転生したらスキマ妖怪だった件について   作:デスゴッド

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黒雷嵐(デスストーム)

ガビルSide

 

「『混沌喰(カオスイーター)』!!」

 

ズオオオォォォーーーッ!!

 

ユカリ嬢達の参戦にオーク共に混乱が生じ始めるなか、ユカリ嬢に日傘で殴り飛ばされた豚頭将軍(オークジェネラル)から実体化した妖気(オーラ)が口の付いた触手のように飛び出し、ユカリ嬢を喰らおうと襲いかかってくる。

 

「………」

 

対するユカリ嬢は空を縦横無尽に飛び回ることでその攻撃をかわしていく。

 

「……マルデ羽虫ノヨウニブンブン飛ビ回ル……」

 

クパァ

 

「「!?」」

 

豚頭将軍(オークジェネラル)の言葉の最中、“奥から無数の目が覗き込む奇怪な裂け目”が出現し、ユカリ嬢がその中に消える。

 

「ナッ!?消エタ……ッ!!?」

 

(一体何処二……ッ!?)

 

「上ばっか見すぎよ。」

 

「!?」

 

「神技『天覇風神脚』。」

 

ドカカカァァァァァンッ!!

 

いつの間にか豚頭将軍(オークジェネラル)の懐に潜り込んでいたユカリ嬢はそう言いながら、その場で宙返りしながら豚頭将軍(オークジェネラル)の顎目掛けての蹴り…所謂(いわゆる)サマーソルトキックを三連撃で食らわせる。

 

「グオオオォォォーーーッ!?」

 

食らった豚頭将軍(オークジェネラル)はバトルアックスと盾を手放しながら、上空へと吹き飛ばされる。

 

ビキィィィィィンッ!!

 

「!?」

 

直後、ユカリ嬢がいつの間にか上空に設置していたヒトガタが光を放ちながら豚頭将軍(オークジェネラル)に貼り付き、上空に固定させる。

 

「お空にようこそ。黒豚さん(・・・・)。」

 

「キ、貴様ァ……ッ!!」

 

上空にて日傘を差しながら、そう言いながら先程の裂け目に腰掛けるユカリ嬢に対し、豚頭将軍(オークジェネラル)は怨嗟を込めた視線を向けながらそう言う。

 

「それじゃあ、貴方との一騎討ち(弾幕ごっこ)はこれで終わりね……スペルカード!幻巣(げんそう)『飛光虫ネスト』!!」

 

クパァ……ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

ユカリ嬢がそう言いながら左手に持った扇子を広げ、上空でヒトガタで拘束した豚頭将軍(オークジェネラル)に向けた瞬間、ユカリ嬢の周囲に幾つもの小さな裂け目が出現し、そこから先程よりも鋭くなった光弾…否、光槍が超高速で放たれ、豚頭将軍(オークジェネラル)に襲いかかる。

 

「グオオオォォォーーーッ!!?」

 

バカアアアァァァンッ!!

 

無数の鋭い光槍に防ぐ(すべ)もなく蜂の巣にされた豚頭将軍(オークジェネラル)はそのまま光の中で跡形もなく消え去る。

 

な、なんという御人だ……あれ程の妖気(オーラ)を持つオークをまるで赤子のように……

 

ユカリ嬢の優雅さすら感じさせた圧倒的な強さに我輩は思わず見惚れてしまう。

 

そうしている間に新たな豚頭将軍(オークジェネラル)達が我輩達に迫ってきていた。

 

ユカリSide

 

【ユカリ!!】

 

【リムル?】

 

【今、おまえが倒した個体と同じく黒い鎧を着た上位個体達がガビルやゴブタ達の方に向かっている。】

 

豚頭将軍(オークジェネラル)を始末した後、戦場の全体像を上空(うえ)から俯瞰(ふかん)して観ていたリムルから『思念伝達』でそう言う連絡が入ってくる。

 

察するに狙いを私からガビルやゴブタ達に変更することにしたってところかしら。

 

【すぐにゴブタやガビル達のフォローに向かうわ】

 

【いえ。ユカリ様に我が主……ここは我にお任せを。】

 

そんななか、そう言うランガからの『思念伝達(こえ)』が聞こえてくる。

 

第三者Side

 

【今度は我の“力”を見せてやろう。オーク共……】

 

迫りくる豚頭将軍(オークジェネラル)達に対し、ランガはそう言いながら、赤い妖気(オーラ)を纏いながら唸り始める。

 

リムルSide

 

ゴオオオォォォーーーッ!!

 

ビシャァァァァァァァンッ!!

 

「!?……えぇぇ……」

 

上空から戦場を俯瞰して捉え、そこから得られた情報をベニマルやユカリ達に伝えているなか、突如、立ち込めた暗雲から降り注ぐ、黒雷を伴った幾つもの竜巻を見ながら、俺は思わずそう声を上げる。

 

なに……アレ……

 

『解。個体名『ランガ』の広範囲攻撃、『黒雷嵐(デスストーム)』です。』

 

あっ、そう……

 

ガビルSide

 

ゴオオオォォォーーーッ!!

