「なっ……」
「こ、こいつら……仲間の遺体を喰ってやがる……っ!?」
オーク達の異常な行動にガビルが言葉を失い、他のリザードマン達も戦慄し動きを止める。
ガシッ!!
「!?うわあああああああっ!!?」
「「「!?」」」
そんななか、近くにいた一体のリザードマンが足を掴まれ、オーク達の輪の中へと引きずり込まれる。
「た、たっ助けて!助けてガビル様!!うっ、うわあああああああああっ!!?」
引きずり込まれたリザードマンは必死に助けを求めるも、その声も虚しくオーク達に生きたまま貪り喰われてしまう。
「ッ……退却だ!急げっ!!」
そのおぞましい光景に危険を感じたガビルはすぐさま退却命令を出す。
「ガビル様!回り込まれちゃった!!」
「なにっ!?」
が、オーク達は先程までとは打って変わり、素早い動きでガビル達を取り囲む。
(何故、急にオーク達の動きが……っ!?)
突然の状況の変化に困惑しながらもオークを観察していたガビルはその『変化』に気付く。
「オークに水掻きと鱗だと?それではまるで
「そういえばさっき、仲間が一人喰われた!!」
「然り!そこから
「!?」
(まさか……喰うことで
「ッ……密集陣形!!ゴブリン隊を中心に隙間なく固まれっ!!」
(くっ……ゴブリン達を連れてきたことが裏目に出たか……)
「「「「蹂躙セヨ!蹂躙セヨ!仲間ノ“力”ヲ我ガモノ二!!奴等ノ“力”ヲ我ガモノ二!!」」」」
ガビルがそう思いながら
「恐れるなっ!!ゴブリン隊を護りつつ、
「「「「おおおおおおおおおおおっ!!」」」」
ガビル達はそう気合いを入れ直すや否や迫りくるオーク達に挑もうとする。
「スペルカード、境符『色と空の境界』。」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガアアアァァァーーーンッ!!
「「「「「!?」」」」」
「「「「グオオオォォォーーーッ!!?」」」」
そんななか、そう言う凛とした少女の声と共に上空から四方八方に放たれる計三段階の
ガビルSide
「なっ……!?」
まるで『神の怒り』の如く降り注ぎ、オーク共を一掃した光線と光弾に我輩は思わず言葉を失う。
今のは一体……まさか、『暴風竜』様が復活なされたのか……っ!?
「うわぁ……ユカリ様、初っ端から派手に殺ったッスね……」
【流石です。ユカリ様。】
「!?貴殿らはあの町の真の『主』殿と牙狼族の族長殿!?何故、個々に……っ!?」
「へ……?」
「その子は
「「「「「!?」」」」」
我輩がそう困惑の声を上げるなか、上空から格好こそ町に来た時とは違うが、あの日傘を差した金髪の少女がそう言いながら、まるで天使のように舞い降りてくる。
「!?空から……っ!?」
「………」ニコニコ
「?」
部下の一人がそう困惑の声を上げるなか、少女はまるで聖女のような微笑みを浮かべながら我輩に近づき……
バコォォォォォンッ!!
「あ痛ぁっ!?」
「ガビル様ぁっ!?」
いつの間にか折り畳んでいた日傘で思いきり我輩を
ぜ、全身が痺れるようである……っ!!
「うわぁ……容赦ないッスね。ユカリ様……」
「ふんっ。ただでさえめんどくさい状況を更にめんどくさくした罰よ。」
「ッ……き、
「ユカリ=テンペスト。
貴方のお父さんと同盟を組んだ者よ。」
「!?親父殿と……ッ!?」
「あら?」
「な、なんだ!?あの黒い連中は!!?」
「………」
そんななか、先程までのオーク共とは違う、黒い鎧を纏ったオーク共が現れる。
なんという凄まじい
「……我ハ
「………」
「金髪ノ女……先程ノハ貴様ノ仕業ダナ……ソノ“力”……我ガ
先頭に立つオーク…
「女……我ハ貴様二一騎討チヲ申シ込ム……ッ!!」
「……
「!?ま、待つのである!!一騎討ちなら我輩がっ!!」
ドォォォォォンッ!!ドォォォォォンッ!!
「「「「「!?」」」」」
「「「「グオオオォォォーーーッ!?」」」」
我輩がそう言いながら水渦槍を構え直すなか、遠くの方で“黒い炎のドーム”が幾つも現れ、オーク共を焼き尽くしていく。
「なっ……!?」
あの黒い炎は一体……っ!?
「ボサッとしてないでサッサと体勢を立て直しなさい。」
思わず炎を見て固まってしまう我輩に対し、ユカリ嬢はジト目で見ながらそう言ってくる。
そんなユカリ嬢に対し、
「!?ユカリ嬢ッ!?」
「!?」
ガキィィィンッ!!
