異世界転生したと思ったら、地球に転移した。なんでやねん。   作:卍錆色アモン卍

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16決戦

 

 大きく息を吐いたグレイは、全身に浴びていた大蜘蛛の体液を滴らせながらも、雄叫びを上げた。

 彼の周囲には数え切れないほどの大蜘蛛たちの死体が散乱をしており、まさしく死屍累々といった惨状だ。

 

「俺の勝ちーーーっ‼ だーはっはっはっは‼」

 

 床を粉砕しながらもグレートソードを強く突き立てたグレイは、心底面白いとばかりに呵呵大笑をする。傍から見れば大量虐殺を楽しんだ狂人だろうが、それはあながち間違いでもない。なぜなら、彼は命を奪うことや、命のやり取りの果てに生き延びたことに対して、強い興奮を覚えるからだ。

 

「はあ、流石に草臥れたわね……」

 

 ラウンドシールドを体の支えにして、レアが額の汗を拭っていた。彼女もまた、大蜘蛛の体液によって全身が汚れており、使い古されたサーコートが重く沈んでいる。

 

「ふぅ、疲れたねぇ。シズ、魔力の残量はどうだい?」

 

 丁寧に矢を回収しているルークは、魔力をかなり消費をしたようで、見るからに疲れていた。彼はシズのような魔法詠唱者ほど、魔力量に優れていないのだ。

 

「八割ほど消費をしました。あと一戦は可能ですかね。ですが、今日はもう無理でしょう」

 

 レアとルークの疲労度合いや、自身の魔力量からそう判断したのだろうシズは、そこまで疲れている印象は見受けられない。

 おそらくだが、好きなように魔法を放てたからだろう。シズは、わざわざエリート街道を蹴ってまで冒険者になるほど、魔法を唱えることが好きなのだ。

 

 その時、第一分隊の榊と打ち合わせをしていた鈴木凪が、こちらへやってきた。彼はホルスターに白星を差しており、右手には片手斧を持っている。

 彼の持つ片手斧は、当然の如く未来技術が搭載をされており、刃部をプラズマ化させ、相手を焼き切ることが可能な代物だ。詳細が気になったグレイが名前を聞いた時、彼は次の答えた。ただのヒートホークであると。

 

〔グレイさん方、ひとまず先へ進むことと相成りました。ですが、戦闘が始まり次第、即時撤退をするとのことです〕

「了解だ。俺たちも限界が近い、その懸命な判断に感謝を」

 

 腕を組み、うむ!と鷹揚に頷くグレイは、まだまだ元気が有り余っていた。グレイも疲れてはいるが、あと二戦ほどこなせる程度には、余力が残っている。もしも体力に陰りが見え始めたのなら、グレートソードではなく、ロングソードに切り替えることも検討をしているほどだ。

 やがて、グレイたちは大蜘蛛たちの死体を乗り越え、その先へと進んだ。なお、大蜘蛛たちの死体は放置である。流石に死体の数が多過ぎるため、ダンジョンの自浄作用にお任せをしたのだ。

 

 

 

 何処までも続くショッピングモール内は、空間が歪んでいるとしか思えない。先ほどからはそれが顕著であり、空のテナント、二階へ続くエスカレーター、そして、二階の通路を繋ぐ橋などが一定間隔で繰り返されていた。しかし、突如として変化は訪れたのだ。

 モール内が、コンクリート造りの通路へと変貌をしていた。まるで、別の空間に繋がったかのように境目がはっきりとしており、明らかに異質だ。

 グレイたちは、慎重に足を踏み入れる。通路の広さはモール内と変わらないが、内装などが何もなく、無機質なコンクリートだけが視界に入ってくる。モール内も不気味な雰囲気が漂っていたが、こちらはこちらで不気味であった。

 

 無機質な通路に、グレイたちの足音が木霊する。そうして、グレイたちがしばらく歩いていると、彼らのはるか前方に巨大な扉が見えてきた。

 近くまでやってきたグレイたちが見たものとは、見上げるほどに大きな金属製の大扉だ。それは近代的な印象を受けるが、扉の表面には絵が描かれており、自然に囲まれた五つの都市と、それら都市に襲い掛かる魔物が見受けられる。

