「わ、私あんなこと言っておいて、結局よろずに助けられて、それでっ!」
「落ち着いてよ彩葉」
わぁ、あんな状態だったのに直前のことまでちゃんと覚えてるのかいキミ、覚えてなかった方がいいことだってあるのにさ。
とは言えまあ、今はボクじゃない。
「今はボクに謝ることなんかより大切なことがあるだろう」
「え?」
「ほら、キミの隣」
「……あっ」
焦りすぎて周りが見えてなかったみたいだけど。
……だめだよ、泣いてる女の子を見逃すなんてこと、他ならぬキミがするなんて。
「い、いろは〜!」
「かぐやっ!?」
「ご、ごめんねぇっ! わたじ、いっぱい迷惑かけたからぁ〜!」
勘違いしちゃいけないこととして。
かぐやとヤチヨ、この2人を本当の意味で癒せるのは彩葉だけだと言うことだ。
だって、ヤチヨは彩葉を想って8000年を生き続けた人間であり、かぐやにとっては唯一無二の親なのだから。
ボクにできるのは足場、橋渡しくらいのことだろうさ。
……というのが猫であるボクが精一杯状況を理解した結果なのさ、アニマルセラピーで一時的な癒しをしても根本的な問題は解決しないのは事実だからね。
心底妬けるし、眩しすぎて焼けちゃいそうだよ全く。
こんなこと言ったら本人たちには怒られそうだね、お口チャック。
「あとは2人で話し合ってておくれよ、ボクちょっと買い物があるから」
「あ、ちょっ、よろず」
「こればっかりは無理しすぎ、かぐやだってすっごく心配してたんだから、ちゃんと話し合ってもらわないと」
それがボクにだってできるのなら、どれほどよかったと羨んだことか。
嗚呼、
「ま、全部今更なんだけどねぇ」
個人的には猫被りってボカロもおすすめですよ(ヒソヒソ)