百万回超生きたねこ   作:百万回死んだねこ

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飼い猫、怪猫

 2回目のKASSENは、かぐやの奇策によって彩葉たちの勝ちとなった。

 真実のメロンパンであの竜を手懐けるとはねぇ。

 

 

 

「私のメロンパン〜!」

 

「まあまあ、それのおかげでイーブンに持ち込んだんだから、ね?」

 

「まみまみのおかげで掴めた勝利だね、あはは」

 

 

 

 真実が涙ながらに項垂れている。

 倒れた真実がメロンパンを隠し持っていることと、それを掠め取ることを両立させるとは中々強かというか、それとも流石かぐやというべきか。

 彩葉もすごく奮闘していたし、やっぱりいいコンビだねぇ。

 

 

 

「ふふ」

 

「ん、どうしたんだいROKA」

 

「いやね、2人を見るよろずちゃんの顔かわいーって」

 

「?」

 

 

 

 何さ2人を見る顔がかわいいって。

 ……それほど変な顔をしていたかな。

 

 

 

「妬いてる?」

 

「いや別に、2人は側から見てもすごく仲良いからね」

 

「へぇー……そっかそっか」

 

「……何かな」

 

 

 

 何か。

 今の芦花の表情を見ているとちょっぴり不安になるんだけどどうしてだろう。

 

 

 

「かぐやちゃんとはずっと仲良いの?」

 

「え? んー……」

 

 

 

 そう言えば2人で彩葉の親戚ってことにしてたんだっけ。

 だったら仲良くないっていうのもちょっとおかしいか。

 

 

 

「良い、とボクは思ってるよ。これでもずっとかぐやの無茶振りに答えて来た方だから」

 

「あはは、そうなんだね」

 

「うん」

 

 

 

 エピソードに関してはヤチヨの方から持ってくるのが早い。

 何せ同じかぐやらしいし、ヤチヨの方が若干落ち着きを覚えたとは言えやることが似通っていても不思議じゃないさ。

 

 

 

「その役目も、最近は彩葉が答えてるし、かぐやも彩葉にお熱みたいだけど……まあ、彩葉相手なら、って納得しちゃうボクがいるくらいだし」

 

「まあ、そっか……そうだよねぇ」

 

 

 

 8000年、日数に換算すると292万日。

 そんな途方もない年月想い続けられるくらい、脳裏に焼き付いてる相手に、どこの誰が勝てると言えるのだろうか。

 いや、言えない。

 少なくともボクには無理だ、絶対にね。

 

 

 

「熱々、だよねぇ」

 

「そうだね、まるで入る隙間がないって言えちゃうくらい仲がいい」

 

 

 

 ボクと芦花が見ているのは、目の前に映る彩葉と2人のかぐや。

 こうして3人が揃っているのは奇跡と呼んだって良い状況なのではないだろうか、理由はわからないけれどヤチヨは確かに8000年前から存在していたわけだし。

 

 

 

「ボクはどうあれ行く末を見守るだけさ、彼女たちが幸せならそれで良い」

 

「……あはは、よろずちゃんは強い子だね」

 

 

 

 そう、若干諦めた様な声音で呟く芦花の顔は……。

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