次の瞬間、ユカリ嬢は日傘で
「ふんっ。」
ドカァァァンッ!!
そのまま流れるように日傘で
ドンッ!ドンッ!ドンッ!バッシャアアアアアンッ!!
殴り飛ばされた
「なっ……!?」
日傘でバトルアックスを弾き返しただけでなく、一回り以上も体格に差があるオークをあんなあっさりと……っ!?
「あぁ~、ガビルさん…でしたっけ?気持ちは物凄くわかるんスけど、サッサと体勢を立て直して防御陣形を整えないとユカリ様にまたぶっ叩かれるッスよ?」
「う、うむ。わかったのである……」
ドォォォォォンッ!!
「……ところで、あの炎は一体……?」
「心配いらないッス。味方の術ッスから……多分……」
第三者Side
「だから
「キ、貴様ラ……何者ダッ!?」
「覚えてないのか?……酷いなぁ……里をあれだけ派手に喰い散らかしてくれたじゃないか……」
「!?ソノ角……マサカ、
「どうだかなぁ……
動揺しながらそう尋ねてくるオーク達に対し、首領や親衛隊長達の救助に向かったソウエイを除く元オーガの三人の鬼人と三人の
「「「「ッ……」」」」
「もう一度言うぞ……道を開けろ。豚共……灰すら遺さずに消えたくなければな……っ!!」
その炎に思わずたじろぐオーク達に対し、ベニマルはそう言いながら“黒炎”を投げつける。
ドォォォォォンッ!!
「「「「グオオオォォォーーーッ!?」」」」
次の瞬間、“黒炎”はドーム状に拡がり、範囲内にいるオーク達を焼き尽くした。
暗躍者達Side
「けっしゃっしゃっしゃっ!!
ユカリ達が戦争に乱入した頃、暴れる彼女達の姿を森の中でゲルミュッドの水晶越しに見た、黒髪赤白メッシュの
「いやいやいやいや!!笑い事ちゃうで!?『セイジャ』はん!!なんや!?あの色々とヤバい
「このままでは
そんな少女…『セイジャ』に対し、片目を閉じた仮面に兎のような頭巾を被った道化…『ラプラス』とゲルミュッドはそう困惑の声を上げる。
「随分と
「あん?」
「誰やっ!?」
「何者だっ!?」
「
「けっしゃっしゃっしゃ……」
「こらマズいで。ゲルミュッド様……
「!?な、なんだと……っ!?」
「ご名答。それで?一体何を企んでいたか、お聞かせ願いますか?」
「いやぁ……それは何と言いますか、守秘義務って言いますか……」
「お言葉ですが………やなこった!誰がばか正直に喋るか!バァーカ!!」
「ちょお……っ!?」
「そうですか。なら、もう貴方方に用はありません。森を乱した罪で排除します。」
「はぁっ!?」
「精霊召喚……『
トレイニーはそう言いながら、自身の契約する風の上位精霊…『
「待て待て!気ぃ早すぎやろぉっ!?」
「断罪の時です。罪を悔いて祈りなさい……『
『―――♪』
ヒュオオオオオーーーッ!!
トレイニーがそう言った瞬間、シルフィードが歌い、圧縮された大気の刃が『異変』の裏で暗躍していた三人に襲いかかる。
「あらよっと。」クルン
ヒュオオオオオーーーッ!!
「!?」
が、ゲルミュッドとラプラスの二人の前に出たセイジャがそう言いながら、自身が
『―――♪』
ヒュオオオ……ヒュオオオオオーーーッ!!
シルフィードが咄嗟に歌い、トレイニーを“風のバリア”で包み、反射された『
「ッ……ありがとう。シルフィード……」
『………』コクッ
(しかし、今のは一体……)
「けっしゃっしゃっしゃっ!!どうだい?私の『
「た、助かった……」
「はぁ~、ホンマに心臓に悪いわ……」
「けっしゃっしゃっしゃっ!!ここは一旦退くかぁ?ラプラス?」
「せやなぁ……目的はギリ達成しとるから、後は成り行きを見守るだけやし……」
「!?なんですって?」
「ワイらはここでお
ラプラスはそう言いながら左手の指の間に挟むように赤い玉を四つ取り出す。
「ほな!サイナラァ~!!」
ボォンッ!!
ラプラスがそう言いながら四つの赤玉を地面に投げつけた瞬間、辺りが煙に包まれる。
次の瞬間、ラプラスとゲルミュッド、セイジャの三人の姿がその場から消える。
「ッ……逃げられましたか……後は任せましたよ。リムル=テンペスト、ユカリ=テンペスト……」
トレイニーはそう言いながら、シルフィードと共にその場から消えた。
Q:親衛隊長(後のソーカ)が助けを求めに来る前に駆けつけることが出来た理由は?
A:ユカリのスキマ