超かぐや姫の世界に転生してしまったので... 作:大塩tune八郎
不定期で更新します
オリジナルの設定が含まれるので苦手な方はご遠慮ください
週2投稿と言ったな、あれは嘘だ。
あるぶんだけ一日づつ出していきます。
そこからかぐやの快進撃が始まった
当然宇宙人のかぐやは配信のことなど全く知らない
だから、思いついたことは全部片っ端からやっていく。後追いだとか、二番煎じだとか、気負いや照れだとか、そんな言葉はかぐやの辞書には存在しない
宇宙人かぐやの考えは至ってシンプル、
「この動画のダンス可愛い〜〜。かぐやもやーろぉっと♪」
である。思いついてから実行までどんな風にするか、何時やるのかetc.....を考えたりなんぞは無い
それがかぐやの流儀だ
そのおかげで私も彩葉も忙しく振り回させれっぱなしだ。でも、楽しいから悪い気は起きない
「今日は〜、お悩み相談しちゃうよ〜」
「かぐやとヤマトがいい感じに答えるぞー」
今日はヤチヨを真似をしたお悩み相談の配信
回数を重ねると配信は慣れるもんである。人間の適応能力は偉大だ
「じゃあまず1つ目『こんにちは、私はいつもお世話になっている部活の先輩に何か特別な贈り物をしたいと考えているのですが、なかなか良いのが見つかっていません。おすすめの物はありますか? 』だってかぐや、最初から難しいねぇ」
「あー、そういうのどうでもいい!時間をかけて考える!貰って嬉しく無いなんてことはない!想いが伝わるのが最重要事項でしょ!!中途半端に終わってモヤモヤするのは嫌だし!それが大切だと思う!」
よくスラスラと答えれるな、ものではなかったけど的を得てる回答だし。思わず拍手をパチパチパチとしてしまう
「次はヤマトの番だね。ええっと『お財布が苦しいとき、食事はどうすればいいですか?』だってー」
「んー、これはいろPの方が詳しく知ってそうだしいろP〜」
「へ!? 私!?ええっと、こんにちは。いろPです。まず、周辺で1番安いスーパーを.........」
「.....すれば食い繋げれます。以上です」
....なんて言うか彩葉って苦労してんだなっと再確認させられた。最初はいろPの登場に盛り上がっていたコメントもあまりのガチ加減に心配や応援のものに色変わりしていった。答えた後に自分が詳しいことに恥ずかしくなったのかハッとした表情をした後少し悶えていた
振ったの私だし、後でなにか買ったげよ
「まだまだ答えて行くよー、ヤマトはもう1回ね」
「うぃ」
「じゃこれで『こんばんは、私は高校受験を今年に控えているのですがあまり勉強に意欲が出ません。助けてください』」
「これは簡単な話よ。つまり、自分の成長を感じれていない、だから勉強に腰が入らないんだよね。これ」
「自分の良いとことか頑張ってたんじゃね?ってことを思い出したり、見つけたりすることでだんだん自信がついて辛くなくなると思うよ」
「おおー」
これは前世での自分がそうだったから、簡単に答えれた。大学受験のとき何度心が折られたことか。自分の過去が励みになってくれたから東大、受かれたんだろうなぁナツカシ
こんな調子でいくつも配信、動画を投稿していった。彩葉も最初はかぐやからのお願いを断れていたものの、少しずつチョロ葉にされていった。相変わらず押しに弱い彩葉である
本来は鉄壁のはずだった彩葉の勉強、アルバイト計画の合間にグイグイと入り込んでくる『かぐや・ヤマト・いろP』の配信活動は、日を追う事に耳目を集めていき、夏休み中盤の頃には最下位に近かった順位を280位にまで上げていた。ど素人3人の活動としては大健闘である
