第三者Side
「喰らい尽くせ!『
ズオオオォォォーーーッ!!
魔王ゲルドはそう言いながら、実体化させた
「………」
対するリムル、否、『大賢者』は素早い動きで回避しながら接近し、
ザンッ!!
黒炎を纏わせた刀で一閃。魔王ゲルドの左腕を斬り飛ばす。
「!?」
(左腕が再生しない!?)
即座に再生しないことに困惑しながら、魔王ゲルドは左腕を確認する。
ボォォォ……ッ!!
見ると、傷口に黒炎が燻り、再生を阻害しているのが目に入る。
「凄い……けど、動きがまるで別人のような……?」
「あれはリムルが『大賢者』に主導権を渡しているのよ。」
「それって確かリムルさんの持つ自立型の……」
「えぇ。本当の意味で産まれた時からリムルとずっと一緒にいて、
「むぅ……」
「………」
シズとユカリがそう話しているなか、魔王ゲルドは巨大中華包丁を構えながら『大賢者』を警戒する。
(……認めよう……アレは餌ではない……『敵』だ……っ!!)
魔王ゲルドがそう考えるなか、『大賢者』は再び突っ込み斬りかかる。
「ッ!!」
ガキィィィンッ!!
対する魔王ゲルドは巨大中華包丁で『大賢者』の刀を受け止める。
ジュウウウ……ドロォ……ッ!!
「!?バカな……っ!?」
が、『大賢者』の刀に宿る黒炎の熱によって溶解していく巨大中華包丁を見て、魔王ゲルドはそう困惑の声を上げながらすぐさま手放し距離を取る。
ジュバアアアアアッ!!
直後、巨大中華包丁は地面に落ちるや否や完全に溶解し、その場で消失する。
「……ふんっ!!」
ブチブチッ!!グシャアアッ!!バリッ!!ゴリッ!!
距離を取った後、魔王ゲルドは黒炎が燻っている左腕を引きちぎり、黒炎ごと喰らう。
「ッ……悪食が……っ!!」
「マイロード……ッ!!」
「ウオオオオオオオオオッ!!」
グジュルルルルルルルルルッ!!
早くも見慣れたその光景に紅丸が悪態を吐き、黒フードのオークがそう言うなか、魔王ゲルドは魔素を解放して瞬く間に左腕を再生させる。
「今度こそ、その身を喰ってやろうぞっ!!」
魔王ゲルドはそう言いながら、両手
二つの魔力弾は無数に分裂し、『大賢者』やユカリ達に襲いかかる。
「危ないわね。」
クパァ
「………」
ユカリがそう言いながら自分達に向かってくる魔力弾をスキマで呑み込んで防ぐなか、『大賢者』はスライム化させた両手で喰らっていく。
ガシッ!!
「捕まえたぞっ!!」
が、その隙を狙った魔王ゲルドは『大賢者』を鷲掴みにして持ち上げる。
「王よ。腹が減った……」
「は、早くソイツを『
シュウウウ……ッ!!
周りのオーク達がそう言うなか、『大賢者』を鷲掴みする魔王ゲルドの手から『腐蝕』の
「………」
「残念だったな。『
魔王ゲルドがそう言うなか、『大賢者』の左腕が
「このまま俺に喰われるがいいっ!!」
「「リムルさん(様)!!」」
「……否。」
「!?」
ボオオオオオオオオオオオオオオォッ!!!
シズとシオンがそう声を上げるなか、『大賢者』の目がイフリートのものに変わりながらそう言った瞬間、魔王ゲルドの足元に魔方陣が展開され、強力な炎の竜巻が発生して魔王ゲルドを焼き尽くさんとする。
ユカリSide
「!?あれはイフリートの『
『大賢者』の『
やるわね。『腐蝕』の
スライムの身体の粘性で逃げられないように身動きを封じた状態で『
完璧な作戦だわ。でも……
〈確認しました。
次の瞬間、無情な『世界の言葉』が響き渡る。
本当、面倒ったらありゃしないわね。
リムルSide
「ハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」
『大賢者』の『
『大賢者』は極小可能性として切り捨ててたけど、やっぱり手に入れやがったか……
「緊急事態発生。至急、計画の修正を……」
交代だ。『大賢者』。
「!?」
そんなショックを受けるなよ。相棒。おまえのおかげでこいつの攻略法がわかったんだから……
「グフフ……俺に炎は通じぬみたいだぞ?」
「そうかよ。炎で焼け死んだ方が幸せだったかもしれないぜ?」
勝ち誇ったようにそう言う魔王ゲルドにそう言いながら、俺は左腕だけでなく下半身からも徐々に“元の姿”に戻って奴の身体に纏わりついていく。
「今こそ、俺の本当の姿で相手してやるよ……」
「なに?」
ユカリSide
「俺は……スライムだっ!!」
ズオオオォォォーーーッ!!
「!?」
リムルはそう言いながら人化を完全に解き、魔王ゲルドの全身に纏わりつく。
「ヌググッ!?き、貴様……っ!?」
「『喰う』のはおまえの専売特許じゃねぇんだよっ!おまえが俺を喰い尽くすのが先か、俺がおまえを喰い尽くすのが先か、勝負だっ!!」
「ヌグアアアアアアアアアッ!!」
そう言いながら纏わりついてくるリムルのスライムを、魔王ゲルドは引きちぎって腐食させる。
が、『超速再生』ですぐさま再生し、魔王ゲルドを包み込んでいく。
魔王ゲルドはそれでも負けじと捕食された部位を『自己再生』で再生させる。
が、それでもリムルに分があるのか、魔王ゲルドの身体は徐々に呑み込まれていく。
……今ならイケそうね。
クパァ
「?ユカリさん。一体何を?」
突然、近くに小さなスキマを開いた私にシズが首を傾げながらそう尋ねてくる。
ベニマルやカセン達も同じように首を傾げる。
「魔王ゲルドの中にある例の『黒いヒトガタ』を回収しようと思ってね。」
魔王ゲルドは間違いなくリムルに喰われる。
でも、その魔王ゲルドが取り込んでいる『黒いヒトガタ』がリムルにどんな影響を与えるかわからないからね。
リムルが魔王ゲルドごと喰い尽くす前に取り出して回収しないと。
私はそう思いながら、魔王ゲルドの内部へと繋げたスキマに手を突っ込む。
(……負けられない……負ける訳にはいかない!!全てを喰い尽くしてでも俺は同胞を……皆を救うのだ……っ!!!)
「!?」
スキマの向こうにある『黒いヒトガタ』に触れた瞬間、そう言う魔王ゲルドの激情とも云える想いと共にある光景が情報として頭の中に流れ込んでくる。
〈確認しました。個体名『ユカリ=テンペスト』はユニークスキル『
同時にそう言う『世界の言葉』が響き渡った。