転生したらスキマ妖怪だった件について   作:デスゴッド

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妖怪(ユカリ)VS精霊(イフリート)

ボオオオオオッ!!

 

シズが瞳を閉じながら意識を手放した直後、抑え込まれていた炎が彼女を完全に包み込み、その姿を変えていく。

 

次の瞬間、炎の髪に黒い肌、筋肉質な上半身に鋭い爪、赤い目に黄色い瞳を持つ大男…『炎の上位精霊イフリート』へと変わる。

 

「一応聞くぞ!イフリート!!おまえの目的は何だ!?」

 

「………」

 

リムルからの問いかけに対し、イフリートは無言で左手を上に掲げる。

 

すると、イフリートの周囲に幾つもの炎弾が展開される。

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

「「「「「【ッ!!】」」」」」

 

次の瞬間、イフリートは展開した炎弾を四方八方に飛ばし、リムルとランガ、カバル達、上空にいるユカリに向けて、攻撃を仕掛ける。

 

「なかなか良い弾幕ね。」

 

「自我がちゃんとあるかどうかも怪しいが、少なくとも俺らを全滅させたいという意思は感じるな。」

 

ユカリとリムルはそう言いながら、ユカリは持ち前の空中制動の、リムルはランガの機動力を駆使してかわしていく。

 

「そっちは大丈夫か!?」

 

そんななか、リムルはそうカバル達に声を掛ける。

 

「あちっ!?あちちちちちっ!!?」

 

「無理!無理でやんす!!」

 

「死んじゃうっ!!」

 

対する三人は重戦士(ファイター)であるカバル(の剣)を盾にして凌いでいる。

 

【……アレは放っておいて良いかしら?】

 

【だな。いざというときはユカリ。スキマで逃がしてやってくれ。】

 

【了解よ。】

 

「とりあえず食らえっ!『水刃』!!」ビュンッ!!

 

そんな三人の様子を見て、ユカリと『思念伝達』でそう話しながら、リムルは『水刃』を放つ。

 

ジュワァッ!!

 

が、イフリートに命中する前にその熱で蒸発してしまう。

 

「蒸発したっ!?」

 

【我が主よ!精霊種に爪や牙の攻撃は通用しません!!下位精霊ならば、雨等で弱体化するのですが……っ!!】

 

「なら、『弾幕』はどうかしら?」

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

ユカリはそう言いながら、クナイ型の弾幕を放つ。

 

「ッ!!」

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

 

対するイフリートも炎弾を放ち相殺させると同時にユカリが弾幕に忍ばせて放ったヒトガタも燃やし尽くす。

 

「ちっ!!」

 

(弾幕でダメージを与えながらヒトガタを貼り付かせて動きを封じるつもりだったけど……そう上手くはいかないわね。)

 

【リムル!互いにイフリートの注意を引いて、隙を突いて動きを封じましょう!そうすれば、私のスキルでシズとイフリートを分離させられる!!】

 

【!?本当か!?】

 

【こんな時に嘘なんか吐かないわよ。分離させた後は貴方がイフリートを『捕食』しなさいっ!!】

 

【わかった!!】

 

ユカリとリムルが『思念伝達』でそう話しているなか、イフリートは今度は四体の分身を生み出す。

 

「!?分身!?」

 

「本当、面倒臭い真似してくれるわね……っ!!」

 

「『水氷大魔槍(アイシクルランス)』!!」

 

ヒュパァァァンッ!!

 

リムルとユカリがそう言うなか、エレンが“氷の槍”…『水氷大魔槍(アイシクルランス)』を放ち、四体の内の一体にダメージを与える。

 

「なるほど……炎には氷が有用……どっかから氷妖精を探しておくべきだったかしら……」

 

「!それなら……っ!!」

 

「もういっちょお……『水氷大魔槍』!!」

 

ヒュパァァァンッ!!

