超かぐや姫の世界に転生してしまったので... 作:大塩tune八郎
不定期で更新します
オリジナルの設定が含まれるので苦手な方はご遠慮ください
戦闘シーン、かけないのよ。語彙力も文彩もないのよ。
『みんなのために、わんわんお!ヤチヨカップの公式実況者担当、忠犬オタ公です。今日も元気に、職務果たしちゃいまーす!今週のヤチヨカップ特集、暫定4位までは公式を要チェキ!君の推しはいるか?ではでは、トップスリーの発表だ。3位、癒し系アイドル湯雲ぬくみ!2位、ハイスペエルフ、テレリリ・ティートテート!そして、下馬評通り独走状態だ。堂々第1位、ブラックオニキス!もはや、この3人で決定か?ちな圏外だけどランキング爆上げ中のチームがいるんだよね。みんな知って-----------』
「ん〜〜..」
忠犬オタ公の定期配信を聴き流しながら、私はパソコンにコードを打ち込んでいた。
本来なら、彩・かぐ・芦花と一緒に真実の家(inツクヨミ)でゆったりしてるべきなのだが.....
「未知の技術、めんどくさすぎる...」
元光る竹のもとい月の技術を転用するために独り部屋に籠っていた。
こうならもっと大学の研究やっとくんだった....
そんなことを思っていると、
[ブブッ]
スマートフォンにメールが届く
「....ああ」
そういえば今日だったなと。メールの内容はブラックオニキスと竹取り合戦そして、挑戦を受けるから準備しといてと書かれていた
「 ヤチヨの乱入ないのはな〜、上手い事抜け出せるかな」
知ってるシナリオ通りに行ってもらわないと困るんでね。KASSENは不参加とさせて頂く、それはそれとして生で見たいので誤魔化して抜けさせてもらおう
ー〜ー〜ー〜
『注目のイベントが始まります!王者ブラックオニキスが異例の速度でのし上がった超新星かぐや・ヤマト・いろPに宣戦!そしてまさかの求婚!』
『一時ブラックオニキスファンの間では波紋が広がっていましたが、いつもの冗談だと思います』
『運命を懸けたKASSENが今ここツクヨミ特設スタジアムで始まろうとしています!』
ソッコーで決まったかぐやvs帝の『世紀の竹取合戦』は会場を超満員にし、盛り上がりを見せていた
モニター席では元プロゲーマー・乙事照琴と解説を務める忠犬オタ公が盛り上げるための口上を述べている
『ヤチヨカップの結果発表も残り1時間ですよね』
『この勝負の結果次第ではかぐや・ヤマト・いろPの逆転も!?』
『ルールはSENGOKU』-------------
いつもの狐の着ぐるみを纏った彩葉は立ち尽くしている。
大丈夫そ?
~side彩葉~
どうしてこんなことに....。ヤマトは冷静に、緊張のきの字も無さそうだ。それを尻目に私は深い溜息を吐く。ちなみにかぐやは、
「ま〜だ〜?」
と、未だ現れないブラックオニキスに倒して不満気である。こちらの気も知らないで嫌味なくらい普段どうりな2人だ
かぐやが犬DOGEと遊び始めようとしたその時、会場上方の岩壁が爆発する
会場に花火を上げ、ド派手な登場をしたのは帝。その後に乃依と雷。試合前の余興だ
会場のボルテージが上がる。このためなら、なんでもする男だ。
『黒鬼!ご来臨ーーーーーー!』
盛大な歓声に迎えられ、ブラックオニキスの3人が登場した
今日、私はこの男たちに勝たなきゃいけないのか......。この期に及んであまり前向きにはなれなかった
「どーも、対戦受けてもらってありがと」
「久しぶりですね。帝さん」
え!?ヤマト、この男と知り合いだったの!?たしかに大会に参加したとは聞いていたけど、もしかしてそこで..?
「ヒュ-そんな殺気バチバチに睨まないでよ楽しみになっちゃう」
「残念ですけどその楽しみは叶えられません。じゃ、2人ともあと頑張って〜」
「はぁ!?」
そう言い残しヤマトはログアウトしてしまった
は?なにしてんの?人数足らないんですけど....!
