転生したらスキマ妖怪だった件について   作:デスゴッド

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一方のリムルは……

第三者Side

 

「いやぁ、まさか、俺がやっとこさ打った渾身の一振りがああもあっさり量産されちまうとはなぁ……」

 

リムル達がドワルゴンに到着してからの二日後の夜、エルフが営む夜の店にて、リムルがひょんなことから知り合った衛兵カイドウの兄である凄腕鍛冶職人カイジンはそう言いながら酒を一口飲む。

 

「カイジンが打ったオリジナルの出来が良かったからできたことだよ。でなきゃあれだけ品質の良いコピーを二十本も量産できなかった。」

 

対するリムルもそう言いながら、グラスに淹れた酒を一口飲む。

 

「本当、弟のカイドウの言う通り、凄腕の職人だよ。カイジンは。」

 

「へへ……そう言われると職人、冥利に付くってもんだぜ。まぁ、次は旦那にそう簡単に真似できねぇもん、打ってやるがな!!」

 

「うんうん!その意気だよ。カイジン!!」

 

「旦那には本当に感謝してるぜ。ベスターのクソ野郎にバカにされず、王に面目が立てたからな。」

 

カイジンは王宮に仕える大臣ベスターの挑発を受け、魔鋼を使ったロングソード二十本の発注を受けていたのだが、材料不足により納期までに間に合わなくなる事態に陥っていた。

 

そこで事情を知ったリムルが唯一仕上がっていま一振りを『捕食』して解析。

 

更にその場にあった大量の普通のロングソードも『捕食』し、それらから得られた情報(データ)と『封印の洞窟』で『捕食』しまくっていた純高度の魔鉱石を使って二十本の魔鋼のロングソードを量産し、カイジンを助けたのだった。

 

そして今、助けてもらった礼として、打ち上げと称してカイジンやその仕事仲間であるドワーフ三兄弟とリムルは呑みに来ていた。

 

因みに一緒に入国したゴブタは留守番。それ以外のゴブリン達とランガ達嵐牙狼族(テンペストウルフ)はドワルゴンの外の森の入り口付近で待機中である。

 

リムルSide

 

「あぁ~、それでな、リムルの旦那。旦那の村に誘ってくれた件なんだが……」

 

「あ。ママさん?この美味しいの、おかわり貰える?」

 

「旦那!?」

 

「あら?スライムさん、味がわからないんじゃなかったの?」

 

「美人さんに淹れてもらうだけでも美味しく感じるもんだよ。」

 

「まぁお上手♪」

 

カイジンはこの国の職人だし、王にも恩義があるだろう。

 

義理堅い性格みたいだし、名うての鍛冶職人だからな。こっちの我が儘で困らせたくはない。

 

見返りは十分に貰ってるしな!!

 

「スライムさん。ちょっとコレやってみない?」

 

「?水晶玉?」

 

「占いよ。結構人気なのよ。」

 

「ほぅ……何を占うんだ?」

 

「そうねぇ……スライムさんの『運命の人』とか?」

 

「!運命の人……」

 

それってつまり嫁か!?いや、俺、今、スライムだしな……

 

「それじゃあ、占ってみるわね……」

 

俺がそう思っている間にダークエルフのお姉さんは占い始める。

 

そもそもスライムってどうやって繁殖とかするんだ?分裂か?

 

「視えてきた!!」

 

「!?」

 

嫁かっ!!

 

俺がそう思いながら水晶玉を見ると、少年3少女2の子ども達と『顔にほんの少しの火傷の痕がある黒髪の女性』の姿が映し出されていた。

 

?なんだろう?何処かで見たことあるような……あ!前世の最後に見た夢!あの夢に出て『俺』こと美少女(美少年?)に似てるんだ!!

 

「おいおい。その人は……『爆炎の支配者』、『シズエ=イザワ』じゃねぇか!?」

 

「知ってるのか?カイジン。」

 

自由組合(ギルド)の『英雄』さ。見た目は人間の若い姉ちゃんだが、何十年も活躍したベテラン冒険者だ。今は引退して、どっかの国で若手を育ててるんじゃなかったかな……」

 

「へぇ~~。」

 

シズエ=イザワ……いざわしずえ?漢字なら井沢静江とかか?どう見ても日本人……だよな?

 

「なに?スライムさん、やっぱり『運命の人』が気になる?」

 

「ずるぅーい。」

 

「あ。いや、会ってみたいとか思ったけど……」

 

同郷かもだし。もしかしたら、ユカリの探している博麗霊夢のことを知ってるかもしれない。

 

「そうだ。カイジン。序でにちょっと聞きたいことが」

 

「おい女主人(マダム)!この店は魔物の連れ込みを許すのか!?」

 

「ん?」

 

「い、いえ。魔物と言いましても紳士的なスライムですし……」

 

「なにぃ?スライムは魔物じゃないとでも……」

 

「マズいな、大臣のベスターだ……」

 

ほぅ。彼奴が例の腹黒大臣か……如何にも神経質そうだな……

 

バシャアアッ!!

 

「「「!?」」」

 

「………」

 

そんななか、ベスターがカウンターに置いてあったピッチャーの水を思いきり俺にぶっかけてくる。

 

「ふんっ。魔物にはコレがお似合いよ。」

 

「大変!」

 

「スライムさん、大丈夫!?」

 

「あぁ、大丈夫大丈夫。お姉さん達こそ、濡れなかったか?」

 

内心は激おこだが、ここで俺が短気を起こしてカイジンやお店に迷惑を掛ける訳には

 

ドンガラガシャーンッ!!

 

「ぶべらっ!?」

 

「よくも俺の恩人にケチを付けやがったな!!」

 

「き、貴様、誰を殴ったかわかって」

 

「あ"ぁんっ!?」

 

「ヒッ……覚えてろ!!」

 

バタバタバタ……

 

「「「………」」」

 

「……良いのか?カイジン。相手は大臣だったんだろ?」

 

「なに、『帰る場所』はあんたが用意してくれるんだろ?」

 

「でも、今までずっとこの国の王に仕えてたんだろ?」

 

「やっぱりそんなこと気にしてたのか。恩人を蔑ろにして仕えたところで王は喜びやしねぇ……寧ろ王の顔に泥塗るようなもんだ。」

 

「……その言葉を待ってたよ。カイジン。」

 

なぁーんて綺麗な感じで国を出られたら良かったんだが……

 

「兄貴にリムルの旦那……何やってるんだよ……」

 

「ふんっ!バカにお灸を据えてやっただけよ!!」

 

とまぁ、一国の大臣を殴ったカイジンと俺達は逮捕され、三日後の裁判に掛けられることになった。




恐らくですが、ユカリが来ていたら殺られたかもしれないベスター……(^∀^;)
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