ユカリSide
「待たせたわね。」
「ユカリ!おまえが来たってことは準備ができたのか!?」
約束の一週間後、そう言いながらシズを休ませているリムルの家に入ってきた私に対し、リムルはそう尋ねる。
よく見ると、シズも目を覚ましたみたいね。
「ユカリさん……リムルさん…悟さんから聞いたよ。皆を護ってくれてありがとう……」
どうやらリムルは自分の前世での本名を明かしてたみたいね。
「別に礼を言われるようなことはしてないわよ。ただ、勝手に死なれるのは寝覚めが悪いと思っただけ……」
「おまえなぁ……そこは素直に受け取っとけよ……」
「フフ……ねぇ。ユカリさん。貴女の名前も教えてくれる……?」
「ごめんなさいね。リムルにも言ったけど、
「……そう……」
「それに貴女は最期のつもりかもしれないけど、それは必死になって戦ったリムルやあの三人は勿論、
パァァァ
「「!?」」
〔〔………〕〕
私がそう言った直後、これまでずっとシズを見守ってきた幽霊であるピリノとピズが半透明な状態で姿を現す。
「はぁ!?なんだこいつら!なんか透けてるんですけど!!?」
「ピリノ……ピズ……」
「知ってるのか!?シズさん!!」
「彼女達はかつて、暴走したイフリートに焼き殺されたシズの友だちと二人が可愛がってた魔物の幼獣よ。死後もシズを心配してずっと見守っていた……」
「!?おい。それってまさか……」
「……貴方の想像通りよ。リムル。イフリートは依りにも依ってシズの身体を使って二人を焼き殺した……その出来事がシズにこの世界に対する嫌悪感を抱かせると同時にシズとイフリートの間に決定的な溝を生んでいた……」
「そうだったのか……ユカリは『
「そうね。私の『眼』は転生する前からそうだったから……」
「ピリノ……ピズ……ごめんなさい。あの時は私……っ!!」
〔泣かないで。シズ……私こそあの時、不安そうなシズを無視してごめんなさい。レオン様と初めて会ったピズが威嚇しちゃうこと、それを見たシズの中のイフリートが暴走する可能性のことをもっとちゃんと考えるべきだった……そうすれば、貴女に辛い想いをさせずに済んだのに……〕
シズはかつてイフリートの“力”を制御できずに結果的に友人であるピリノとピズを焼き殺してしまったことを後悔しながら生きてきた。同じくピリノもまた自身の軽率な行動を後悔し、それが『未練』となってピズ共々シズを見守り続けていた。
今、お互いに気持ちを伝えることが出来たって訳ね。
私がそう思っているなか、ピリノの手から離れたピズがシズに駆け寄り、その頬に伝わる涙を舐め掬う。
「………」
「ところで、なんでこのタイミングで二人の姿が視えるようになったんだ?シズさん処か俺にも視えてるし……」
「私の『
〔シズ……私もピズも貴女にはこれから贖罪や後悔じゃなく幸せな人生を歩んで欲しいと思ってる……〕
「ピリノ……」
〔だから、今度は私達がシズを助ける!!〕
「でも、どうやって……」
「そのために一週間も時間を掛けて作ったコレを使うのよ。」
私はそう言いながら、オレンジに染まった一枚のヒトガタを取り出す。
「?ユカリ。そのヒトガタ、なんか色がオレンジなんだが……」
「このヒトガタにはイフリートの戦いでスキマ送りにしたイフリートの炎や分身を純粋なエネルギーにして封じ込めてある……コレを使って『式神化』を受ければ、十分にイフリートに匹敵する
「!?まさか、おまえ……っ!!」
説明の最中、意図に気付いたリムルがそう言いながら見上げてくる。
「私の『
「ちょっと待て!それをやったらその二人は元に戻れないんじゃないか!?」
「!?そんな……っ!!」
「勘違いしないで欲しいんだけど、これは他でもないピリノとピズが望んだことよ。私はその『手伝い』をするだけ……」
〔シズ……〕
そんななか、ピリノがシズに語り掛ける。
〔さっきも言ったように私とピズはシズに幸せな人生を歩んで欲しいの。〕
「ピリノ……」
〔それにさ、考えてもみてよ?死んじゃった私達だけど、ユカリさんのスキルで生まれ変われば、また一緒に生きていけるっ!!〕
「!?二人と一緒に……」
「先に説明しとくけど、二人は身体が一つになるのであって意識はそのまま消滅することなく残り続けることができるわ。」
〔だからシズ……これからは一緒に生きていこう。〕
「……わかった。二人の想い、受け取るよ。」
第三者Side
「複雑だが、シズさんが納得したなら、俺からは何も言わない……さっきは悪かったな。ユカリ。声を荒げちまって……」
「別に気にしてないわよ……始めるわよ。」
「あぁ。頼んだ。」
ユカリがそう言いながらピリノとピズに向けてヒトガタを構えるなか、リムルはそう言いながらシズの側に寄る。
「友を想う二つの魂よ、今一つとなり友を救う
パァァァ
次の瞬間、ヒトガタがオレンジの光を放ちながら、ピリノとピズの霊体と融合し一つになっていく。
〈確認しました。個体名『ピリノ』と個体名『ピズ』の魂の融合……成功しました。続けて新たな種、妖怪『
パキィィィンッ!!
「………」
次の瞬間、そう言う『世界の言葉』と共にピリノとピズは融合し狐耳と尻尾があるセミロングの金髪に片目が前髪で隠れ、白いチャイナ風の服を着た美少女へと転生を果たす。
「
「行くよ!シズ!!」
「ピリノ……うんっ!!」
リムルがそう言っているなか、転生したピリノとピズ…『ツカサ』はそう言いながら、オレンジの炎となってシズの中に入り込む。
〈確認しました。個体名『ツカサ』のユニークスキル『
「ッ……」
「大丈夫か?シズさん。」
「うん……まるで全盛期に戻ったみたいで身体が軽い……それにピリノとピズの存在を胸の奥で強く感じる……っ!!」
『これからはずっと一緒だよ!シズ!!』
「ピリノ……うんっ!ありがとう。リムルさん、ユカリさん。」
「いやいや。俺はイフリートを喰っただけで何もしていないぞ。」
「私も大したことはしてないわよ。」
「それでも言わせて欲しい……本当にありがとうっ!!」
『私もありがとうっ!!ユカリ様!リムル様!!』
「……なんか照れ臭いわね……」
「まぁ、確かに照れるが……悪くはないだろ?」
シズとツカサからの感謝の言葉に頬を赤くしながら、そっぽを向きながらそう言うユカリに対し、リムルはそう言う。
「……そうね……悪くはないわ……」
対するユカリは優しい笑顔でそう言った。
ツカサ
見た目:東方の
種族:妖怪『
所持スキル
ユニークスキル『
ユニークスキル『
スキル『
スキル『分身体』
スキル『
エクストラスキル『スペルカード』
スキル『弾幕』
詳細
かつて暴走したイフリートに焼き殺され、以降は背後霊としてシズを見守っていたピリノとピズの魂がユカリの『