どうしよう....急で悪いけど芦花か真実に頼むしかないかな.....
そんなことを考えていると空から巨大な玉手箱が降ってきた。こ、これはまさか......!
「じゃっじゃーん!呼んだー?」
ヤチヨ.....ヤチヨだ.....!
玉手箱からぴょーんと飛び出して、バトル用の爽やかな衣装のヤチヨが現れた
「えええええええぇぇぇぇ!?!?!?」
「えへへ、絶対勝とうね」
可愛らしくポーズを決めて、にっこりと笑った
やばい、勝ちたいかも
ーー
~side███~
無理やり抜け出し、無事ヤチヨが合流したのを配信で確認したあと、私は準備の〆に取り掛かっている。
ここ数日、昼間は彩葉と勉強、かぐやと配信、夜は準備作業をしていたのもあり、頭がクラクラする。だが関係ない、これが終われば久しぶりに2時間以上寝れる。もちろんヤチヨカップの結果を見てからだが
「....」タタタタタッ
なんやかんや30分ほどパソコンに打ち込み、機械を通して特別なスマコンにデータを入れていく。そしてついに、
タッ「....できた..!」
完成した。私人生で最も研鑽と苦労を重ねて作ったもの。
それを慎重に機械から外し、ケースに入れる
ふぃー...終わったぁ....。よし、2人と合流するか
気持ちを切り替え、ツクヨミに再度潜ってゆく
〜〜〜
「2人ともおつかれさま〜、ごめんね急に抜けちゃって」
「あ!敵前逃亡艦ー!」
「ちょっとなにしてたの?ヤチヨが来なかったら----」
潜ってすぐ、2人がこちらに言い詰めてくる。当たり前である。何をしていたか問われても何となくボヤけさせて、それに反発するように詰められサンドバックになっていると、
「いと大儀〜〜☆」
ヤチヨが鳥居の上高くに飛びながら、ヤチヨカップが終了したことを伝える。その姿は優雅に空を泳ぐエイと言ったところだろうか。そんな姿をいくつものスポットライトが捉えていた
「とーっても楽しいKASSENでした。そして、たった今!ヤチヨカップの投票を締め切ったよー。FUSHI集計お願い!」
「はーい。1、2、サン、スー、ファイブ、セイス、ズィーベン、ヨドゥル........ちーん!集計完了」
「それではヤッチョとコラぶる人を、発表ー!」
FUSHIの口からにょきっと吐き出された巻物をヤチヨが受け取る。同時に夜空に巨大なスクリーンが発生した。ツクヨミの全ユーザーが注目する中、色様々な棒グラフが伸びていく。
「ヤチヨカップの優勝者は〜〜☆」
元気に発表を盛り上げようとするヤチヨ。それと反面、周囲のユーザーは結果なんて決まりきっている。と言いたげな、明々白々な態度。誰もがそう予想した黒色の棒グラフが、
「ヤチヨカップの優勝者は〜〜☆」
月色の棒グラフに抜かれ、追い越される!