 

ユカリとリムルがそう言っているなか、エレンは二発目の『水氷大魔槍』を放つ。

 

が、エレン達と分身達の間に割って入ったリムル『水氷大魔槍』を『捕食』する。

 

「ちょっ、リムルの旦那!?」

 

「えぇ!?私の『水氷大魔槍』、どうなっちゃったの!!?」

 

「悪いが、説明は後だ!『大賢者』!!」

 

『了。『捕食』した『水氷大魔槍』を解析。『水氷大魔槍』並びに氷魔法の習得に成功しました。』

 

「よしっ。『水氷大魔散弾(アイシクルショット)』!!」

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

次の瞬間、リムルは『水氷大魔槍』を散弾銃(ショットガン)のように放つ改造(アレンジ)魔法、『水氷大魔散弾(アイシクルショット)』を放ち、イフリートの四体の分身を撃破する。

 

が、イフリートは更に倍の八体の分身を生み出す。

 

「ユカリ!分身は俺に任せて、おまえはイフリートを頼むっ!!」

 

「わかったわ。」

 

ユカリはそう言いながら、イフリートに向かって飛んでいく。

 

「………」

 

「これで一対一よ、イフリート。弾幕ごっこの続きといきましょうか……っ!!」

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

「ッ!!」

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

 

ユカリはそう言いながら弾幕を放ち、イフリートも炎弾を放って応戦し、先程よりも激しい撃ち合いを開始する。

 

「凄ぇ……」

 

「私の魔法を取り込んでアレンジした魔法で分身を倒していってるリムルさんも凄いけど……」

 

「空を飛び回りながら、本体のイフリートと互角にやり合っているユカリの(あね)さんも凄いでやんす……っ!!」

 

そんな様子をカバル達三人がそう言いながら見入るなか、リムルが討ち漏らした分身の一体が三人に標的を変え襲い掛かろうとする。

 

「「「!?」」」

 

「しまった!!」

 

「ちっ!!」

 

クパァ

 

ユカリは舌打ちしながらも三人の目の前にスキマを出現させ、分身をスキマ送りにする。

 

「………」

 

キィィィ……ッ!!

 

「「「「【!?】」」」」

 

そんなユカリの隙を突いたイフリートはユカリの真下に魔法陣を展開する。

 

「これはあの子達(・・・・)を焼いた技ね。」スッ

 

対するユカリは焦ることなくスペルカードを手にする。

 

「……『炎化爆獄陣(フレアサークル)』!!」

 

「スペルカード!罔両(もうりょう)『八雲紫の神隠し』!!」

 

ボオォォオォオオォォォオォォオォオオォォォオォォオオォォオオォオオオォォオォォオォオオォォォオォォォッ!!

 

「ユカリィーッ!!」

 

【ユカリ様ぁっ!!】

 

「「「ユカリ(の姉御)(さん)(の姉さん)!!」」」

 

次の瞬間、イフリートの魔法陣が骨の髄まで焼き尽くさんとする超高温の火柱を噴き出し、それを見たリムル達は思わずそう声を上げる。

 

後ろに要注意(チェックシックス)よ。」

 

「「「「「【!?】」」」」」

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァァァァァンッ!!

 

「グオオオォォォーーーッ!?」

 

が、イフリートの背後から聞こえてきたユカリの声と共に放たれたレーザーと大型の弾幕、中型とそれより一回り小さい弾幕、更に散弾のように放たれた小型の弾幕がイフリートを襲い、決定的なダメージを与える。

 

「グッ……」ガクッ!!

 

ユカリの罔両『八雲紫の神隠し』を食らったイフリートはその場で両手両膝を着く。

 

ビシィィィンッ!!

 

「!?」

 

直後、いつの間にか周囲にばら蒔かれていたユカリの魔力を帯びたヒトガタがイフリートに貼り付き、その動きを止める。

 

「ふぅ……漸く止まってくれたわね……」

 

「嘘だろ……今、絶対に殺られたと思ったのに……」

 

「いつの間にかイフリートの背後に移動してて……」

 

「あまつさえよくわからない攻撃でイフリートに勝っちまいやした……」

 

「グッ……貴様……何者ダ……ッ!?」

 

「ただの『人間嫌い』なスキマ妖怪よ。もっとも……これからやるのは人助けだけど……」

 

睨み付けながらそう尋ねるイフリートにそう答えながら、ユカリは『妖怪賢者(ヤクモユカリ)』でシズのユニークスキル『変質者(ウツロウモノ)』で融合状態にあるイフリートとシズの間に『境界』を作る。

 

「!?グオオオォォォッ!?」

 

バシュウッ!!

