超かぐや姫の世界に転生してしまったので... 作:大塩tune八郎
新章開幕します。
やっぱオリジナルで書くのは難しいっすね〜。
世間で話題になっている作品の作家さん方の凄さを噛み締めますよホント。
この作品にはオリジナルの設定・展開が含まれます。
EX 枯れた月華に太陽を ① 話
それはなんともない、いつも通りの日。
秋に向けて少しずつ冷んやりとした空気が増えてくる時期の出来事だった。
現在地は私の部屋inツクヨミ。
今年もやってくるツクヨミハロウィン祭に向けて新しいイベントを考えていたんだけど....
「やってみようと思い立ったのは良かったんだけどな...」
「なかなか良い案が見つからないのです〜..オヨヨ」
「つまり助けてーっとこと?」
「そゆことー☆」
絶賛企画創出段階でどん詰まりの中の運営代表ヤチヨ。
助け舟を求めたのは姿勢よく目の前で座っているヤマト、もといめぐみ。
「と、言われてもなぁ...」
「そこをなんとかお願い!かぐやも彩葉も今、忙しくて手伝ってくれないの、ヤマト暇でしょ!」
「ハハ、なんでだろうね笑」「自業自得だろ」
仕事サボって、経費を勝手に使ったせいでしょうに...。
クビになってないのがおかしいくらい凄いことしてるけど....。
「じゃ、一旦私の事は置いといて、今どんなことしようと考えてるの?」
「「(置いといていいんだ...)」」
「FUSHI、お願い」「あいよ」
そう気前よく返事したFUSHIの目からレーザーのように光が飛び出し、空中にスクリーンが現れる。
「今はこんな事をしよう思ってて………
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…うん、ありがとめぐみ。いい感じにまとめられそう」
「そりゃ良かった」
3時間ほどだろうか。
めぐみの手伝いもあり、元々考えていた案をある程度固めることが出来た。
ひと息ついて休憩しているとめぐみが、
「こうして手伝ったけどさ、私ハロウィン祭行ったの高校の時だけなんだよねぇ...」
「え、こっち戻ってきてから行ったことなかったの?」
「いや〜あの時期ってさ、他のゲームもイベントとかあって忙しくて...」
「ふーん...そうなんだ」
「今年から毎年行くからさ、許してくだせぇよ姉御ぉ〜」
腰を低くして、ごまをすりながら擦り寄ってくるめぐみ。
「今度そっち行った時美味しいお店連れてってね♪」
「任されたッ。....じゃそろそろ戻るね、またなんかあったら呼んで」
「うん、ありがと。めぐみも早く仕事探しなよ〜」
「無職じゃないから!」
そう言い残して、めぐみは光の塵となってログアウトした。
現在の時刻は8時半過ぎ。
これからやることも無いし、少し早いけど...
「今日はもう寝よっかな..ハァ~…」
「FUSHI、あと頼んでいい?」
「おう、任せろ」
「お願いね、おやすみ」
「おやすみ、ヤチヨ」
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「ふぁぁぁ......充電完了〜☆」
背伸びをしながら目覚めの挨拶、もとい決めゼリフを言う。
「(なんだか疲れが取り切れてない気がするけど...)」
首を慣らしながらも今日のスケジュールを確認しようと空に指をなぞる。
「...ん?」
が、出てきたのは何も書かれていないスケジュール表。
あれま、消えちゃったかな。
そう思い、サブの方を確認してみる。
「なんでぇ〜....?」
サブの方も真っ白の空白がビッシリ。
データがまるまる飛んでしまった可能性が脳裏をよぎる。
ま、まずい。
FUSHIに怒られるぅぅ.....
「....あれ、そういえばFUSHIは?」
そこで初めて感じる違和感。
FUSHIが居ない。
いつもなら私が起きる時は必ずいるのに.....