「かぐや・ヤマト・いろP!!」
「「めでたしや〜〜!!」」
爆発するように歓声が上がり、周囲は予想外の結果に大いに盛り上がる
彩葉は圧倒的な音圧と熱狂に押され膝から力が抜けてしゃがみこむ。かぐやは 、
「えっ、負けたのに、えっ.........やっ....やっっっっったああああああああああ!!!」
全身で喜びを表す大ジャンプをキメていた
「おめでとう、かぐやちゃん、彩葉。一応ヤマトも」
一応ってなんだ、一応って
モーセの様に人混みを割って来たのはブラックオニキスの面々
「ゲッ、やば、結婚!?」
かぐやが今の今まで忘れていたかのように声を上げた。私も忘れていた
周りを見回し、
「これじゃ、勝ったとは言えないな」
「ん?お?あー....」
「ま、元々無理やり結婚する気なんてねーし」
「だよな!かぐやも知ってた!」
嘘つけ、絶対信じてたぞ
「んで、彩葉のお願いしたいことってなに?」
「え、聞いてくれるの?」
「いいから、早く言いなよ」
少し驚いた顔をしながら、彩葉が言う
「....。引越ししたいの、それで保証人になって欲しい」
「へぇ、家ごとじゃなくていいの」
「出たよ、成金発言」
「え、家ごとがいい」「賛成〜」
「そこ、賛成しない!」
帝....彩葉お兄ちゃんは嬉しそな優しい顔をしていた。
「つーわけで、俺らファンのとこ行くから」
そう踵を返してログアウトしていった
周りの人たちもログアウトしていき、人が少なくなった頃、
「3人とも〜。よ〜きかな〜〜☆」
結果発表を終えたヤチヨが、にんまりと満足そうな顔をして降りてきた
「やるじゃねーか、マグレに頼る天才だな」
「んー。でも、全然だめだったあ。どうしたらヤチヨみたいにしゅぱババって動けるの?」
FUSHIをふんずかまえてリフティングをしながら、ヤチヨに質問する。やっぱ、肝座ってるよね
「それはもう、日々の努力の玉藻前というか〜〜、気まぐれアメンボロードというか〜〜」
「はあ?ヤチヨって、いつもテキトーじゃない?」
「んっんー。ヤチヨは優柔不断で悪いやつなのです〜〜。かぐやは、かぐやだから強いんだなって、ヤチヨは思ったよ」
「なんにも言ってないなー」
彩葉が困ったようにかぐやを見る
「さーて、ここからはクライマックスに向けてハードな展開が待っているかも。このお話を、最後まで見届けてね?運命の荒波をかき分ける準備はいいかー」
「おー!」
この言葉は私たちに対して言ったのか。それとも、ヤチヨ自身に言い聞かせているのか。私には責任として重くこの言葉がのしかかった。ズキりと胸の奥に痛みを感じながら
ーーー
ヤチヨカップ終了後私たちの身辺は激変した
無名のまま優勝したことによるファンの激増や、案件・コラボ配信の依頼とか、そういう諸々は関係なく...
「では、また後ほど。15分ほどで着きますので」
「はい、向こうにもう1人いるので、よろしくお願いします」
単純に引越しをしたからだ。そしてこれを機に、私は半同棲から同棲へと進化した。嬉しかったなぁ〜。彩葉が、
ーーー
「引っ越そうか、前かぐやが言ってたとこ」
「え、いいの!やったー!」
「やったねかぐや、これでうるさくしても大丈夫」
「それと、もう1つ。███」
「ん?」
「あ、あんたも一緒に来ない?」
「へェ?」
ーーー
なんて恥ずかしそうに言うんだから、堪んないよね〜
███、人生最高の瞬間。
ーー
「うおおおおおお、すごいすごい!」
新居に入ったかぐやは、窓ガラスを突き破る勢いでバルコニーへ突進していった
「ちょっと、落ちないでよね!」
「眺めヤバッ!すっごーい!」
タワーマンション最上階からの絶景を堪能するかぐやを迎え入れるかのように、気持ちいい風が金色の髪の毛をサラサラと浮かばせる
「はぁぁ、本当に絶景...」
私もタワーマンションの最上階から景色を見ることなんて前世でもなかったから、感嘆の声が出てしまう
「最強になった気分....」
私も同感だ。なんだかんだ、かぐやは最強なのだ
引越し業者の人が帰り、ひと段落ついた頃
「じゃあ、ちょっと買い物行ってくるから」
