転生したらスキマ妖怪だった件について   作:デスゴッド

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早くもトレイニーさん、登場(^∀^;)


樹妖精(ドライアド)との交渉と春告精(スプリングフェアリー)

第三者Side

 

「貴女は……樹妖精(ドライアド)ってやつね。」

 

「えぇ。この集落で暮らす樹人族(トレント)達を庇護し、森の管理者も務めているトレイニーと申します。以後、お見知りおきを。」

 

口元に開いた扇子を当てながらそう言うユカリに対し、緑の長髪の女性…『トレイニー』は頭を下げながら恭しい態度でそう自己紹介をする。

 

「あぁ~、だから、密漁者達を虐殺した時(あのとき)、見ていた訳ね。」

 

「………」

 

「あの時からでしょ。私達を見ていたのは。」

 

「そうですわね。先に誤解のないように言っておきますが、貴女が助けて下さった二人…元魔猫であるチェンと元九頭獣(ナインヘッド)であるランを見捨てるつもりは一切ありませんでした。それこそ人間である密漁者達のみであれば、森の管理者として直接介入もしてたでしょう。」

 

「あぁ、あの時は下位悪魔(レッサーデーモン)を受肉させられたキメラが二体もいたものね。私が出会した時には既に一体倒されてはいたけど……」

 

「あの時は見ていた私も驚きましたわ。突如、開いたあの奇妙な“裂け目”でもう一体のキメラを無力化した処か密漁者達を一切の慈悲も与えずに殆んど瞬殺してしまったのですから。」

 

「だから、ずっと見ていたって訳ね。私とリムルを。」

 

「ご安心を。貴女方に森を害する気がないというのはこれまでの貴女方の在り方できちんと把握しておりますわ。」

 

「そう。それなら良かったわ。まだこの森には引きこもっもといお世話になるつもりでいたから、追い出されたらどうしようかと思ったわ。」

 

「フフ……それで、貴女様はどうして樹人族の集落(ここ)へ?見付けたのは偶々のようですが……」

 

「あぁ~、ちょっとお願いしたいことがあって……」

 

「?」

 

「ちょっとお野菜の種を定期的に分けては貰えないでしょうか。」

 

次の瞬間、ユカリは頭を下げながらそう懇願する。

 

「……え?……野菜の種……?」

 

「実は今、私達の村にリリナ……ここに野菜の種を定期的に分けてもらう代わりに出来た漬け物を卸していたゴブリン村の子達が来てて……その子達のための畑が作れる土地は押さえてはあるんだけど、種に関してはこちらから定期的に分けてもらうしかなくて……」

 

「なるほど……あの子達も貴女様方の元へ行ったのですね。」

 

「勿論、私ができる範囲にはなるけど、定期的に分けてもらえるなら、貴女達の要望に応えるわ。」

 

「そうですね……種を分け与える条件は二つ。一つは以前のゴブリン村と同様に出来たツケモノをこちらにも分けてもらうこと。もう一つは私が何か困った時に助けてもらう……つまりは“貸し1”にするというのはどうですか?」

 

「なるほど……その条件乗ったわ。」

 

「交渉成立ですね。」

 

トレイニーはそう言いながら種の入った小袋をユカリに手渡す。

 

「ありがとう。いきなり500人もゴブリンが増えることになったから助かるわ。」

 

クパァ

 

「いえいえ……ただ、種と畑が揃っても野菜はすぐには育ちませんよ?」

 

「そこはちょっと考えがあるから大丈夫……ありがとう。トレイニー。次はリリナが漬けた美味しい漬け物を持っていくわ。」

 

「えぇ。お待ちしておりますね。ユカリ様。」

 

次の瞬間、そう言うトレイニーの言葉を背にユカリはスキマの中へと消えていった。

 

ユカリSide

 

「こちらです。ユカリ様。」

 

