転生したらスキマ妖怪だった件について   作:デスゴッド

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アンケートの結果、ユカリのドワルゴン行きは見送られました。


これからのこと

リムルSide

 

「皆!集まれぇっ!!リムル様とユカリ様からお話がある!!」

 

皆が進化したことと俺が目覚めたことを祝う宴会の翌日、リグルドがそう皆に呼び掛け、村の中央にある広場に集める。

 

「………」

 

因みに俺は付け髭をした状態でその広場の中央にある切り株の上に鎮座し、近くにはランガが伏せの状態で控えてくれている。

 

「………」

 

ユカリは俺とランガの真上辺りに出現させたスキマに腰掛け、背後にはラン達妖怪組が控えている。

 

「お話って何だろうな?」

 

「また宴会でもするのかな?」

 

「昨日、ヤマメ様とエノコ様が獲ってきて下さった牛鹿(ウジカ)の肉は美味かったよなぁ……」

 

「あぁ……リムル様、今日も神々しい……」

 

「ユカリ様もなんてお美しいの……」

 

「かんぱぁーい!」

 

「いや、それ、今じゃないだろ。」

 

「………」

 

「あっ。しぃー……」

 

「「「「「………」」」」」

 

「……はい。皆が静かになるまで五分かかりました。」

 

「「「「「?」」」」」

 

俺の十八番(オハコ)が通用しない……っ!?

 

【昨日の宴会でも『乾杯』を知らなかった魔物が、『校長ネタ』なんてわかる筈ないでしょ。】

 

うぐっ!?

 

「えぇー、気を取り直して……」

 

明らかに呆れながら『念話』でツッコミを入れてくるユカリを他所に速やかに話題を転換。デキる大人の高等テクだ。

 

「………」

 

「皆も知っての通り、うちは大所帯になった。不要なトラブルを避けるために幾つか『ルール』を設けたいと思う。」

 

「一つ、『仲間内で争わない』」

 

「二つ、『進化して強くなったからって他種族を見下さない』」

 

「三つ、『人間を襲わない』」

 

「?何故、人間を襲っちゃダメなんですか?」

 

「リムル様とユカリ様のご意志を……っ!!」

 

「あぁ、良いよ。別に……それは俺が人間が好きだからさ。」

 

「後始末が色々と面倒なのよ。」

 

「おいっ!!」

 

おまっ、ユカリ!もう少しオブラートに言えよ!!

 

「わかりました!!」

 

「わかるの!?じゃなくて……人間は普段から集団で生活してるだろ?いくら魔物(おれたち)が進化して強くなったからって攻撃すれば、数にもの言わせて報復してくるかもしれない……」

 

「そうね……連中はそうやって大勢で痛めつけるような醜い連中よ。」

 

ユカリ……本当におまえの前世で何があったんだよ……

 

「……ユカリ様ならお一人ででも余裕で蹂躙しそうだと思うんですが……」

 

青ざめながらそう言うカゲロウの言葉に多数のオオカミ霊達も青ざめながら何度も首を縦に振る。

 

コイツら、なんかトラウマを植えつけられてないか?

 

まぁ、それはさておき……

 

「リグルド。」

 

「ハッ。」

 

「今から君を『ゴブリン・ロード』に任命する。」

 

「村を上手く治めるよう務めなさい。」

 

「!ハハァッ!!身命を()してその任、引き受けさせて頂きます!!」

 

「うむ。任せた。」

 

ユカリはともかく俺はもう口だけ番長で良いや。

 

【『君臨すれども、統治せず』……良い言葉よねぇ……】

 

……もしかして、『霊能者(サイキック)』で読んだ?

 

『否。現在、個体名『ユカリ=テンペスト』からそのような干渉は受けておりません。』

 

【貴方がわかりやす過ぎるのよ。】

 

……俺ってそんなにわかりやすいのか?スライムなのに……

 

その後、『霊能者(サイキック)』で皆の得意・不得意を見極めたユカリの人選で獲物を獲ってくる狩猟担当、周辺を警戒する警備担当(オオカミ霊達はこっちに配属されている)、服を作る服飾担当、家を建て直す建築担当の四つに訳、後のことはリグルドに任せた。

 

因みにミズチとコアは狩猟担当、エノコとカゲロウ、ヌエは警備担当(エノコは狩猟も兼任している)、ヤマメは服飾担当に配属が決まり、ランとチェンはユカリの秘書とその従者を務めることになった。

 

「で、あの後三日くらい掛けて出来た『家』がコレって訳ね。」

 

「め、面目ない……」

 

「まぁ、建築の知識と技術がなければこんなもんだろ。別にリグルドの采配が悪い訳じゃないさ。」

 

それから三日後、『三匹の子ブタ』に出てきそうなぼろぼろな藁の家からグレートアップした、ぼろぼろな木の掘っ建て小屋を見ながら、ユカリとリグルドとそう話をする。

 

「一応ヤマメの糸で補強はしているから、見かけに依らず丈夫ではあるけど……」

 

「……ユカえもん。どうにかできないか?」

 

「誰がユカえもんよ。せめてユカミじゃなくて流石に建築は色々と専門外よ。」

 

だよなぁ~。八雲紫に建築関係の能力なんてなかったし。『中身』にしたって霊能者とはいえ元は未成年の女子高生だったもんなぁ……

 

俺は一応成人した大人だったけど、ゼネコン勤務のサラリーマンで良し悪しはわかるけど指導できる程の技術は持ってないし……うーん……

 

「……(ボソッ)技術者との繋がりが欲しいな……」

 

「あ!」ポンッ

 

うん?

 

「今まで何度か取り引きをしたことのある者達がおります。器用な者達なので家の建て方についても知っておるやもしれません。」

 

「ほぅ……取り引き相手……」

 

「何て人達なの?」

 

「ドワーフ族です。」

 

「ドワーフ!!」

 

「ドワーフって確か鍛冶の達人だったかしら?」

 

「流石はユカリ様!その通りでございます!!」

 

小首を傾げながらそう言うユカリにそう言いながら、リグルドは此処から対岸沿いに北上し二ヶ月(嵐牙狼族(テンペストウルフ)の脚なら三日)はかかる距離にあるドワーフの王国…『武装国家ドワルゴン』の存在を教えてくれた。

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