「さみしーから、一緒行く!」「三ツ矢買ってきて〜」
「だめ、荷解き死ぬほどあるでしょ。片付けといてね。缶で良い?」
「1.5Lのやつで〜」
彩葉は凄まじい量のダンボールを指さしながらかぐやに荷解きを命令していた。渋っていたかぐやだが、彩葉が出かけて10分もしない内にそそくさと追いかけて行った
私は夕飯に使う道具でも出しますかね
夕飯はかぐやたっての希望で手作りパスタ。だいたいは私とかぐやが作ってしまうのだが、彩葉とも一緒に作ったものにしたいので製麺機で麺を作って貰っている
この製麺機、ハンドルをゴリゴリ回して生地のシートを麺にするタイプ。これが意外と楽しいので、
「かぐやにもやらしてー!」
まあこうなるよね〜。楽しいので3人交代交代でハンドルをまわして、最後の一回しはかぐやと彩葉ふたり一緒に回した。動画撮ってて思うけどカップルチャンネルすぎるな、これ。え、動画まわす必要無いって? 思い出作りだからいいの
パスタはすぐに出来上がった。匂いの時点ですでに美味い。お皿に盛り付けるとさらに美味しそうだ。仕上げにかぐやが2つのチーズおろし器を両手に構え、カンフーよろしくポーズを決め、
「はいっ!」
おろし器を支えながら、私がコスコスとチーズを散らした。
「いただきますっ」
3人隣に並んで座り、3人一緒に手を合わせて、3人一緒に口へ運ぶ。その味はもちろん、
「う〜〜〜〜ま〜〜〜♡」
最 & 高である。
美味すぎてかぐやが立ち上がり、パスタ美味すぎダンスが飛び出るほどだ
「1番、かぐや!ここ10年でさいこー!」
「あんた生まれて1ヶ月でしょ!」
そして、彩葉が元気いっぱいにツッコんで、3人でめちゃくちゃ笑った
ーーー
〜〜〜
日は煽るように過ぎ、ライブ当日。前日にしてはまあまあな質の睡眠って感じだ。受験のときのような自信と不安の混じった、小さなトゲのある空気感を喉いっぱいに感じながらツクヨミ内ライブステージの控え室で待っていると、
「ヤバいヤバい、怖い怖い」
「だららら、蟹!だららら、うさぎ!」
彩葉は緊張でバックンバックンって感じで、その目の前でかぐやは謎の物真似ルーレットをしている。今思えば、かぐやなりに緊張をほぐしてあげてるのだろう
「はいはい、可愛い可愛い」
「優しいねぇかぐやは」
なんて適当にいなしていると、
「だららら、どじょう!」
ヤチヨがどじょうポーズでポンッと出現した。
「うわ、びっくりした!」
「あ、ヤチヨだ。おつ〜」
「おつ〜」
かぐやがタメ口で挨拶するのを彩葉は気にしてるようだ
まあ、私も便乗するんですけどね。だって、
「おっつー☆」
ヤチヨはノリが良いからモーマンタイだぜ
「ねーねー、練習しすぎてお腹すいたー。終わったらパンケーキたべよ?」
今のかぐやには怖いものは無いのかもしれない。それぐらい大物発言である。彩葉なんて緊張でごはんあまり食べれてなかったのに
「パンケーキいいなぁ、ヤチヨも食べたいな〜」
クッ、胸が苦しい、ヤチヨにも食べさせてあげてぇよ
くるくると宙に浮きながらパンケーキに想いをはせているヤチヨに、
「一緒に食べる?」
「よよよ、ヤチヨは電子の歌姫なので食べられないのです」
「えー、それなんの拷問?かぐやだったら絶対無理!」
かぐやは善意でお誘いをしたが悲しくも現実は非情である。かぐやは作るのも食べるのも大好きなのだから、絶食状態のヤチヨは生きる意味さえ無いと思うほど辛いだろう
そんな話をして束の間、
『各所、準備OKです』
舞台監督からのメッセージが表示される。時間ピッタリ、いよいよだ
「いざ、ゆこうか」
回転を止めたヤチヨがこちらを向いて言う、その顔にはさっきまでのふんわりとした表情はなく、" 歌姫 "としての表情に切り替わっていた
いつの間にか自分たちが待っていた控え室は、ライブステージの一角に変化しており、ふんわりと音もなく上昇を開始する。この上昇機が上りきったら、ライブ開始か...うわ、身震いが
「うわー、すごー」
初めてシースルーのエレベーターに乗った子供のように、かぐやは歓声を上げて周りを見回した。彩葉は心臓バクバクなのをどうにか抑えようといった感じだ。そんな彩葉の傍らにヤチヨが立ち、誰に言うでもなく呟いていた