もちろん、今は私の部屋にいないってだけかもしれないけど。
「FUSHI〜」
…。
返事はなく。ただ静寂が流れる。
「....」
そこで思う。
8000年前から一緒にいてくれたFUSHIを私は深く信頼しているし、されている。
だからこそだろうか、変な感じがする。
「FUSHI〜〜!!」
一応、もう一度呼んでみる。さっきよりも強く大きな声で。
…。
それでもやはり、返事はない。
悪い予感が頭を通り抜ける。
そんな予感を気にしないようにしつつ、FUSHIを探すために寝起きの脳みそを働かせる。
「よし、まずは鯖から...」
サーバー内にある管理者権限でしか入れない、ツクヨミ内にいるログインプレイヤー全員の位置情報閲覧ソフトを起動する。
ソフトには地図とユーザー名、そして位置情報検索機能など諸々がついている。
「....ぇ?」
そして開かれた地図には、
「ユーザー数、ゼロ...?」
目を疑う現実が、表示されていた。
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あれから数時間、色々調べて分かったことがある。
まず最初に、現在進行形でツクヨミにはプレイヤーの出入りが出来ない状態になっているということ。FUSHIもこれのせいで入れていないようだった。
もちろん、ツクヨミ関係の配信、ゲームサービスなども停止している。
次に、ツクヨミのサーバー兼元宇宙船の『もと光る竹』が外部からの情報を完全に遮断していること。
なんでぇ..?
.....そしてもう1つ。これが一番よく分からない。それは...
私が昨日までいた年と違うということ。
....寝坊にしては寝すぎじゃなかろうか。
冗談はさておき、分からないことが山ほどある。
それに気になることも...。
簡単まとめると、何故かツクヨミが停止してて孤立状態。
だが問題ない。これはつまり、停止→作動させればいいってこと。
「フッフッフ、天才か...」
1人寂しくそう呟きながらテキパキとサーバーを立て直す。
今からするのは『もと光る竹』のネットワークを復活させる作業。
と、言ってもネットワーク接続をONにするだけの単純な作業だけど。
「ヒューってやってヒョイ♪」
[インターネットに接続されました]
.....よし。
これで彩葉たちに......ピコンピコンピコンピコン........!? ピコンピコンピコン…
接続と同時に間の前を覆い尽くす程の通知が流れてくる。
あまりに多いので耳がうるさい。
「まぁまぁ、そう焦りなさんな〜」
これでFUSHIも入ってこれる。
そしたら何があったか聞k「ヤチヨ!!!」
早。
「ヤチヨ....ごめん.....俺....ごめん....ごめんなさい....!」
「いやいや、FUSHIそんなに謝らなくても。ヤッチョ困ってないからダイジョーブ♪」
「だからもう泣かないで、FUSHI」
安心させるために優しく明るく語りかけると、FUSHIは床から私の顔を見上げ、驚愕と困惑の混ざった表情をする。
「ヤ、ヤチヨ...なんだよな...?」
「んぁ? 超天才美少女歌姫、月見ヤチヨだよ?」
「そう..だよな.....」
どう見ても動揺を隠しきれていないFUSHI。
そんなFUSHIに私も困惑しているとあることに気が付く。
「FUSHI、その傷....」
背中にぶつけられたような痕がある。
ケガ.....。
直してあげようと手を伸ばすと、
「ッッ!」
FUSHIが過剰に反応する。
まるで虐待されていた子供のように、恐怖で震えている。
...。
さっきからずっと考えていた説がある。
自分の知らないところでツクヨミがサービス停止していたこと。
年が昨日と変わっていたこと。
そして、FUSHIの反応。
ふと、めぐみとの会話を思い出す。
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『私がこの世界に転生したってことは、ヤチヨたちも可能性あるんかな?』
『彩葉と居たいからヤダー』『右に同じく〜☆』『同じくー』
『なんだおまえら、ていうかめぐみもかい』
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あぁ、そうか。
私はもしかしたら"転生"してしまったのかもしれない。
めぐみと同じように。
....私の人生って定期的に超難関山場に当たるよね。
なんなん?
現実を見て、受け止めて、焦る訳でもなくただ冷静に思考を巡らせる、
「.....FUSHI」
「きっと私はFUSHIが知ってる"ヤチヨ"じゃない」
「..ぇ?」
「だから教えて。何があったの、この世界で」
必ず、あの3人の元へ帰れると確信して。
ハッピーエンドを終わらせないために。
〜EX 枯れた月華に太陽を ① 話〜
次回はかぐや、彩葉、めぐみ側のお話になると思います。
この先ヤチヨはどうなっちゃうのか.....帰れるといいね☆