ただ人でありたくて   作:メめ

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十二話 深夜ダヨ。全員集合!

 

 

 

 夜も更けた頃。

 アルファちゃん達シャドウガーデンの子らに呼び出されて移動しながら話を聞かせて貰った。

 

 クレアさんが攫われた原因。そして、今の相手さんの状態。

 

「敵はおよそ五十。リーダーは『ディアボロス教団』の幹部クラスよ」

「……ほーん。ほんで、ボクは何すりゃええんや?」

「私たちとは別行動よ。貴方はクレア・カゲノーの回収よ。婚約者、なんでしょう」

「まあな。親が勝手にとってつけたやつやから、なんとも思っとらんけど」

 

 なんとも思っていないのは嘘。シドの姉。シドのことが大好きな人。……ちょい行き過ぎたブラコンぐらいの思いはある。

 そこそこ仲良くやってるから、死んだら悲しいくらいの感情はあるとおもう。それ以上はないと断言できるけど。

 

 あの人、婚約者らしいことしよう思って話する事になってもシドの話しかされんしなぁ。一緒に居て楽しいとかより、一緒に居て疲れるんよ。あの人。

 

 ボク的には、結婚するんなら一緒に居て楽しい人がええなぁ。

 後継はエレク兄さまやろうし。ボクは実家から出ることになるやろう。結婚すんなら田舎で静かに暮らしたいわぁ。……まあ、シドのやつと関係持った時点で無理やろうけど。

 

「私たちシャドウガーデンが正面からディアボロス教団を追い立てる。アンダーテイカー。貴方には、別ルートから侵入して、重要そうな敵の確保。殲滅をお願いするわ」

「ほーん。了解や」

「潜入ルートはここね」

 

 アルファちゃんの指す場所はここから少し離れた場所に丸印がされている。

 

「ここに『ディアボロス教団』のアジトにつながる隠し通路があると予想されるわ。貴方にはそこで奴らを前進しながら倒すことよ」

「りょーかいや」

 

 隠し通路。逃げ道を潰しながらね……まあ、ボクほど探知範囲広くて正確なのおらんしなぁ。逃げる奴さんを素早く後ろから刈り取るんはボクの領分ってわけか。

 

 ……でだ。

 

 ボクが気になるのは別のことでな。

 

「アルファちゃん」

「何かしら」

「シャドウはんはどこ行ったん?」

 

 さっきからあのアホの姿が見えないんやけど、何処におるん? 

 

「シャドウは何か考えがあるみたい。単独で潜入を開始してるわ」

 

 何てこったい。何しどんねんあのアホ。

 あいつのことやし、どうせ迷子になったんやろ。……一旦探してから潜入かね。ちょっと探ったるかぁ。あいつがこんなミスばっかやってたら組織が立ち行かんくなるで……。お飾りやとしても、ちゃんとしてもらわなフォローも出来ん。

 

 ……あ、おったわ。

 

「なーるほどな。……流石はシャドウはんやわ」

「なにかわかったの?」

 

 いーんや、なーんもわからんけど。何かしらフォローら入れとかんといかんしなぁ。

 さて、ボクのアドリブ力が試されるでぇ。演技は得意やないから、フードは深めに被って顔を隠して。……これで表情は隠せる。多少の大根っぷりはよくなるかもしれん。というか、何とかなっててくれ。

 

「シャドウはん。彼な、奴さんらが逃げるん見越して先回りしようとしとるわ。ボクとも違う別ルートやな」

「まさか、シャドウは他にも逃走ルートを見つけてそこから侵入しようとしてるの」

「正解! はなまるあげるで〜」

 

 まあ、ほんとかどうかは分からんけど。奴さんの近くに複数人分の生体反応あるし。そう言うことにしとくか。

 

「ボスは凄いのです」

「流石はシャドウ様」

「うんうん。流石よなシャドウはんは。優秀なキミらのボスやからな。当然っちゃぁ当然やな」

 

 どんなことがあってもガーデンの優秀な七人の構成員。【七陰】が何とかするやろし。あのアホの行動に意味付けするんわボクの役目やしな。

 それに、あいつが(技術面で)優秀なんは確かやしな。うん。大根発揮させてんよな? 大丈夫よな? 

 ……すまんな、みんな。頼むから上手く騙されててくれ。そしてシャドウのアホは成果出してくれや。フォローが全部無駄になる。

 

「……まあ、キミらなら正面を任せられる。対処できると踏んだから逃げ道潰しやろうな。ボクらは手筈通りに行こか」

「ええ、わかったわ」

 

 ……さて、ボクも配置につきまっか。早くあのバカがやらかさんかちゃんと見にいかな。

 

「幹部クラスを対処できれば、この辺りであまり活発には動けなくなると思うわ。いくわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 奥から聞こえる逃げ惑うような声や悲鳴が聞こえてくる。そして、奥から走ってくるような足音と生体反応もだ。

 

 何かから逃げるように走ってくる人達へ声をかける。

 

「こんばんはぁ。そない慌ててどうしたん」

「何者だ!」

「何者でもないで〜」

 

 ただの葬儀屋やし。

 走ってくる人らの慌て様と香る血の匂い。見覚えのあるような統一感のある装い。盗賊さんらにしては統一感のある装い。あの人らは統一感なんてないような服しか着てへんからなぁ。違いがわかりやすくて助かるわぁ。

 

「でも、ディアボロス教団の敵ではあるなぁ」

 

 coffin of undertaker を背負うように構え、姿勢を低くしてから、

 

「せやから、さいならや」

「クソッ! 逃げ道がっ──」

「コイツ、早──」

 

 教団員との距離を詰めるように跳躍して、奴さんらの身体を殴打する。相変わらず、骨を砕く感覚が気持ち悪い。……やっぱり、こないな武器使うのやめてクレイモアに戻ろうかなぁ。でも、この武器便利やし。せっかく色々カスタマイズしたから愛着はあるんよなぁ。

 

「ば、化け物め!」

「酷いなぁ。……でもまあ、気持ちはわかるでぇ」

 

 そないなこと言わんといてや、自覚はあるんやで。一瞬で武器の様な棺桶を振り回して一人瞬殺して回るんだから、とても気持ちはわかる。

 

 ……でもなぁ

 

「ゴハァッ!」

「……でもなぁ、人を人とも思わん所業に手ェ染めといて、人に人の心を問うなや」

 

 人身売買に、人体実験。非合法な薬物の取引や研究。おてんとさんの下歩けん。顔向けできん様なことしとるんやから、ボクも慈悲はかけん。

 

 棺で最後の一人の身体を殴打。勢いよく飛んでいき、洞窟内に転がる。

 探知には引っかからんから、即死したらしい。

 

 手早く全員殺してスライム棺桶に納棺。……入り口でこれか。これ引きずりながら移動するんか、ボク。

 

「悪党でもボクはちゃんと火葬したるから、安心しぃや」

 

 まあ、誰も聞いとらんのやろうけどさ。安心して寝てええで。

 

 棺桶に納棺して引きずりながら歩いて進む。

 探知の反応的に進んどればそのうちシャドウと合流できそうやなぁ。

 さて、まだ向かってきとりますし。処理してきますかー。

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