 グレイがどういう意味だろうかと疑問を浮かべた時、大扉の四隅にあったスピーカーより、無機質な女性の声が響き渡った。

 

『ようこそ、第一の扉の心臓部へ。貴方方は試練に値する、勇猛な冒険者です。只今から三日後、五つある都市に魔物を放ちます。もしも全てを撃破できたのなら、この扉を開けましょう。さあ、見せてください。人類の素晴らしさを』

 

 それだけを伝えると、大扉は沈黙した。次に、グレイたちの目前に石柱がそそり立ち、時間が数秒単位で表示をされる。おそらく、この時間がゼロになった時に、魔物が解き放たれるのだろう。

 

〔すぐさま帰投いたしましょう。アルファチーム、本部へ伝令を〕

 

 榊が命令を下すと、アルファチームと呼ばれた面々が全速力で駆けていった。その速度は尋常ではなく、すぐさま豆粒サイズになっていく。

 

〔異人四課の皆様、少し急ぎ気味でも構いませんか?〕

「ああ、構わんぜ。シズ、魔法を頼む」

「分かりました。〈ロングストライダー〉」

 

 シズの唱えた『健脚』によって、グレイたち『黄金の剣』の面々と鈴木凪は足が早くなった。どのくらい足が早くなったのかと聞かれると表現に困るのだが、移動距離が普段よりも三メートルほど伸びたのだ。

 さて、一の扉の踏破も目前だな。グレイはそう心中にて呟くと、歩き出す。大扉に描かれた魔物を見るに、かなりの強敵であろう。しかし、相手は一体だけなのだ。仲間たちと協力をすれば、難なく倒せるに違いない。

 グレイはくつくつと笑うと、三日後に迫った決戦に心を踊らせた。

 

 

 

  ⚔

 

 

 

 時は流れて、三日後。英気を養ったグレイたちは、〝第一都市〟に存在する、寂れたスタジアムへとやってきていた。そのスタジアムの中心には、大きな鉄扉がぽつんと存在をしており、ただならぬ気配を放っている。

 荒れ果てたサッカーコートを踏みしめるグレイは、周囲を見渡した。

 誰一人としていない観客席、破れたネットが物悲しいゴールポスト、そして、一部が崩落した大きな屋根。

 どこへ視線を向けても廃墟然としており、人の姿など見当たらない。グレイとしては、せっかくの大舞台なのだから観客が欲しいところであった。

 

「俺の勇姿を、ライブストリーミングしたいところだぜ……」

〔グレイさん、生配信されてますよ〕

「なんだと⁉」

 

 鈴木凪へ勢い良く振り返ったグレイは、彼の後方にて空を飛ぶ小型ドローンを視界に収めた。鈴木凪曰く、迷対課本部に詰めている阿部ヒロシ課長や、そこで働く公務員の人々、佐倉ハルコなどがリアルタイムで見ているとのことだ。

 うおっほーん! グレイは咳払いをすると、キメ顔を披露しながら小型ドローンにサムズアップを送った。

 

「鈴木さん……コメントは、表示できないのか?」

〔コメントですか? まあ、可能ですが〕

 

 鈴木凪が、左腕のサイバネティクスギアに搭載をされていた操作盤を、ポチポチと操作する。すると、小型ドローンが空中にコメント欄を投影し始めた。

 初めはまっさらだったコメント欄には、次々とコメントが流れてくる。

 

【おい鈴木ィ! 職権乱用すんな!】

【きゃー! 心が破産申請中〜♡】

【感謝……! 圧倒的感謝……!】

【とんでもねえ、待ってたんだ】

【コメント欄開放はルールで禁止スよね】

 

 乱雑としたコメントが次々と流れていき、視聴者数が二十人ほどで打ち止めとなる。おそらく、迷対課本部に詰めている人員かつ、わざわざコメントを残そうと考えている人数がそのくらいなのだろう。なお、ありがたいことに、コメントがアースガルドの共通語に翻訳をされていた。