しかし、
ーーー
〜〜〜
「.....お久しぶりですね、覚悟が出来たってことで...いいですよね?」
私の目の前には月見ヤチヨ、その本人がいる。一向に連絡がないから少し焦っていたが無事話す場を設けれた
「色々調べさせてもらったよ。███さん」
「調べたぞ、お前が何者なのか」
ヤチヨとFUSHIが警戒した声色で言う。やっぱりあの接触はまずかったらしい
「1つ話の前に聞きたい。お前は、なんでこんなに、」
「情報が少ないんだ...!?」
FUSHIが睨みつけながら言う。そりゃ警戒されるよな、未知の存在が自分たちの秘密知ってるとかホラーだし
間をおかずに、真剣な目つきで答える
「それも含めて全部話す。私たちの目的、目指す場所は同じなはずだから」
これは本当でもあるが少し言い方が嘘かもしれない
「ヤチヨは、彩葉の歌を聞いて地球に戻ろうとした。その時に隕石との衝突で8000年前まで行ってしまった。そうだよね」
「じゃあ、歌を、続きを書いた彩葉がその後どうなるか知ってる?」
ヤチヨはかぐやだ。それも多くの人に、者達に、絶望に触れ合ったかぐや。そんな存在が1番危惧し、望まいな結果になったことを話す
「彩葉は...亡くなるんだ。過労とストレスによって」
前世で見た超かぐや姫、その結末は主人公達の不幸で幕を閉じていた。それが話題になった要因の1つでもあったんだろが、酷な話である
「.....うそ、なにかの悪い冗談だよね...?」
ヤチヨは絶望した顔をしている。自分を今にも殺してしまいそうな殺気を放ちながら
それでもキッパリと言い切る。真剣な眼差しで
「嘘じゃない、これから起きる本当のこtッッぐッゥ」
息がッッ
「こんなに怒ったのは久しぶりだよ....こんな冗談、許さない」
「...カッ...はなしをッ...きい...てッ..」
パンッッ!!!
「ガハ..ゲホゴホ...」
FUSHIがヤチヨの手をはたいたおかげで拘束から外れ息が吸えるようになった
「ヤチヨ!ツクヨミを作った理由忘れたのか!?」
怒鳴り声でヤチヨを叱責しているFUSHI、悲しそうな、悔しそうな顔のヤチヨ、咳き込む私は必死に息を整える
「ゲホゲホッ....ハァハァ、ありがとう、FUSHI。ヤチヨ、なにも自分はこの事実を伝えにきたんじゃない、したいのはその先」
改めてヤチヨ、FUSHIの方向に向き直る。
「彩葉を救うために、ヤチヨの知識を貸して欲しい」
ヤチヨは信じない様子でこちらを睨み続けている。
FUSHIは話を最後まで聞くつもりではいてくれている。
そんな状態でも、私が知っている全てを話す。
ただ、幸せに生きて欲しいと願ったから...
ーーー
「まだまだ足りない!どうすればいいのだー!」
晴天、絶好の海水浴日和だ。そんなこと気にする様子もなく、欲張りなお姫様は全然納得していない様子だ。砂浜に広げたレジャーシートの上でゴロゴロと転げ回って不満を見える形で表している
「ゆ゛う゛し゛ょう゛し゛た゛い゛いーー」
かぐや、彩葉、芦花、真実、私の5人で海に来た。知らぬ間にかぐやは芦花と水着を買いに行っていたらしい。かぐやは初水着、芦花は新調したようだった。彩葉と真実は去年と同じ水着での参加だ。私も芦花と同様新調したものを着ている
「かぐや、暴れない」
「こないだの歌配信めっちゃ良かったけどねー」
「ね、かぐやちゃんゲームも歌も上手いよね」
ベタベタに褒められとる
「まあね。天っ才、歌姫ですから」
分かりやすく調子に乗ってるし、鼻がなんだか伸びてるような...
