転生したらスキマ妖怪だった件について   作:デスゴッド

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竜とスライムとスキマ妖怪

少女side

 

ピチョ……ン……

 

「う……ん……あれ?」

 

なんで私、生きて……確かに屋上から突き落とされたのに……それにここ……学校や病院じゃなくて……

 

「……洞窟?なんでこんな所に……」

 

『此処は世間では『封印の洞窟』と呼ばれる場所よ。』

 

「!?誰っ!?」

 

突然、聞こえてきた見知らぬ少女の声に慌てて辺りを見渡す。けど、何処にも『声』の主がいない。

 

『落ち着きなさい。私は貴女がこの世界に転生する際、望んで獲られたユニークスキル『妖怪賢者(ヤクモユカリ)』よ。』

 

「紫様!?」

 

え?何処何処!?もしかして、スキマにでも隠れてらっしゃる!?

 

『だから落ち着きなさいって。さっきも言った通り、私はあくまでユニークスキル。つまり、貴女の中(・・・・)にいるの。』

 

「へ?私の中?」

 

『わかりやすく言うならそうね……貴女の中に生まれたもう一人の人格って解釈で良いわ。』

 

「え?それだとまるで私、『八雲紫(あなた)』にでもなったみたいに聞こえますけど?」

 

『……すぐそこに水溜まりがあるから、それで確認してみなさい。』

 

『紫様』に言われた通りに確認すると、そこには束ねた毛先にリボンを結んだ金髪のロングヘアーに同じくリボンを巻いたZUN帽、フリルの付いた紫のドレスに日傘を持った少女…『八雲紫』の姿があった。

 

って本当に私、『八雲紫』になってる!?

 

『そりゃあ貴女がそう望んだからね。それと向こうから面白そうな妖気(オーラ)の気配を感じるからちょっと行ってみない?』

 

「あ。はい。」

 

『紫様』に促された先に行ってみると、巨大な黒い竜とぷるぷるなスライムが対峙していた。って竜にスライム!?

 

「え?もしかして此処……幻想郷じゃないの?」

 

今思えば、『封印の洞窟』なんて場所、聞いたことないし……

 

【む?今日は客人が多いな……そこで隠れて見ている者。姿を見せよ。】

 

あ、頭の中に『紫様』以外の声が……っ!?

 

【これは『念話』だ。良いから姿を見せよ。我にはまる見えだぞ?】

 

「あ。はい。」

 

【え?紫の婆ちゃん!?】

 

「な!?『紫様』になんて失礼な!!」

 

『ツッコむ所、そこじゃないわよ。主人格(ぬし)様。』

 

「それに『()』は見た目だけじゃなく中身もピチピチな十六歳の元女子高生よ!!」

 

『自分でピチピチって言う?』

 

『紫様』は黙ってて下さい!!

 

【女子高生?もしかして、おまえも日本からの転生者か!?】

 

「?『おまえも』ってことは貴方も?」

 

【あぁ!俺は『三上(ミカミ)(サトル)』。前世では日本のサラリーマンやってた。おまえは?】

 

異世界転生して最初に出会ったスライムがまさかの同郷。それも歳上のおじさんだった件について。

 

「私は……言いたくないし話したくない。『八雲紫(このからだ)』に生まれ変わると同時に捨てたから……」

 

人間(あの頃の私)』の名を呼んで良いのは……現在(いま)は絶対に逢えなくなった『お姉ちゃん』だけだ。

 

【!?そうか……嫌なこと聞いて悪かったな……】

 

「別に……」

 

【おい。貴様ら、我を忘れてはおらぬか?】

 

【「あ。忘れてた。」】

 

【おいっ!!】




因みに生前、少女を苛めていたグループは少女の死後、色々な悪事がバレて逮捕されました。by作者
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