トレイニーと交渉し種を分けて貰った後、私はカゲロウの案内で今時期で一番日射しを心地好く浴びることができる場所に足を運んでみる。

 

「良いわね。今時期の、『春』の日射しの自然エネルギーが満ちている……」

 

「私も弟のランガもよく此処で日光浴してました。」

 

「しかし、ユカリ様。何処からか種を調達してきたかと思えば、今度は何をなさるおつもりですか?」

 

そう言いながら日射しを浴びる私にカゲロウが懐かしむようにそう言うなか、一緒に来たランは首を傾げながらそう尋ねてくる。

 

「ちょっと野菜作りに心強い『助っ人』を生み出してみよう(・・・・・・・・)と思ってね……」

 

対する私はそう言いながら先ず燦々と降り注いでくる…『春』の日射しの自然エネルギーの一部をスキマで切り取って回収する。

 

以前(まえ)に雑談序でに『紫様』から聞いた話だとこの世界の精霊の在り方と幻想郷の妖精の在り方は何処か似ている。

 

元々は自然エネルギーの塊として生まれるこの世界の精霊と、元々は自然現象や概念が擬人化して生まれる幻想郷の妖精……

 

そこで私は今、ジュラの大森林の中でも最も強く『春』の日射しの自然エネルギーが降り注ぐ此処でその自然エネルギーをスキマで切り取り、その自然エネルギーに『擬人化』の術式を組み込んだヒトガタで『式神化』を行い、『春』の妖精を式神として生み出してみることにした。

 

「さて、『春』の訪れを告げる自然エネルギーよ。『式神化』を受け新たな妖精として生まれなさい……『リリーホワイト』!!」シュッ!!

 

私はそう言いながら目の前に開いたスキマ…その中にある自然エネルギーに向けてヒトガタを投げつける。

 

パァァァ

 

次の瞬間、スキマの奥から暖かい光が溢れてくる。

 

〈確認しました。個体名『リリーホワイト』は新たな種族、『春告精(スプリングフェアリー)』として誕生しました。〉

 

「わぁーい♪ありがとう♪ユカリ様♪」

 

次の瞬間、そう言う『世界の言葉』と共にスキマから金髪に赤いラインが入った白いワンピース、同色の帽子にリボン、背中には半透明の虫のような羽根が生えた美少女…『リリーホワイト』が嬉しそうにそう言いながら出てくる。

 

「………」

 

「まさか、今度は妖精を生み出してしまわれるとは……しかもこの子、妖精にしては上位精霊と同等の魔素(エネルギー)を感じるのですが……」

 

「まぁ、上位精霊クラスの自然エネルギーを切り取って生み出したからね。」

 

「もうユカリ様には感謝しかありません。ただ降り注ぐ自然エネルギーでしかなかった私に明確な自我と思考能力を与えて下さったんですから♪」

 

カゲロウが思わずあんぐりとし、ランと私がそう言うなか、リリーホワイト…リリーは笑顔でそう言う。

 

「それじゃあ、これからはよろしくね。リリー。」

 

「はいっ!!」

 

しかし、なんかノリで色々とやっちゃってるけど……帰ってきた時にリムルに怒られないかしら。私……




リリーホワイト

見た目:東方のリリーホワイト

種族:春告精(スプリングフェアリー)

所持スキル

ユニークスキル『春告者(ハルツゲシモノ)』:リリーホワイトの『春が来たことを伝える』程度の能力の発展型。自身の魔素を込めた鱗粉を振り撒くことで植物の成長を促進できる。

エクストラスキル『スペルカード』

スキル『弾幕』

詳細

今後の畑作りを任せるリリナのサポート要員として、ユカリがスキマで切り取って回収した『春』の日射しの自然エネルギーと『擬人化』の術式を組み込んだヒトガタで式神として生み出した妖精。自我と思考能力を与えてくれたユカリに感謝しており忠誠を誓う。リリナともすぐに打ち解け仲良くなった。

リムルの運命の人にユカリを入れる?

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