「オリジナル曲も良かったしさ」
「わかるー。あれ彩葉が作ったやつなの?」
「彩葉、可愛い上に天才すぎ〜」
賞賛が彩葉へと向かい始めたぞ。嬉しそうで私は嬉しいよ
「あ、あれは昔に作ったやつだから....」
「███もなにか歌わないの?歌配信のとき歌ってはなかったじゃ〜ん」
「人前で歌える程上手くないよ、私。それにゲームの方でインパクト出すから問題なーし」
「需要あると思うけど」
腕を組んでそう真実に言い答える。芦花が言う通り需要が欲しいのも事実だ、実際最近は初期に比べて伸びが少し落ちてきている上に、1位爆走中の黒鬼には到底届きそうにない
そう思っているのは私だけでなく、かぐやもらしい
「ぐわぁー。でも、やっぱり優勝したい!こんなんじゃまだ足りないよー」
「芦花〜、どうすればいい〜?」
「うーん、もう結構色々やってるみたいだしなー」
かぐやと頬を引っ付けるようにして、スマートフォンの画面を覗き込む芦花。かぐやは甘えるのが上手だねぇ〜
「はいはーい!私あるよ、ナイスアイディア。いろP初登場配信は?これまで正体を隠していた彩葉がついにベールを脱ぐことにより新たな需要を-------」
「はい、却下」
言い終わらないうちに、ピンと伸びた真実の手を彩葉が引っ張り下ろした
「えー、なんでー」
「何でじゃないの、私は絶対に配信には出ないから」
「え、出てるじゃん。お悩み相談のとき、狐の着ぐるみ着てはいるけど。これ彩葉でしょ」
あ、と言ったような表情をしている。言い訳を自分の中で並べてるんだろうなぁ
「と、とにかく、私はメインははらないから!」
大きな声をだし、NOを突きつけると、
「そんなのヤダー!一緒出てー!新曲も作ってー!伴奏もしてー!」
「それに、███ももっと一緒に配信やってー!」
NOを突きつけてる人に対して2個も要求を付け足す図太さ、やはりかぐやは肝が据わってる
受験が無ければやっていたろうが流石に東大受験をするので自分の時間は大切にしたい
「.....ねぇ、彩葉、███」
あ、まずい
「このままじゃ、優勝できない」
ガ、この声を出されると脳みそが優先順位を勝手に変えてしまう
「かぐやのこと助けて.....」
ガガ、潤んだ瞳でこちらを見つめてくる
「彩葉に、演奏して欲しい...」
「███ともっと一緒にゲームしたい....」
ガコン、さぁ、理性を働かせてNOを言うんだ自分よ!!
「ま、まあ、時間が空いてたら....ね」
「OK、スケジュール見直す」
「よしゃー!もっともっと配信するぞー!!」
くそう、なぜ、断れない...!理性よどうして負けてしまうのだ....!
「ちょろは〜」
「ちょろ██〜」
天に拳を突き上げるかぐやと反対に、白砂を握る私と彩葉。そんな対比を眺めながら芦花と真実は笑顔を咲かせた。いや、笑い事ちゃいますねん
するとかぐやがイワガニの大群を彩葉に見せに来た。...と言うよりも彩葉に突撃させている
「うわあ!?」
驚いて波打ち際まで逃げ、カニからのアタックを必死に避けている彩葉を眺めながらふと、
「2人とも明るくなったよね、雰囲気がさ」
ん、真実?
「突然ふって、二人でいなくなっちゃいそうだったもんね」
芦花までそんなことを言う。彩葉はともかく、私ってそんなに追い詰めた雰囲気してたのか
「かぐやちゃん、どんな魔法使ったんだろ。ちょっと悔しいけど、本気で応援したくなったかも」
複雑な気持ちだろう、彼女は。それでも後押ししてくれる優しい人ということを知っている
「しよっか、コラボ」
「いいね〜」
「え、いいの?」
20万超の美容インフルエンサーとグルメインフルエンサーとのコラボが決定した
まだまだ忙しい夏は終わらなそうだ、がんばろ
ーーー
超有名インフルエンサー2人の後押しを受け、かぐや・ヤマト・いろPの注目はうなぎ登りに高まった
彩葉はそんなの関係ねぇと言った感じで勉強・アルバイトの生活に戻そうとしている
一方かぐやは配信のモチベーションがブチ上がったようで、今まで以上のペースで、激辛食品実食動画、恵方巻き1口食べ切り動画、自作ペットボトルロケラン発射動画、高難度ミッション連続クリア動画など....なかなか平成を思い出すような動画をあげている。シンプルに面白いんだよなぁ
「普通に歌枠配信とかしないの?」
なにも考えず思ったことを聞いた、しかしこれは迂闊だった
「じゃあ、一緒にやろう?」
こうなることを見越せなかったよ....