そんな2人を見て、私は独り勝手に深呼吸をした。誰にも気ずかれないように
昇降機が上がり切り、その瞬間圧倒的な圧力が襲いかかってくる。ファンの狂乱的とも言える様な熱狂と歓声が四方八方から全身をビリビリと響かせる。
銀河の中心はこんな景色なんだろうか。サイリウムがビカピカと輝く中、お決まりのセリフをヤチヨがいう
「ヤオヨロ〜〜☆みんな生きるのどうですか?良いことあった?それとも泣いちゃいそう?よしよし、全部大丈夫。どんな孤独な道のりでも、楽しかったなーって記憶が足元を照らすよ。この時間も忘れない思い出にしたいから.....どうか一緒に踊ってくれる?」
「ヤチヨ、さいこー!」「ヤチヨー!」
「かぐや、結婚してくれー!」「かぐや愛してるぞー!」
「ヤマトー!」
歓声はまだ鳴り止まない。余韻と言うにはあまりにも激しすぎる熱量が、まだ会場に渦巻いていた
歓声が止む頃、それを全て包み込んでしまうように歌姫が歌い始める
『世界いで-------------』
それは驚くほど一瞬で、でも驚くほどに熱くて、驚くほどに消耗して、
「.......彩葉、███」
.....かぐや
「めーーーーーーっちゃ、楽しかった!」
そんな、1時間だった
かぐやは興奮に潤んだ目で客席を見回し、
「好き」
「私?」「!?!?」
最終的に横の私たちを見つめてそう言った
あー待って、やばい、ありがとぉ.....
「あー、もー、彩葉と結婚しよっかなー。███は同居人ねー」
「えー、私も彩葉と結婚したいー」
まだ熱の冷めないファンたちが愛を叫んでいる中、
「ダメ?」
かぐやは彩葉を口説く
「まあ、生活費折半してくれるなら、一緒に住むのはいいけどさ」
「え、本当?」
チョロ葉だ。紛うことなき、チョロ葉だ
すると突然、ある観客の声がノイズ混じりになった。ついに来たな
少しずつ、少しずつ会場に別種のざわめきが生みでてくる
「ん?なんだろ」
ざわめきにつけ込んだ奴らはツクヨミ内のアバターに取り付き、乗っ取り、人の形をした何かとなって、
「------------」
「かぐや!」
かぐやに触れた。その瞬間、声をかけるよりも早くかぐやは崩れる。まるで電源を落としたロボットのように膝からがくりと崩れ落ちる
「来るな!」
再びかぐやに触れようとした白い腕を彩葉が咄嗟にキーボードで振り払う
腕が切れ落ち、ボトボトと黒い液体が切り口から流れ出る
明らかにツクヨミのルール外の存在に彩葉は動揺を見せた。いまだかぐやは意識を飛ばしたまま、別の人型がかぐやに触れようとすると、
人型が吹き飛んだ。一体、また一体と人型が吹っ飛んでいく。まるで、見えない何かに弾き飛ばされるように
「おいたは、だめだよー」
ヤチヨだった
海色のネイルに飾られた人差し指を指揮棒のごとく振る度、消しゴムでも弾くように人型が吹き飛んでいく。残った人型が数歩下がりヤチヨを見つめると
「モウシワケゴザイマセン」
そう言い残し次々と撤退していった。ヤチヨに対して礼をしながら煙のように消えて。
....ごめんね、彩葉
「ヤチヨ、今のは..?」
「....」
「今のは、一体?何が起こってしまうんだ?続報を待て!」
ヤチヨは彩葉の質問に答えず、演出として終わらせるつもりなのか観客に向かって大声を張り上げた
「なになに」「ヤチヨこういうの好きだからなぁ」
「演出か?」
「みんな、今日は本当にありがとう〜〜〜☆」
早々に幕が降り、緊急で通信が切断され、ステージと観客席が分断される
「ヤチヨ、今のって」
「....。うーん、バグじゃ無さそうだし、やんちゃっ子の悪戯かにゃ〜〜、調べとくよ☆」
数秒考えるふりをし、人差し指を顎に添えてキュートな角度に首を傾げた
嘘つくの下手すぎじゃないか...FUSHI、苦労してんだろうなぁ
かぐやはステージに膝をついたまま、1点を見つめている。まるで、別世界を覗いているかのように
なんでオリ主は動かなかったんだ
そんなに怖いか。シナリオ通りに行かないのが!!