 

「「「【!?】」」」

 

「………」

 

バシッ!!

 

次の瞬間、苦しみだしたイフリートからシズが放出され、ユカリが受け止める。

 

「今よ!リムル!!」

 

「あぁ!ユニークスキル『捕食者』!!」

 

直後、リムルがそう言いながらイフリートを『捕食』する。

 

ユカリSide

 

「んっ……」

 

〔シズっ!!〕

 

「……ピリノ?ピズ……?」

 

〔アンッ!!〕

 

リムルがイフリートを『捕食』していくなか、私の側でシズの顔を覗き込む幽霊の少女と彼女の抱える動物霊…『ピリノ』と『ピズ』の顔を視て、意識がはっきりしてない状態のシズは寝惚けてるかのようにそう呟く。

 

良くも悪くもイフリートが抜けて瀕死な状態になってることで私と同じく『視える』ようになったみたいね。

 

「ピリノ……私は……」

 

〔大丈夫。イフリートは完全に抜けた。『悪夢』は終わったよ。シズ……〕

 

「とはいえ、貴女にはまだ『治療』が必要よ。今は休んで体力を回復しときなさい。」

 

「そうなんだ……良かった……」

 

ピリノと私がそう言うと、シズはそう言いながら私の腕の中で寝息を立て始める。

 

「ユカリ!シズさん!!」

 

【ユカリ様!シズ殿!!】

 

「「「シズさん!!」」」

 

そんななか、イフリートを『捕食』し終えたリムルやランガ、カバル達が駆け寄ってくる。

 

「安心なさい。彼女に怪我はないわ。今は眠っているだけ。」

 

「そ、そうなのか?」

 

「けど、ユカリの姉御が最後にイフリートに食らわせた技、結構な威力だったぜ?」

 

「母体になってるシズまで行かないよう調節(・・)はしたわよ。」

 

「ちょ、調節……」

 

「あの威力ででやんすか……」

 

「おまえって……何気に器用だよな……」

 

【流石です。ユカリ様。】

 

「とはいえ、まだ予断は許されないわ。」

 

「どういうことだ?」

 

「イフリートはシズを苦しめると同時にシズの延命もしてたのよ。そのイフリートが抜けた今、持って一月(ひとつき)……」

 

「マジか!?」

 

「そんな……っ!?」

 

シズの現在の状態にリムルとエレンは悲痛な声を上げ、カバルとギド、ランガも困惑の表情を浮かべる。

 

「安心しなさい。シズを救う方法はあるわ。」

 

「本当かっ!?」

 

「えぇ。一週間、時間を頂戴。その一週間で彼女を救う手段を揃える。」

 

「……わかった。信じてるぞ。ユカリ。」

 

「ユカリさん……シズさんをよろしくお願いします!!」

 

「「よろしくお願いします!!」」

 

真剣な表情でそう言う私にリムルがそう言うなか、エレン達三人もそう言って頭を下げてきた。

 

第三者Side

 

「ッ……」

 

リムルに『捕食』され、『胃』の中に送り込まれたイフリートは無理やり脱出しようと右手に炎を宿らせる。

 

【無駄だ。イフリートよ……】

 

「!?」

 

が、その背後から圧倒的な存在感を放つ巨大な影が語りかけてくる。

 

【リムルとユカリは……この我の盟友(トモダチ)だ……貴様など敵うものか……っ!!】

 

「ボ……暴……風……」

 

【クアハハハハハハハハハッ!!!】

 

イフリートが呆然とするなか、その巨大な影の高らかな笑い声が響き渡った。




はい。という訳でシズをずっと見守り、ユカリに助力を依頼した幽霊の正体はかつて、暴走したイフリートがシズの身体を使って焼き殺した友人のピリノと二人が可愛がってた魔物の幼獣のピズでした。

個人的な見解ですが、この二人は幽霊になってシズを見守っていてもおかしくないかなと思ったので。

次の話では幽霊になっているこの二人がシズを救うために活躍する予定です(⌒‐⌒)
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