彩葉はこれを見て、黙っている選択を取っているようだがかぐやには無謀に等しいようで、
「彩葉、今日の夕飯はビーフシチューだよー。ち・な・み・に、明日の歌枠配信いろPが30分伴奏してくれたら、150時間コトコト煮込んだタンシチューにアップグレードされるけど........どうする?」
などの人類、ひいては日本人には到底断ることが出来ない取引を持ちかけてくるから厄介だ。彩葉、美味い夕飯のために犠牲になってくれ
「みんなー、今日の歌枠は久しぶりにヤマトといろPが参加してくれるよー。バイブスが高まったらワンチャン着ぐるみ脱ぐかもだから、みんなバッチリ盛り上げてねっ!」
かぐやと一緒に歌うのは楽しいし、歌うこと自体好きだが、やっぱり人前で歌うのはまだ慣れない。歌っているかぐやを見ている方がちょうどいい
「みんなー、かぐやのこと好きー??」
名前とは裏腹にかぐやは太陽の様に、煌びやかなツクヨミに中でも一際輝いて、見た人みんなを楽しませて虜にしてしまう。主人公というのは罪な存在である
目が合えば、
「彩葉、今日は何食べたい?」
動揺で彩葉の演奏が少し乱れる
「えへへ、やっちゃった☆逆に神回かな?」
-------本当にご馳走様です...!!!!
ちなみに、芦花と真実はと言うとすっかりかぐやに取り囲まれたようで、3人、私が入れる時は4人でせっせとゲーム配信をしている。最近多くやっているのは今流行りKASSEN:SENGOKUってモード。かぐやは筋がよく2人にベタ甘やかされている。あまり甘やかしすぎないで、と彩葉に言われたがこの2人にそれは意味がないだろうと思う
彩葉はチラチラと気になってはいるんだろうが「私には関係ないけれど。」と言った様子だ
そんな関係ないフリをしてしている彩葉がエナドリをキメ勉強に没頭していると、
~side彩葉~
「彩葉!███!助けて!」
いきなり背後から抱きつかれて死ぬほど驚いた。何よ、いったい
「このままじゃ、かぐや結婚しないといけないの」
ちょっと目を離しているうちに何があった
「なんかー、創作料理の配信してたはずだったんだけどー。求婚コメが殺到してさー。めんどくさいからゲームで勝ったらいいよーって言ったら、今めっちゃ追い詰められてんの。彩葉代わりに戦って〜」
いやいや、急展開すぎるだろ
「むーり」
「ちょっと待ってて」
「『SETUNA』ってやつ!」
KASSENの対戦格闘ゲームだ。ルールはシンプルな1体1。体力ゲージを削りきった方が勝ちの2本先取。
「あっという間に1本取られて、2本も......あ、もう死にそう」
「「今、対戦中なんかい!」」
しまった、ついコントローラーを握ってしまった。これは決して結婚を阻止したいわけではなくてゲーマー魂に火が付いただけで--------
「彩葉、なんか言った?」
「何も言ってない!おらぁ!68ヒットォォ!!」
「相変わらず化けもんみたいなコンボ...」
いろP・ヤマトによる怒濤の28連勝でリスナーを蹴散らし、負け惜しみのコメで若干の炎上を起こしつつも雑談配信の幕を閉じた
よし、勉強の続きだ。文句のあるやつはいつでもかかってこい。私と███でコテンパンにしてやる
ーー
なんてドタバタするうちに、かぐや・ヤマト・いろPはグイグイとヤチヨカップの暫定順位を上げていく。それに付随して集まってくるのが、
「うひひひひ、ふじゅ〜がこんなに。うひひひ」
ファンの方々からのありがたいお布施である
「大量大量ザックザクぅ〜♪このお金で美味しいお寿司食べいこうぜ〜」
更にふじゅ〜はユーザーの脈拍や脳波をスマコンで検知し、感情をポジティブに働いたと判定されれば運営から支払われる仕組みになっている。それだけたくさんの人の心を動かしたということなのだが.....