 気分を良くしたグレイはレアたちに声を掛けると、一緒に小型ドローンの前に立った。そして、笑顔を作りながら視聴者に手を振る。たったのそれだけで、コメントが流れてくるのだ。

 

【男子たちきゃわゆっ♡】

【なんて美人……! 犯罪的だっ……!】

【尊いんだ、投げ銭したいんだ。その額……五百億円】

 

 時々頭のおかしなコメントが流れるが、概ねグレイたちに好意的な反応であった。

 

「レア、すごいだろ? 俺たちは今、迷対課本部にいる人らとやり取りしてるんだぜ」

 グレイが楽しげな様子でレアに声を掛ければ、視聴者に初々しく手を振りながらも、レアは言葉を返してきた。 

「ええ、すごいわね。私のことをちゃんと見てないと、こんな言葉は流れてこないわ」

 レアが指を指したコメント欄。そこには、次のように表示されていた。

 

【ばか。あほ。……好き】

【ずっと一緒にいろ。お前に拒否権ねえかんな】

【ダーメ。こいつは俺のだし!】

【会いてえなー】

 

 グレイはコメント欄をぶん殴った。そして、魂からの叫びを上げる。

「レアは俺のモンだぞーーーっ‼」

「恥ずかしいからやめなさいよ……」

 レアに抱き着こうとしたグレイだったが、誠に遺憾ながらレアに妨害をされてしまい、あえなく撃沈した。

 

 そんなこんなで時間を潰していると、鈴木凪より残り時間が一分を切ったと教えられた。グレイは表情を引き締め、グレートソードを肩に担ぐ。

 鉄扉の前で待機をするグレイは、後ろへ振り向いた。

 悠然とした立ち姿で、レアが首を回す。その隣では、ルークが弓を何度も構えては、矢を放つ真似事をしている。そしてシズはというと、長杖を巧みに操り、小型ドローンに演舞を披露していた。

 誰も彼もが決戦に向けて、心を落ち着かせているようだ。グレイは前に振り返り、頬を一発叩く。そして、気合を入れるように「しゃあっ!」と声を張り上げた。

 

〔残り十秒を切りました!〕

 

 鈴木凪の声を聞いたグレイは、事前に決めていた作戦を実行するため、レアに指示を出す。

 

「レア、『英雄たちの饗宴』!」

「ええ、〈ヒーローズ・フィースト〉」

 

 レアの唱えた魔法によって、グレイたちは体の内側から力が溢れる。心体が頑強となり、毒、病気、恐怖を受け付けなくなったのだ。

 

「ルーク、『植物繁茂』!」

「了解、〈プラント・グロース〉」

 

 今度はルークの魔法によって、鉄扉の前に大量の蔓草(つるくさ)が繁茂した。一度でも足を踏み入れてしまえば、著しく移動が困難となる地形の完成だ。

 

「シズ、『笑顔でダブルピース』!」

「ええ、任せてくだ、いややらないですよ‼」

 

 笑顔で小型ドローンに振り向いたシズだったが、すぐさまグレイを非難してきた。残念ながら、誤魔化せなかったようだ。グレイはこいつは失敬!と言わんばかりに肩をすくめる。

 

 グレイたちが戦闘準備を整え終えた、その時。錆びついた鉄扉がギギギッと不快な音を鳴らしながらも、開閉した。

 不気味な霧を吐き出すその先には、暗闇が広がっている。しかし、三つもの双眸が浮かび上がると、地響きの如き唸り声が木霊した。そして、悍ましき魔物が姿を現したのだ。

 巨大な獅子の頭部と前足が姿を見せたかと思えば、山羊の頭部と下半身が白日の元に晒され、最後に大蛇が顔を出す。

 混獣、キメラ。生態系に組み込まれることもなく、ただひたすらに死を振りまく暴虐の獣。それこそが、崩壊都市最後の試練として解き放たれた魔物であった。

 

