百万回超生きたねこ 作:百万回死んだねこ
「……っ!」
「ちょっとよろず、そんなにくっ付かないでよ」
「ぅー……!」
「どれだけ苦手なのよ……もう」
やっぱり無理だよなんかぞわぞわする!
コップとかやかんくらいなら大丈夫なんだけどね、明確に自分が濡れるってわかるくらい多くなるとやっぱり怖い。
「あははっ! よろずちゃん猫っぽーい!」
「さらに小動物感増したねー」
「私には笑い事じゃないんだけど」
「まあまあ、頼りにされてるのは良いことでしょ?」
「それは……まあ」
かぐやが蟹と戯れてる、よくあんな
ボクにとっては今際の際と大差ないからね。
「よろずちゃんの意外な一面って感じ」
「今まではしっかりした子なとこばっかりだったもんねー、流石彩葉の一族」
「どういう意味なのそれ、褒めてる?」
「褒めてる褒めてるー」
「にゃぁぁ……」
「全く……よしよし、ここまでは届かないからさ、怖くないよ」
猫の本能的なものなのだろうか。
……ほんっとにやだ!
「よくそれでお風呂とか入れてるよね」
「そりゃああっちはもう慣れたよね、にゃはははは……」
下手に人間のフリなんてするものじゃないよ。
かぐやと3人暮らしだとお風呂誤魔化せないからね、最初の方は苦行だった。
「お湯だし全然マシではあったかな」
「そんなもんなんだね」
「だってボクこれでも8000歳超えてるし……うん、そんなものだよ」
長生きするとね、仕方のないものに関してはなあなぁで乗り越えられるだけの精神が手に入るんだよ。
それでも水はだめなんだけど、ほんっとに無理なんだけど!
「……ま、役得と思っとく」
「?」
「気にしなくていいよ、私のだから」
そんなことを話していると。
「彩葉! よろずー!」
ん、かぐやが蟹の大群を連れてこちらに来ている。
……。
……んにゃっ!?
「うわわわわっ!?」
「にゃっ」
「ごーごー! あははははっ!」
いつの間に蟹を従える方法をっ!?
ああそう言えばヤチヨも昔はよく小さい動物従えてたっけ。
ん。
「えへへ、これでよろずはかぐやのだよっ!」
「わ」
彩葉にくっ付いてた筈なのに、いつの間にかかぐやがボクにくっ付いてる。
何でボク?
「……」
「ふっふーん!」
「ありゃりゃ、よろずちゃんは人気だねぇ」
「猫ちゃんが人気なのは世界共通だからねー」
「……にゃー、人気者は世知辛いにゃー」
セラピー目的だし懐かれるのは全然構わないんだけどね、それを巡って争われるのはちょっと違う気がしてるんだボク。
だからそんな怖い顔しないでくれると助かるかな彩葉、ボク悪くないよ。