「いいねぇ〜、うひひひ、大判小判ザックザク〜〜」
露骨に調子乗ってんね、この2人は
「あのね、2人とも。こんなのは所詮あぶく銭、水物なんだよ」
一応釘は刺しておくものの、
「でも〜〜、合法でございましょ〜〜?」
「お布施なんだから〜〜、有り難く使わせて貰いましょ〜?」
そうなんだけどなんかムカつく〜
「せめて部屋は片付けてよ」
配信用の小道具が加速度的に増えていくのは何とかして欲しい。四畳半のアパートは足の踏み場はおろか、息を吸う場所もないほどだ。███の部屋に持っていってもらってる上でこの状態なのだからどうしようもないかもだが
「えー、無理だよ。この部屋狭すぎるんだもん。███の部屋ってまだ入る?」
スマコンを付けた機械的な目でかぐやの方を向いて✕のポーズを作り、
「無理だよ。これ以上はお断りしまーす」
「えぇ〜、やっぱり引っ越そうよ彩葉。いい物件、見つけたんだ」
「まじで言ってんの、それ......」
「大マジ!あ、でも、その前に---------時間だよ、彩葉」
「ああ....うん」
わかってるよ、もちろん。ていうか、数時間前からほとんどそのことしか考えていない
「まずは大掃除だー!おりゃーーー!!!」
ブルドーザーのごとくガラクタを壁際に寄せるかぐや、何とか2人分のスペースを確保する。これ、掃除じゃないからね
その後、かぐやは動きやすい服装に着替えて柔軟体操、発声練習からの謎のダンスで気合いを入れてから、
「じゃあ、行こっか」
楽しくて仕方がないといったふうに笑みを漏らした
今日はかぐやの初ソロライブ。いつもの歌枠配信ではなく、ツクヨミ内のライブコンサートを予約し、告知をうち、スタッフを雇い、お客さんを入れるて行う正真正銘のコンサートである
「準備完了ー、いつでもいけるよー」
「本当に私も行くの....?」
ヤマトはステージの音響や演出を担当
伴奏はかぐやたっての希望で--------いろP
着ぐるみは着ていいし、しっかりとギャラも支払われると言うのでアルバイトも休んでOKしたけれど、本当にいいのだろうか。かぐやの記念すべき初ステージ、その横が私で、
「来て。い・ろ・は!」
かぐやはそんな私の不安を溶かすようにますますと笑顔の輝度を上げる
指を繋ぎな合いながら2人同時にツクヨミに入る。瞼を開くと、いつも一緒の犬DOGEが元気に私たちを迎えてくれた
ふと思う、かぐやはどこまで行くんだろう。私は、どうして隣にいるんだろう
「間もなくです、5秒前!」
スタッフさんの合図が飛ぶ
幕が上がり、熱狂が、歓声がプレッシャーとともに押し寄せる
ヤチヨの見た景色のほんの一部が垣間見えた気がした
ーーー
かぐやの初ソロライブは大盛況のうちに幕を閉じた
SNSには数日たった今でも肯定的な反響が乱れ飛んでいる。そんなエネルギーに撃ち出されるようにかぐや・ヤマト・いろPのランキングは跳ね上がり、その余波を借りるようにかぐやは私と███を外に連れ出した
~side███~
今日はかぐやの初ソロライブ記念として、やりたいことに付き合う予定だ。なのに...
「なんで私の私服を買いに来てんのさ〜」
「いいじゃんいいじゃん。いつも同じのしか来てないんだし、かぐやが買っちゃる!」
かぐやのお願いが私の私服選びだったとは...
嬉しい反面これから起きるであろう出来後に心の中で頭を抱える
「じゃあ、これとこれ、あとそれも着てみて」
「こっちも良さそう、はい、着てみて」
大量に渡された服のセットを着ては見せて、脱いで着てまた見せる。そう、着せ替え人形状態にされるのだ。この2人、芦花と真実の賜物でファッショセンスが磨かれているのもあり、私に似合うコーデを決めてくれるのは有り難いのだがこうなると満足するまで終わらない。
果たしてお昼までに終わるのだろうか....