 

「「「「「グオオオォォォーーーッ!!?」」」」」

 

「くっ……なんて凄まじい“力”であるか……っ!!」

 

突如、発生した幾つもの黒雷を伴った竜巻にオーク共が吹き飛ばされていくなか、我輩は巻き込まれぬようになんとか踏ん張る。

 

ウォォォォーーーン

 

そんななか、聞こえてきた遠吠えに目をやると、身体が一回り大きくなり、角も二本に増えたランガ殿が目に入る。

 

「おぉっ!『黒雷星狼(テンペストスターウルフ)』ッス……!!」

 

【見たか、オーク共……これがリムル様とユカリ様の“力”の一端だ……っ!!】

 

スタッ

 

「格好つけてる所悪いけど……周りのオークは全部跡形もなく吹き飛んだわよ?」

 

【あっ!?】

 

「ゴブタ、ガビル。左右からオーク達の残党狩りを。ランガに怯んでいる現在(いま)好機(チャンス)よ。」

 

「う、うむ。心得たのである!!」

 

「(ボソッ)一番はユカリ様に対してビビってると思うッスよ……」

 

「聞こえてるわよ。ゴブタ?」

 

「ッ!?い、行くッスよ!狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)!ガビルさん!!」

 

「うむっ!おまえ達も行くのである!!今一度蜥蜴人族(我輩達)の誇りを見せつけてやれっ!!」

 

「「「「おおおおおおおおおおおおおっ!!」」」」

 

ただ強いだけではない。冷静に状況を見極められる判断力に我輩を含めて周囲(まわり)に的確な指示を出し自然と動かせるカリスマ性……まるで我輩が最も敬愛した『若き日の首領(親父殿)』を視ているようだ……

 

いや、違うな。親父殿は確かに年老い“力”は衰えたが蜥蜴人族(いちぞく)を想い、『最善』を導き出せるその判断力(あたま)は一切衰えてなどいなかった。

 

『頭さえ良ければ』……(まさ)に親父殿の言う通りだ。ただ皆に持て(はや)され調子に乗っていた我輩など、最初(ハナ)から首領(親父殿)の足元にも及んでなどいなかった……

 

「グオオオォォォーーーッ!!」

 

「ガビル様ぁーっ!!」

 

ユカリ嬢のカリスマ性を目の当たりにし、一人反省しながら戦う我輩に対し、一体の豚頭将軍(オークジェネラル)がバスターソードを振るってくる。

 

「おおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

この戦争(たたかい)を生き残れたとしても、首領である親父殿達を幽閉し、戦死者も出して蜥蜴人族(いちぞく)他種族(ゴブリン達)を危険に晒した我輩は裁かれるだろう。

 

「『渦槍水流撃(ボルテクスクラッシュ)』!!」

 

ズドオオオォォォーーーンッ!!

 

「「「「グオオオォォォーーーッ!!?」」」」

 

我輩がそう言いながら突き出した水渦槍(ボルテクススピア)から放たれた水流が豚頭将軍(オークジェネラル)と周りにいた数体のオークを押し流し撃破する。

 

せめて、親父殿が託してくれた水渦槍(このやり)に恥じぬ戦争(もの)にしてみせる……っ!!

 

我輩はそう決意を胸にオーク達へと向かっていった。

 

第三者Side

 

「やるッスねぇ!ガビルさん!!けど、オイラだって負けないッスよ!スキル『弾幕』!!」

 

再起奮闘するガビルの姿にゴブタはそう言いながら、目の前にバレーボールサイズの黒雷球型の弾幕を生成する。

 

「いくッスよ!ユカリ様からの褒美で貰った『弾幕(このスキル)』とリムル様からの褒美としてコガサちゃんに作ってもらったこの『雹切丸』の合わせ技!!」

 

パキキキ……ッ!!

 

弾幕を生成した後、ゴブタはそう言いながら取り出した刀身に刻印が施された小太刀…『雹切丸』の刀身に冷気を纏わせ氷らせていく。

 

「黒符『雹雷大魔散弾(ライトニングショット)』ッス!!」

 

ズドォォォォォンッ!!

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

ゴブタがそう言いながら氷らせた雹切丸で弾幕を突いた瞬間、そこから黒雷を帯びた雹が細いレーザー状の弾幕の如く無数に飛び出す。

 

ゴブタの周りにいたオーク達はそのレーザーに貫かれるか、(かす)ってもそこからたちどころに凍りつくかして倒れていった。

 

(え?……なにアレ……?)

 

『解。個体名『ゴブタ』は個体名『ユカリ=テンペスト』から与えられたスキル『弾幕』とマスターが与えた魔剣『雹切丸』の『凍結付与』の特性を組み合わせることで新たな技能(アーツ)の開発、修得に成功した模様。』

 

(あっそう……)

 

その一部始終を見て思わず固まるリムルに対し、『大賢者』はそう説明するのだった。




ガビル君、ユカリに触発されて半覚醒(笑)

ゴブタのオリジナル技(スペカ?)に関しては最近のONE PIECEからインスピレーションを得ました(^∀^;)
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