百万回超生きたねこ 作:百万回死んだねこ
「よろづ丸はサポートだよ?」
「にゃー」
「よろづ丸……」
よろづ丸というのはボクがよろずであるとばれさせないためにヤチヨが用意した偽名だ。
わざわざ表示される名前まで書き換えるんだから用意周到だよねヤチヨ。
「……その子猫ちゃんはどういうことなんだ?」
「ふふ、ヤッチョの大切な家族なのですよっ! ……という本音はさておいて、KASSENの時には色々なイベントを起こしてくれるお助けキャラになる予定だよ」
「なるほど、新しい要素のお試しってところか」
わぁすごい、管理者としての要素を最大限に活用してる。
ほんとにそんなお助けキャラを今後実装予定なのかはわからないけれど、これでボクがいてもまぁそういうことだし、いなくなっても没になった、みたいな空気を醸し出すようになってしまった。
「ねえ」
「んにゃ」
あれなんか彩葉が。
「よろず?」
「にゃ」
「えっ」
「……な訳ないか、流石に」
何この子怖い。
一目見てボクを予感したのかな、ヤチヨですら一瞬動揺を隠せてなかったよ?
「えっと、その子はよろづ丸って言うんだ、彩葉」
「そっ、そうなんだヤチヨ」
「うん」
「にゃうん」
「ふふ」
背中にFUSHIを乗せたまますっと地面に降りる。
……いやキミはなんでボクの背中に乗ったままなのかな?
「……ヤッチョの、とってもとっても大切な家族の名前なのです」
「んにゃ」
「なんだよ、文句あるってのか?」
「にゃー」
鳴き声じゃコミュニケーションにならないんだけどどうしよう。
この感じだと喋ったら確実にバレるし。
「かわいー! ……犬DOGEも参加できる?」
「んー、まだ本格実装には早い段階だから、もう少し待って欲しいな」
「むむむ」
「……」
かぐやに撫で回されている。
撫でるの上手だね、癖になりそうだ。
「にゃー」
「えへへ、かわいいねぇ」
「むむむ……これは浮気かな……?」
……ん?
あれ待ってなぁなぁで聞いてたけどボクこの姿で戦うの?
武器とか持てないよ流石に。
「 と言うわけで、よろづ丸には招き猫をやってもらいます」
「にゃ」
ボクはボクの役割をヤチヨに説明してもらっていた。
形としては新要素の解説という体で。
「招き猫?」
「そう、よからぬ霊の類を呼び寄せて敵味方関係なく攻撃したり、状況が良ければ味方にもできたりする中立キャラなのです!」
「よからぬ霊ねぇ」
……んー、多分ああしてこうしろってことだよねこれ。
なるほど、武士の世界を盛り上げる
「ふふ、試しによろづ、やってみて」
「にゃ」
化かしの力で、適当にそれっぽいものを作り上げる。
見た目としては中身のない武者鎧だったり、胴長の竜だったり……まあ要するに、だ。
「これまで周りにいるだけだった妖怪やら生き物達が本格的にキャラクターとして参戦するということだな」
「そういうことだね」
「にゃん!」
盛大に化かせと、ヤチヨはご所望だ。
ふふ、ボクの得意分野だ、任せてよ。