ユカリSide
「……見つけたわ。
ベニマルやシズ達によってオークの数が減っていくなか、私は戦場のど真ん中にいる、二体のオークを引き連れた他よりも体躯も
「今、ベニマル達にも連絡した。」
リムルがそう言うなか、ベニマルとハクロウ、シオンとカセン、ユウギとスイカの六人が
「……腹が減っタ……なんでもイイ。喰いたイィ……ッ!!」
視たところ、『
「……
私がそう思いながら観察しているなか、リムルはシズから託された『抗魔の仮面』を被りながらそう言う。
私はさっき結構暴れさせてもらったし、
キィィィィ……ッ!!
「……ん?」
そんななか、こっちに向かって飛行してくる影の存在に気付く。
「ッ!?」
「!?なんだっ!?」
ドォォォンッ!!
次の瞬間、影は物凄い勢いで私とリムルの間を通り抜け、激しい
「………」
水飛沫が落ちつくとそこにはペスト仮面を被った謎の人物が降り立っていた。
「!?あの方は……っ!!」
「これは一体どういうことだぁっ!?このゲルミュッド様の計画を台無しにしやがってぇっ!!!」
その人物を見てガビルがそう声を上げるなか、ペスト仮面の人物…ゲルミュッドがそう怒号を上げる。
なるほど……彼がゲルミュッド……つまり今回の『異変』の主犯の一人ということね。
「もう少しで俺の手足となって動く新たな魔王が誕生するというのに、それをよくも……っ!!」
「!?新たな魔王だと?」
「そうだっ!だから、名付けをしまくったっ!!
私がそう思いながら見ているなか、ゲルミュッドは自らの目的を暴露しながら怒りを露にする。
「そのために……」
「私達の里にも……」
「来たということか……っ!!」
「「ッ……」」
そんなゲルミュッドに対し、
「ゲルミュッド様!!何故、此処に!?いや、それよりも親父殿やユカリ嬢の言うように我輩を唆したというのは本当で」
「このノロマがっ!!貴様もさっさと
「なっ!?」
そんななか、ガビルがゲルミュッドに対し、自分を唆したことの真偽を問い質そうとする。
が、ゲルミュッドからのまさかの言葉に思わず言葉を失う。
まぁ、ゲルミュッドはガビルの名付け親のようだし、そんな反応になるわよね。
「何の役にも立たない無能の分際で目障りな奴よ……精々
「!?ゲッ、ゲル!?ゲル!?」
「殺れっ!!
戸惑いを隠しきれないガビルを他所にゲルミュッドがそう
「………」
「?どうした!?」
「……魔王に進化というのは、どういうことカ?」
が、
「ちっ!!何処までも愚鈍な奴よ……いいか!?貴様は『
【どうやら更なる黒幕がいるみたいだな。】
【それってこれまでの情報から察するに、こいつを擁する魔王ってところじゃないかしら。】
【その可能性が高そうだな。】
「何をボーッとしている!?ノロマな豚がっ!!」
「………」
「はぁ……仕方ない。本来なら手出し厳禁だが、俺が殺るしかないか……」
リムルと『思念伝達』でそう話しているなか、ゲルミュッドは左手を掲げ、頭上に大量の魔力弾を生成する。
「上位魔人の強さを教えてやる!死ねぃっ!!
『
「はぁっ!?」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!
次の瞬間、ゲルミュッドはそう言いながら、大量の魔力弾をガビルに向けて放つ。
「「「ガビル様ぁーっ!!」」」
ガビルの周りのリザードマン達は咄嗟にガビルを護ろうとする。
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!
そんな彼らの命を刈り取ろうとゲルミュッドの魔力弾が迫ってくる。
が、咄嗟に彼らの前に降り立ったリムルがスライム化させた右手で全てを『補食』する。
「はぁっ!?」
「なぁ……これが全力か?こんなんでどうやって死ぬんだ?これならユカリの弾幕の方がよっぽど殺意マシマシだぞ。」
「(スタッ)そうね。正直イフリートの方がよっぽど良い弾幕だったわ。」
「き、貴様ら……っ!!」
「ユカリ。ガビル達のこと、頼むな。」
「えぇ。」
「げ、ゲルミュッド様……何故ですか?我輩に名を授けて下さったあの日、『おまえには見所がある。何れ右腕にしたい。』と……そう仰って下さったではありませんかっ!?」
「それは名付ける相手にその気にさせて、信頼を得るための営業トークだったってことでしょ……貴女達の里に来た時も似たようなこと言ってたんじゃない?カセン。」
「……ですね。ユカリ様。」
「よぉ。ゲレ、じゃなかったゲルミュッド……里の全員から突っぱねられた『名付け』は順調のようだな?」
「!?」
私とカセンがそう話しているなか、そう言うベニマルを始めとした鬼人と元オーガの
「き、
「……我らの里をオーク共に襲わせたのはおまえだな?」
「!?」
「違うのなら早く弁明下され。」
「そうそう。こちとらいい加減虫みたいに沸いてくるオーク共の相手は飽きてきたところなんだ。」ゴキッ!ゴキッ!
