百万回超生きたねこ   作:百万回死んだねこ

35 / 37
なよ竹の姫君

「ふーん、そっかそっか、そうやってかぐやのことほったらかしにして2人でデートしてたんだ」

 

「いや別にデートはしてないよ?」

 

「しーてーたーのー! かぐやだって彩葉やよろずとデートしたいのにーっ!」

 

「ええ」

 

 

 

 あの後どうにか彩葉を宥めて家に帰って来たわけなんだけど。

 そこにはかわいい阿修羅(かぐや)が鎮座していた。

 

 

 

「……心配してたのにっ、ずるい、ひどい、よろずの女ったらし」

 

「あははごめんね……え?」

 

「むぅぅぅ……」

 

 

 

 なんかとんでもない風評被害を受けたね。

 あ、彩葉はどうしたのかって?

 彼女ならボクの隣で……

 

 

 

「あぁ……私ってば……っ!」

 

「にゃー、かぐやに説明しておくれよ彩葉」

 

「ばか、ばかばかばかっ」

 

「うーん、今はだめそう」

 

 

 

 ものの見事に真っ赤っかに茹で上がっている。

 どうやら、何も言わずに飛び出したボクが、そのままいなくなるのではないかって勘違いしてたらしくってね。

 通りでなんか噛み合ってないなって思ったわけだ。

 

 

 まあそういうこともあって、彼女は今冷却処理中である。

 かぐやボクじゃ止められないんだけどどうしよう。

 

 

 

「んにゃむ」

 

「んー……!」

 

 

 

 むすっとした顔のままボクにひっ付くかぐや。

 相変わらず好きだねぇ、ちょっと心配になってくるよボク。

 

 

 

「かぐや、ちょっと苦しい」

 

「やだ」

 

 

 

 あらら、今日のお姫様も強引だ。

 ……ボクの匂いってやばい成分入ってそうだよね、なんかやだなぁ。

 

 

 

「んふふ〜」

 

「今度は楽しそうだね」

 

「こうやってくっ付くと、よろずがいるって思えて安心するんだよね〜」

 

「ボクはどこでもいるんだけど」

 

 

 

 ほんとキミたちボクを特等席か何かだと思ってないかい?

 彩葉は彩葉でいつまで機能停止してるんだい、早くかぐやをどうにかしておくれよ。

 

 

 

「……大体、これ見よがしに踏み込んで来といて何にもされないと思ってるよろずも……」

 

「彩葉?」

 

「……」

 

「ああうん、今はだめそうだね」

 

 

 

 何かしらの葛藤をしているみたいだ。

 何だか最近、ボク怒られてばかりな気がするなぁ、何にも悪いことしてないはずだったんだけど。

 

 

 

「うーん」

 

「?」

 

「何でもないよ」

 

 

 

 死んでもないし、消費したものだって、無くなったって困らないお金くらい。

 ……怒られる要素あるかい?

 いやまあ、いなくなるって思われていたのなら怒る理由にもなるのかな。

 

 

 

「ただちょっと、心ってものに苦戦してるだけさ」

 

「……ふーん」

 

 

 

 心ほどボクの理解が及ばない概念は多分他にはない程、ボクはこいつに苦戦している。

 さて、どうしたものかなぁ。




超かぐや姫はイイゾー
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。