 繁茂した蔓草を踏みしめ、キメラが雄叫びを上げる。三つもの頭部から放たれる咆哮は大気を震わせ、周囲に恐怖を振りまいていた。

 圧倒的な上位者としての威厳さえ感じ取れるキメラは、生半可な冒険者では餌にしかならないだろう。しかし、グレイたち『黄金の剣』は違う。彼らはヒューマン大陸に存在するサウスクロウという国においても、指折りの冒険者なのだ。

 

「〈クラウドキル〉」

 

 シズが情け容赦なく『殺戮の雲』を唱え、キメラに猛威を振るった。

 死を招く雲がキメラを包み込み、彼奴から悲鳴を上げさせる。そこへグレイとレアが走り寄り、繁茂した蔓草の手前で止まった。

 

「敵は一体だ。数の暴力にゃ勝てねえぜ」

 グレイは余裕そうに、そう呟く。だが、ラウンドシールドを構えたレアが、グレイを叱責をしてきた。

「油断するんじゃないわよ。あんたが倒れたら、こっちが不利になるんだから」

 その言葉を聞いたグレイは、嬉しくもなんとも言えない表情を浮かべた。というのも、レアはこう言っているのだ。グレイが倒れれば不利にはなるが、負けはしないと。

 グレイは仲間たちの強さに頼もしさを覚える一方、自身の存在価値が高くないことを実感する。だが、決してグレイが不要という訳ではないのだ。レア、ルーク、シズ。誰か一人でも欠けてしまえば、パーティーは不利な状況に追い込まれる。

 要はバランスである。一人で全てを担うのではなく、複数人で担い、リスクを分散する。ちょっとしたミスが命取りとなる冒険者においては、互いのミスをカバーし合う関係こそが理想なのだ。

 つまるところ、グレイの実感した〝存在価値が高くない〟とは、正しくも間違っている。個で考えれば、価値はそこまで高くないだろう。しかし全で考えれば、価値は高いのだ。

 グレイが嬉しくもなんとも言えない表情を浮かべたのは、これが理由である。理性か感情か。論理をとるか欲望をとるか。どちらを基準に考えるかで、物事は大きく変わる。どちらか一方が正しいのではなく、どちらもが正しい。人間の在り方とは、容易に変わり、変われるものなのだ。

 

 ラウンドシールドを構えていたレアに、突如として姿を見せたキメラが襲い掛かった。激しくぶつかり合う両者。(いか)れる獅子の唸り声が鼓膜を震わす。

 ナイフの如き爪を突き立て、キメラがレアを盾ごと押し潰そうとする。しかし、そうはさせないとばかりにグレイは突貫した。

 身の丈を超える大きさのグレートソードを槍に見立てて、グレイは駆ける。だが、すぐ脇の殺戮の雲より、丸太のように太い大蛇が襲い掛かってきたのだ。

 人の上半身など丸呑みにできそうな大口が、目にも止まらぬ速さでやってくる。しかし、グレイはその動きを既に予測していたため、その場で急制動をした(のち)に、大蛇の大口目掛けてグレートソードを突き入れた。

 大蛇の頭部を貫いたグレートソードが、どす黒い鮮血を撒き散らしながらも、刀身を赤く染め上げる。そして、グレイがグレートソードを勢い良く引き抜けば、大蛇は力なく地面に横たえた。

 

「質量✕速度✕筋肉ッ! =破壊力だぁッ‼」

 

 独自理論を展開するグレイは、幸運にもキメラの尾を早々に殺害した。

 獅子の頭部でもってしてレアを吹き飛ばしたキメラが、山羊の頭部を持ち上げて魔法を唱え出す。そこへ襲い掛かる、天駆ける矢。ルークの強弓(ごうきゅう)より放たれた一矢(いっし)である。

 ヒュン!と風を切る音ともに山羊の眼窩に突き刺さった矢は、頭部を中ほどまで貫き、鏃を後頭部より突き出させた。しかし、山羊の詠唱は止まらず、魔法が完成する。

 

「〈カウンターマジック〉」

 