「明確な仇があんただってわかれば、酔いも醒めるってもんだよ……」
「ッ……あぁ、そうだよ。それがどぉしたぁっ!?『上位魔人』を嘗めるなぁっ!!」
ヴォォンッ!ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァァァンッ!!
「フッ……」
「おまえこそ、
「!?」
ズバァァァンッ!!
が、ゲルミュッドの魔力弾を難なくかわしていたベニマルは背後からそう言いながら、ゲルミュッドの左耳を斬り落とす。
「ぎゃあああああああっ!?み、耳がぁっ!!?」
「そんなものじゃないぞ。」
「!?」
のたうち回るゲルミュッドにベニマルは言葉を紡ぐ。
「親父は俺と
「ヒィィ……ッ!?」
「リムルさん!ユカリさん!!」
「ユカリ様!リムル様!!」
【我が主!ユカリ様!!】
抑えきれない怒りを露にするベニマルにゲルミュッドが後退るなか、ランガに乗ったシズとランが合流してくる。
「ぎゃあああああああっ!?」
「ランガ……アレに手を出すなよ。」
「ランも手を出しちゃダメよ。」
【「御意。」】
「?どういう状況?」
「
「げ、ゲルミュッド様……」
「気持ちはわかるけど止めときなさい、ガビル。あいつは貴方を切り捨て殺そうとした……貴方を護ったのはリムルと、未だに纏わり付いている
「「「………」」」
「!?おまえ達……」
「………」
「アレが
「でも、今までの話から察するにゲルミュッドの配下なんだよね?なんでゲルミュッドのピンチに無反応なんだろ……?」
「ユカリ。何かわかるか?」
「『
それでも尋常じゃない『
「なんだか可哀想……」
「もし、例の『黒いヒトガタ』に洗脳の類の術式も組み込まれているなら、その影響もあるかもしれませんね。」
「何れにせよトレイニーさんとの約束もあるし、これ以上森を喰い荒らさせる訳にはいかないな。」
「リムル……終わらせてあげて頂戴。」
「あぁ……」
「進化……魔王……」
【そうさ……『
頭の中に何時しかの、『小物妖怪』と名乗っていた少女の『声』が聞こえる。
第三者Side
「うおぉぉっ!!『
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァァァンッ!!
(ここは一旦退く!こんな化け物共、相手にしてられるか!!)
ベニマルやカセン達に向けて『
「(ガクッ!!)か、身体が……っ!?」
「逃がす訳がなかろう……」
「!?」
「貴様には我らが失った同胞達と同じ報いを受けてもらう……楽に死ねると思うな……」
が、
「ところで、
「ッ……」
「………」
ソウエイからの問いにゲルミュッドは答えず、背後にいる
「おい
「……腹ガ減っタ……」
【そうだよなぁ……腹が減って仕方ないよなぁ……】
「クソッ!俺を助けろ!!
「ッ……」
【そうだぜ。ゲルド……ゲルミュッド様は今、鬼人や
「………」
ユカリSide
ズシン……ズシン……
「!?動きだした……」
突如、
「漸く動いたか……ハハハハハッ!!
ザシュッ!!
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
ゲルミュッドの言葉の最中、
バリッ!ボリッ!グチャグチャ……ッ!!
「うわっ、喰ってる……」
「まさか、『
〈確認しました。個体名『ゲルド』の魔王種への進化を開始します。〉
ズズズ……ッ!!
そう言う『世界の言葉』と共に黒い
シュウウウ……ッ!!
直後、その『繭』から
「!?皆!!急いでその
「ッ!!」
飛びながらそう言う私からの警告にリムル達はすぐさま『繭』から離れ、生き残っているオーク達も同じように離れる。
ドロォ……ッ!!
直後、ゴブタやカセン達の攻撃で死亡していたオークの死体が
「触れたものを『腐蝕』させる
それが進化した
「幻想郷風に言うなら『触れたものを腐らせる』程度の能力……ってところかしら……」
バァァァァァンッ!!
〈成功しました。個体名『ゲルド』は『
「ウオオオオオオオオオッ!!!」
私がそう言いながら観察しているなか、『繭』の中から
「俺は『
次の瞬間、『