約1時間後......
「よし、これにしよう!」
「んふ〜、似合ってんじゃん」
やっと終わった....シンプル疲れるんだよな脱いだり着たりするのって
1時間の死闘の末。彩葉とかぐやが選んでくれたのは、
・アウターは、カーキ色のワイドパンツタイプのサロペット(胸当てと吊り紐がついたつなぎ服)
・インナーは、白の長袖トップス
・アイテムが、黒の巾着型バッグとクリアフレームの眼鏡
といった、全体的に大人っぽいカジュアルな感じをだしている服装に落ち着いた
高校生には少し背伸びしすぎな服装じゃないかと思ったが私は意外と年齢を間違われることが多い、歳増しで。ゲセヌ
心は28のニアピンアラサーだということを忘れてしまいたい、現実は非常だ
元の服に着替え、会計をしようとレジに行こうと着替え室から出ると
「じゃあ、会計してくるから2人は外で待ってて」
「え!?」
「?どうしたの?」
「てっきり、私が払うとばかり...」
「いやいや、かぐやがやりたくてやってるからいいの。ほら、行った行った〜」
まさかの、まさかだ。かぐやが私に買ってくれるらしい。でもこれ、本来は初ソロライブ記念なのだから私がいい思いしていいのか?
そんなことを思っていると、かぐやにはお見通しにようで、
「いいの、いいの。かぐやお金持ちだし。気にしないで〜」
「天狗にならないの」
なんだか悪い方向に見栄えを張っている気がする..
彩葉、教育してくれ
その後、彩葉のヤチヨグッズを買いに行ったり、美味しいものを食べたりと楽しい時間を噛み締め、3時頃、かぐやが私たちを導いた先は--------
「え、不動産屋?」
「ねぇねぇ、こことかどう?」
物件探しを買い物の括りに入れるなと言いたげな彩葉を横目に、かぐやがネイルの乗らない人差し指で示したのは、不動産屋が大張で表通りに張り出している自信満々の看板物件
<極上空間を味わうデザイナーズタワーマンション 3LDK 家賃35万円>
目眩がするよな物件だ
これからここに住むことが分かっていても、これはなかなか...
「こんなとこ住んでたら人間おかしくなるって」
「いいじゃーん。かぐやが出すからさぁー」
そう言った途端、彩葉がしゃがみこむ
「はぇ?彩葉なんか見つけたのー?」
かぐやが彩葉の身体に触れる
「大丈夫?彩葉、身体アツアツだよ?」
「っ!」
彩葉は、気がつけばいつの間にか冷や汗がダラダラ垂れており、ふらついて、気を失っていた
「かぐや!今すぐタクシー呼んで!」
「ッ!わかった!」
「彩葉、大丈夫だからね。私がついてるから」
ーー
アパートへ急いでもらい、かぐやに先に行って部屋の冷房をつけて、お布団を引いといてと頼んだ
「っ彩葉、もう少しだからね!」
私は触れたら火傷してしまいそうな彩葉を背負い、彩葉の部屋へと足を進めた
ー
かぐやは彩葉のために台所で料理をしている。私は彩葉を見守っていた
「違う!ヤバい......バイト」
日が沈み始めた頃、2時間程だろうか。彩葉が目を覚まし布団から起き上がろうとする。だが、それも叶わずよろけて立ち上がれず布団にしがみつかれる
「彩葉、しんどい?」
「平気、すぐ出るから」
「何言ってんのダメに決まってるでしょ」
そう言い、彩葉を布団に無理やり寝かせる
「でも...」
「バイトなら私が休む連絡しといたから。彩葉、もう休んで」
「...え、███が?」
「あと、いっぱいふかふかも置いといたから、いっぱいふかふかしてね」
「ふかふか?ああ、ふかふかか.....」
布団の周りにはかぐや選りすぐりのふかふかもふもふのぬいぐるみたちが包囲している
「.....ありがと」
周りにあるぬいぐるみの1つを抱きしめそう言った。気を使われて嬉しそうな顔をしている彩葉はなんだか可憐だった
