NewガンダムブレイカーLie 作:プランB
敷地の大半が植物によって侵食され、入り口近くから伸びるフェンスと舗装された道路がかろうじてここが基地であったと主張している。
建物の跡に隠すように、入り口からも死角となる位置には少し違和感を感じるGファイターが置かれている。本来ガンダムが挟まる機首との間にはすでにシールドがマウントされているが、露出するべき腰パーツや腕が見えない。キャタピラも増設され、機首もカバーできる長さになっている。
プロトタイプガンダムがGファイターに近づくのと同時にアバカスから通信が入る。
「これは俺たちの遠征用個人輸送機だ。ガンダムの代わりにコンテナを入れてる。移動は上に乗ればいいし戦利品はこれに積めるってわけだ。」
プロトタイプガンダムが機首近くに掌を触れさせる。するとGファイターが起動し先行するプロトタイプガンダムを追従する。
「これでよし。さすがに2人乗りはできないからな。戦闘になるから準備しておいてくれ。」
再び歩き出した一行。通信が止むことはない。
「稼働している機体は2種類同業者か野良の発生体だ。後者は俗っぽく言えばNPCみたいなもんだ。」
「こいつらは簡単に判別できる。発生体は明らかに動きが規則的だ。その場から動かないか広くない範囲を巡回するかだ。」
「レーダーでも判断可能だ。距離はパーツ依存だがこっちの方が確実だな。ロックオン飛ばせば表示されるし発生体は無反応で中身があれば向こうに警告が飛ぶ。反応しなかったらしない方が悪い、遠慮はいらないぜ?」
(ならロックオンはつけっぱなしでいいか。好戦的な相手ならこっちがロックオンするより先に向こうがする可能性の方が高いだろう。)
しばらく移動するとアバカスが静止する。
「見えるか?俺の見てる方角だ。おあつらえ向きの発生体たちだぜ?」
機体のカメラがロックオンを示す。そこにはその場でキョロキョロしているだけの機影が3機。
ザクIIが計3機、1機はマインレイヤー、あとの2機は脚部に3連装ミサイルポッドを装備している。互いを見るわけでもなく、即応体勢にも見える状態でただ一方向を軸に辺りを見渡す。
「発生体との戦い方のコツは止まらないことだ。ここにいる発生体は最低レベル、偏差なんてできやしない。近づきすぎたら格闘するために動く以外はその場で釘付けだ。」
「戦い始めたら周りの発生体も向かってくるが…しっかりフォローしてやる。思いっきりやってこい!」
(初めての戦闘…こいつらは人じゃない…止まらないこと…スゥ~はぁ〜…よし、行くぞ!)
アクセルを踏む。スラスターを吹き、手前のザクIIに接近する。
ようやくこちらを認識した残りの2機がザク・マシンガンを撃つ。警告音に従い少しスラスターを吹かし、機体を上に飛ばす。それだけで撃たれた10発ずつの弾丸は当たらない。
そのまま肉薄しつつビームライフルを撃つ。デジャヴを感じるほどのクオリティでもう1機ザクが爆発する。勢いそのままに着地し、サーベルを抜く。
ビームサーベルによる格闘。一撃、二撃、三撃。一撃ごとにマインレイヤーはよろけ、とどめの四撃目を放つ前に爆散した。
至近距離での爆発を察し、身を強張らせる。
(…ほとんど衝撃がこない?だが煙の視界不良には気をつけないと…だな。)
「次が来るぞ〜。計6体だ。油断するなよ。」
アバカスの気の抜けた声が通信越しに聞こえる。同時にレーダーが新たな機影を捉え、表示する。
新たな機影はザクIIが4機、
(1番注意するべきはガルマザク、グフは近づかないようにしないと。まずは先手必勝!)
再びビームライフルを放つ。1番前を走っていたグフに直撃するも、撃破には至らない。一斉に発射される弾丸。慌てて横に跳ぶとすぐ側を全ての弾丸が通っていく。
(確かに偏差射撃してこない。これなら…!)
敵集団の周りを囲うように移動しながらビームライフルを放つ。オーバーヒートになるまで撃ち続け、グフとザクIIを3機撃破した。
四撃目を受け、
「もっと周りを見ろ!!」
追撃を加えようとすると通信と同時に警告音。そこにはヒートホークを振り上げたザクIIの姿が。しかしそれが振り下ろされることはなかった。
プロトタイプガンダムの試作ビームライフルがザクIIに突き刺さる。ビームライフルより持続の長いそれがザクIIを焼き、爆発させた。
「反省会は後だろ!まだ残ってる!」
体勢を立て直し、マゼラトップ砲を向ける
「初めてにしてはよくやったんじゃないか?あの程度の攻撃ならノーダメとはいかないだろうが大したダメージにはならない。だから受けてもいいってわけじゃないけどな。怖かったか?」
(いくら初戦とはいえ夢中になったいたのは確かだ…もっと落ち着かないと。)
「次は上手くできそうか?ま、もう1回か2回は遭遇する。覚悟しておいてくれ。お前の機体にはリペアキットがないんだ。安全優先でな。」
「反省会は終わりだ!なにかパーツ落ちてないか?すでに今回の戦闘で物資は獲得できたが現物があるならラッキーだ。」
辺りを見渡す。特に何も見当たらない、レーダーに感なし。アバカスが何かを回収した素振りもない。つまりボウズである。少なくとも、そのはずなのだ。
(何もない…なのに物資を獲得できた?最初の3機からなにか拾ったのか?)
胡乱げにアバカスの機体に目を向ける。なにかを察してか苦笑混じりの声で通信が届く。
「物資を獲得できたか気になるか?まぁ無理もない。こっちに来てすぐだからな。まずは発生体のメカニズムから話す必要があるがいいか?」
(…長そうだな。聞くだけ聞くか。他にすることもないし。)
ライの心の内など知る由もないアバカスが説明を始める。
「発生体、こいつらは俺たちが落とすべきターゲットの1機、タロット番号15、TheDevilの仕業だ。G武闘伝にデビルガンダムがいるがそれとは違う。それに今はDevilsと呼ぶべきなんだが…」
「脱線したな。要はそいつが生み出してるってわけだ。これから先、こいつとは嫌というほど顔を合わせることになるはずだ。」
「俺たちの機体にはそいつらの残滓を集める機能がついてる。お前のにもある…とは思うが。Devilは際限なく発生体を生み出し続ける。発生体が活動すると生み出すエネルギー、それをDevilは物質に変換できる。そういう力を持ってる。」
「つまりそのエネルギーを掠め取って、こっちでいいように使うってわけだ。Devilのそれより不自由で制限されるが、十分便利だ。具体的には…」
「破壊した対象に応じた形でしか出力できない。大体は再現できるが…例えばさっきのドロップではフェイズシフトの機体なんかは作れない。とはいえ汎用性はピカイチだ。結局特別なやつを作るのにも必要だしな。」
「俺たちの拠点は戦闘データから出力できる構成機がある。お前も世話になる。今でさえ俺たちはそれにおんぶに抱っこだ。」
「だからさっきなにも収穫がなかったように見えて、収穫ありって言ったんだ。どうだ?勉強になったか?」
アバカスの長ったらしい説明をBGMに2人は目標地点に向かうのだった。
主人公の名前定着するだろうか、筆者は怪しい。
アバカスがお前と呼んでるのは他に人がいないからです。