 その瞬間、シズのよく通る声が響いた。シズの唱えた魔法とは、第三位階に分類される防御術魔法、『妨害魔法』であり、相手の魔法位階と同等か、より上位の『妨害魔法』を唱えれば、例外なく相手の魔法を阻止できる優れものだった。

 哀れなことに、キメラは魔法を阻止された挙句、死力を尽くした山羊の頭部が力尽き、ぐったりと項垂れた。キメラが雄叫びを上げる。それは怒りか悲しみか、それとも不甲斐ない己に対する自己嫌悪故か。

 グレイは無事な様子のレアをちらと確認すると、キメラと真っ向からぶつかり合った。グレートソードを盾として、キメラと鍔迫り合いを始めたのだ。

 

「皆! オラに元気を分けてくれーっ‼」

 

 グレイのすぐ後ろで、迫力のある映像を撮っていた小型ドローンがグレイの脇にコメント欄を表示した。

 

【グレイさん、頑張ってください!】

【グレイくん〜〜〜♡】

【頑張れ。人間は考える(あし)である】

【俺、心から応援してるっスよ。忌憚のない意見ってやつっス】

 

 次々と流れてくる応援コメントにグレイは元気を貰うと、裂帛の声を上げ、溜めに溜めた力を解き放った。そして、自身よりもはるかに巨大なキメラを吹き飛ばしたのだ。

 

「だらっしゃあああーーッ‼」

 

【ええ……】

【圧倒的インパクト♡】

【ゴリラを超えてゴリラ】

【やはり暴力……‼ 暴力はすべてを解決する……‼】

 

 キメラが大きく上半身を仰け反らせては、繁茂した蔓草によって後ろ脚が絡め取られていた。

 動揺した様子のキメラは、グレートソードの切っ先で狙いを定めているグレイを認識していないことだろう。その隙こそが、命取りとなる。

 キメラがグレイを見据えた時には、既に上半身が重力に従って下りてきており、そのままグレートソードの切っ先がキメラの喉元に深く突き刺さった。

 

「うおおおおオラァッッ‼」

 

 大量の血が吹き出す中、グレイが鎧を軋ませるほどに力を込め、グレートソードを横に薙いだ。

 滝のように溢れ出す鮮血。首を半分ほど切断されたキメラが最後の足掻きとして、ところ構わず暴れ出した。しかし、キメラはどんどんと精彩を失っていき、最後にはゼンマイの切れた玩具のように、物言わぬ骸となったのだ。

 

 戦闘時間は、僅か五分ほど。グレイたちに目立った損害はなし。

 彼ら、『黄金の剣』は──完膚なきまでの勝利を手にしたのだ。

 

 

 

 ⚔

 

 

 

 第一の扉の心臓部にて。巨大な大扉の四隅より、無機質な女性の声が流れ始めた。

 

『全ての魔物を打ち倒したのですね。貴方方人類の素晴らしさ、とくと拝見いたしました。さあ、勝者には栄光を、報酬を、そして、新たな未来を授けましょう』

 

 けたたましいサイレン音と共に、巨大な大扉が開閉する。

 地響きの如き駆動音を伴って開かれた扉の先には、溢れんばかりの金銀財宝が山をなしては、部屋の最奥の壁に埋め込まれた、巨大なダンジョンコアが色彩を放っていた。

 一体どれだけの価値があるかなど、想像もつかないほどの巨万の富。それらが爛々と輝きを放ち、勝者の凱旋を今か今かと待ちわびていた。

 




 グレイ 『バーバリアン』
 レア  『クレリック』
 ルーク 『レンジャー』
 シズ  『ウィザード』
 このパーティー構成は強いんよ。火力が高いんよ。
 敗北なんて、そうそうせんし。困ること、ねえし。
 強いて言うならローグがいない。鍵開けが、できない。
(できないというより苦手。レンジャーはローグほど手先が器用ではなく、ウィザードは解錠の魔法を唱えられるが、魔法のリソースを使う。ちなみに、私はソーサラーが好きなのでウィザードはエアプ。魔法は正義なんよ。隙自語)
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