「あ、あと病院!病院行こ、一緒に」
「え、病院?......は、お金かかるからやだ」
「そんなもん、かぐやと███に任せときっ」
お玉を握った左手で力こぶを作ってむせるかぐや。しかし、彩葉は抱きしめているぬいぐるみに爪をにぎにぎと食い込ませる
「やっぱり、無理だよ.....」
「全部ギリギリで予定組んでるから.....何日も休んだら、もう追いつけないよ.....そしたら奨学金も.......出ないかも.....」
自分自身よりも勉強を優先する彩葉、出てくる言葉はネガティブなことばかり
「彩葉.....」
そんな彩葉をかぐやは潤んだ目で見つめ、1度私が過去に聞いたことを言う
「何で彩葉は、そんなに一人で頑張らないといけないの?」
「あ、かぐやそれは....」
弱々しい声を漏らしながら、
「うっ、うっ......かぐやのせい?かぐやもめっちゃ無理言っちゃったし......彩葉ぁ、死んじゃったらヤダぁ〜〜」
穴という穴からあらゆる液体を出しながら洪水のように大粒の涙を流す。死なせないよ
「そ、そんな大袈裟な...死にゃしないよ」
「だって、映画とかだと人間ってすぐ死ぬじゃん!そんでゾンビになって生まれ変わって転生して宇宙に旅立って......わー、彩葉行っちゃヤダー」
「何個の映画ごちゃ混ぜになってるのよ、大丈夫だから」
感情豊かなかぐやがここまで泣いているのを見るとビックリする。何故か病人の彩葉が看護師のかぐやの背中をさすっている。
私は食後のデザートでも買ってきますかね、2人で話をした方がいいだろうし
ー〜ー〜ー〜
~sideヤチヨ~
自分の記憶にはいない、彩葉と一緒によくツクヨミにいた謎の女。最初は私が知らない友人なのだろうと思っていた。しかし、過去の私、かぐやが宣戦布告したあのミニライブ後にことは起きた。
その女が自分の秘密を知っていた。
今まで過去に秘密を話した人は何人もいる。でも、全員亡くなっているか、既にヨボヨボのご老人になっているはずだ。もちろん話した人の末裔の可能性もないわけではないけれど。
だから、その女について徹底的に調べた。戸籍、地元、友人関係、家族関係、家系、今のいままでどこで何をしていたかも全て。
それでも出てくるのはなんの変哲もない、ただの女子高生ということだけ。
怖かった
記憶にいない、秘密を知ってる女が、彩葉と過去の自分の近くにいることが。
それでも彩葉を見守るために、勇気を振り絞って、女との話し合いに応じた
ふざけている
許せない、彩葉がそんな、そんな.....
そんなわけが無い
じゃあ、私がここまで頑張ってきたことは意味がなかったって事..?
そんなわけない、これは悪い冗談で、彩葉は...上を向いて歩いてくれたはずだ
だから、だか...ら...
.....
その目で私を見ないで
見るな!!!!
ーー
落ち着きを取り戻して、数分。女...いや、彼女から、なぜ秘密を知っているのか、結末を知っているのか、彼女が何者なのか、全てを聞いた。
この人は、悪い人じゃなかったんだ。なのに、私は...
『彩葉を救いたい。力を、貸して』
真っ直ぐな目で私を見つめてくる
なぜ彼女はこんなに強いのだろう
そんな疑問を浮かべながら計画について聞いた
.......ああ、彼女も同じなんだ、" 彼ら "と。
でも、それが彩葉を悲しくすることでも、
彩葉が。大好きな、会いたくて会いたくて今にもおかしくなりそうなほど愛す彩葉が、
生き続けられるなら...
「いいよ、協力する」
惜しむ理由にはならない
ヤチヨをキレさせる方法!
①彩葉のことを傷つける
②ヤチヨの努力を否定する
③恐怖を与える
みんなもやってみてね*⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝*